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惚骨
『「僕が死んだら12カラットの宝石になるから、君の中にそっとしまってほしいんだ」そう言った宝石商の青年は、冷たい夜にしずかに息を引き取ったあと、ほんとうに12カラットの宝石になりました。海の様に青く澄んだ12カラットの宝石を見て、宝石箱は悩みます。「死んだ彼のことをしまうには、わたしの胸の中はあまりにもせますぎるわ」とっても悩んだ宝石箱は、12カラットの宝石をしまうために、彼との嬉しい想い出も悲しい想い出も全部胸の中から放り出して――ついには彼への恋心も捨ててしまいました。すっかり空になった胸の中に12カラットの宝石をしまうと、宝石箱は満足気に笑いました。「まあ。まあ。宝石を胸の中にしまうのって、こんなに素敵な気持ちになるのね。もっともっと、宝石をあつめてしまいたい!」』
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鏡台の前は其れのお気に入りの場所だった。
何せ、どんなに美しい宝石を胸中に飾り立てたとて、鏡が無ければ自身には眺める事が出来ないからだ。並べた其れ等は紛れも無い自身の収集品で有るのに、どうしたって其れの造りは"誰かに所持される為の宝石箱"でしかないと云う訳だ――全く腹立たしい事に!
☆。°.*☆
篝だけの、呟きの場。