ギルドスレッド
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廃墟
これが例えば自分の独り善がりなものだったとしても、確かにオズウェルはこの手を取った。望んだのだ。その機微を取り零してはいけない。
「教えるのは今度、日の出ている時にしよう。それでいいか?」
握手を交わした手を相手からも解ける様握っていた力を弱めながら、言葉に合わせて視線は空へ向く。変わらず点々と輝く星と月。
…そろそろタイムリミットだろうか、戻らなければいけない時間だと月の傾きが教えてくれる。
確認の意と共に、男は再び彼へと向き直った。
「オズウェル、星の鑑賞は気が済んだのか?オレはそろそろ戻らなきゃならない。」
降りるのであれば、手伝うが。
そう意味合いを込めて相手へと投げ掛ける。
「教えるのは今度、日の出ている時にしよう。それでいいか?」
握手を交わした手を相手からも解ける様握っていた力を弱めながら、言葉に合わせて視線は空へ向く。変わらず点々と輝く星と月。
…そろそろタイムリミットだろうか、戻らなければいけない時間だと月の傾きが教えてくれる。
確認の意と共に、男は再び彼へと向き直った。
「オズウェル、星の鑑賞は気が済んだのか?オレはそろそろ戻らなきゃならない。」
降りるのであれば、手伝うが。
そう意味合いを込めて相手へと投げ掛ける。
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思い立って、廃墟を貫いて立つ樹木の枝に足をかけて、両手で身体を引き上げるように木の上へ。無造作なそれにがさがさと枝葉が顔や手を打つが、痛み慣れしている分、あまり気にはならなかった。
格闘することしばらく。やっと屋根の上の高さに顔を出すことが出来て、小さく一息を吐く。
もとから長い幽閉と暴行で随分弱っていた上、それなりにあったレベルまで1に戻っているこの身体は、結構どんくさい。
太い枝に腰を下ろすと、片足首に嵌ったままの枷が千切れた鎖と擦れて鈍い音を立てた。
「……星。月。……空、広い」
人と会話をしないとすぐに端的どころか単語になりがちな呟きを零して、まだ夏の気配がしっとりと残る生温い夜風に左右異色の瞳を細める。
広くて高い、どこまでも続くような夜空が、とても心地よかった。
・異世界からやって来て、ほんの数日。廃墟の屋根の上の、ある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎