ギルドスレッド
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廃墟
楽しげな己の言葉に、責めるような言葉を乗せた小さな声が返ってくる。
それすらも楽しく思えてしまうのは相手が初めて表情を崩したからに他ならない。
眉根を寄せる事も無かった、言ってしまえば人形の様にも思えた相手が自分の一挙一動や言葉で初めて表情を崩したのだ。図らず気分も上がるというもの。
自身もあまり表情が変わる方ではないし仏頂面が張り付いてるようなもので、人の事が言えた義理ではないのだが。
「表情が無いよりは、微かでも変化があった方がやはり面白いなと思っただけだ。」
他意はない、と続けて零しながら頬を滑り撫でていく風の心地良さに目を細める。
両翼を大きく広げ風を受け、時折緩やかに羽ばたかせながらゆっくり、ゆっくり地上へ。
空にはしゃぐ青年の様子を見ながらなるべく長く空中遊泳を楽しめるようにと、身を包み遊ぼうとする風を慣れた様に自在に操る。
それすらも楽しく思えてしまうのは相手が初めて表情を崩したからに他ならない。
眉根を寄せる事も無かった、言ってしまえば人形の様にも思えた相手が自分の一挙一動や言葉で初めて表情を崩したのだ。図らず気分も上がるというもの。
自身もあまり表情が変わる方ではないし仏頂面が張り付いてるようなもので、人の事が言えた義理ではないのだが。
「表情が無いよりは、微かでも変化があった方がやはり面白いなと思っただけだ。」
他意はない、と続けて零しながら頬を滑り撫でていく風の心地良さに目を細める。
両翼を大きく広げ風を受け、時折緩やかに羽ばたかせながらゆっくり、ゆっくり地上へ。
空にはしゃぐ青年の様子を見ながらなるべく長く空中遊泳を楽しめるようにと、身を包み遊ぼうとする風を慣れた様に自在に操る。
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思い立って、廃墟を貫いて立つ樹木の枝に足をかけて、両手で身体を引き上げるように木の上へ。無造作なそれにがさがさと枝葉が顔や手を打つが、痛み慣れしている分、あまり気にはならなかった。
格闘することしばらく。やっと屋根の上の高さに顔を出すことが出来て、小さく一息を吐く。
もとから長い幽閉と暴行で随分弱っていた上、それなりにあったレベルまで1に戻っているこの身体は、結構どんくさい。
太い枝に腰を下ろすと、片足首に嵌ったままの枷が千切れた鎖と擦れて鈍い音を立てた。
「……星。月。……空、広い」
人と会話をしないとすぐに端的どころか単語になりがちな呟きを零して、まだ夏の気配がしっとりと残る生温い夜風に左右異色の瞳を細める。
広くて高い、どこまでも続くような夜空が、とても心地よかった。
・異世界からやって来て、ほんの数日。廃墟の屋根の上の、ある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎