ギルドスレッド
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廃墟
自分よりは明らかに小さな手。その手でこの大樹を登ってきたのだという事実が信じられない様な華奢さに今一度驚いて、つい相手をじっと観察してしまう。
すると返ってきた言葉に少しばかり目を瞬かせた。
"ここ"というのはまさかこの樹の上の事を差してはいないだろうな。
そうであればとんでもない事だ。何度か落ちそうになったと言っていたのを思い出し頭を振る。確認の意図も込め言葉の抜けが無いよう確りと返答をした。
「樹の下には建物があるんだろう?そこで待っていろ、俺が迎えに来る。」
間違っても登って待っていようとはするなよ、と念を押して言えば気を取り直す様に息を吐いて立ち上がり、樹の下を覗き込んだ。なるほど、やはり高い。
視線は再び戻り彼の方へ。頭から足先までを見てから、一度頷いた。
「抱えて降りるが、触れられるのは問題無いか?」
片脇の方に腕で円を作る様な動作。どうやら脇に抱えて降りようとしているらしい。
すると返ってきた言葉に少しばかり目を瞬かせた。
"ここ"というのはまさかこの樹の上の事を差してはいないだろうな。
そうであればとんでもない事だ。何度か落ちそうになったと言っていたのを思い出し頭を振る。確認の意図も込め言葉の抜けが無いよう確りと返答をした。
「樹の下には建物があるんだろう?そこで待っていろ、俺が迎えに来る。」
間違っても登って待っていようとはするなよ、と念を押して言えば気を取り直す様に息を吐いて立ち上がり、樹の下を覗き込んだ。なるほど、やはり高い。
視線は再び戻り彼の方へ。頭から足先までを見てから、一度頷いた。
「抱えて降りるが、触れられるのは問題無いか?」
片脇の方に腕で円を作る様な動作。どうやら脇に抱えて降りようとしているらしい。
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思い立って、廃墟を貫いて立つ樹木の枝に足をかけて、両手で身体を引き上げるように木の上へ。無造作なそれにがさがさと枝葉が顔や手を打つが、痛み慣れしている分、あまり気にはならなかった。
格闘することしばらく。やっと屋根の上の高さに顔を出すことが出来て、小さく一息を吐く。
もとから長い幽閉と暴行で随分弱っていた上、それなりにあったレベルまで1に戻っているこの身体は、結構どんくさい。
太い枝に腰を下ろすと、片足首に嵌ったままの枷が千切れた鎖と擦れて鈍い音を立てた。
「……星。月。……空、広い」
人と会話をしないとすぐに端的どころか単語になりがちな呟きを零して、まだ夏の気配がしっとりと残る生温い夜風に左右異色の瞳を細める。
広くて高い、どこまでも続くような夜空が、とても心地よかった。
・異世界からやって来て、ほんの数日。廃墟の屋根の上の、ある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎