ギルドスレッド
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廃墟
問い掛けてからこっち、待てども待てども返事はない。痺れを切らして二の句を紡ごうと口を開いた時にやっと聞こえた声。性別の判断がつかない中性的な声質が言い放った返答に一泊程の間が空く。
「……星?」
言われ、視界を上へと向ければ己のいる場所よりも遥か遥か上の方で幾千もの星々が輝いている。日常的な事だからと特別気にした事は無かったが、成程これは見る価値のある景色だ、と。すんなり納得をして視線を元の位置へと戻し再びその姿を捉えた。
「なるほどな、星か」
確認をする様に繰り返した言葉。羽音が響く。
少しばかりの寄り道を、と。男は少しずつその高度を下げ「何か」へ近づいていこうとその翼を羽ばたかせた。
その胸に"興味"という感情を引き連れて。
「……星?」
言われ、視界を上へと向ければ己のいる場所よりも遥か遥か上の方で幾千もの星々が輝いている。日常的な事だからと特別気にした事は無かったが、成程これは見る価値のある景色だ、と。すんなり納得をして視線を元の位置へと戻し再びその姿を捉えた。
「なるほどな、星か」
確認をする様に繰り返した言葉。羽音が響く。
少しばかりの寄り道を、と。男は少しずつその高度を下げ「何か」へ近づいていこうとその翼を羽ばたかせた。
その胸に"興味"という感情を引き連れて。
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思い立って、廃墟を貫いて立つ樹木の枝に足をかけて、両手で身体を引き上げるように木の上へ。無造作なそれにがさがさと枝葉が顔や手を打つが、痛み慣れしている分、あまり気にはならなかった。
格闘することしばらく。やっと屋根の上の高さに顔を出すことが出来て、小さく一息を吐く。
もとから長い幽閉と暴行で随分弱っていた上、それなりにあったレベルまで1に戻っているこの身体は、結構どんくさい。
太い枝に腰を下ろすと、片足首に嵌ったままの枷が千切れた鎖と擦れて鈍い音を立てた。
「……星。月。……空、広い」
人と会話をしないとすぐに端的どころか単語になりがちな呟きを零して、まだ夏の気配がしっとりと残る生温い夜風に左右異色の瞳を細める。
広くて高い、どこまでも続くような夜空が、とても心地よかった。
・異世界からやって来て、ほんの数日。廃墟の屋根の上の、ある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎