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廃墟
見ているとこれが中々おもしろい。感情の起伏によって上がったり下がったりする耳。
一瞬機嫌を損ねたことを察したのだろうか、今度は驚いたように上がった耳が、そして揺れた肩が今の青年の心境を物語っている。
こういった感情には敏感なのだろうか、喜楽の感情の時よりも顕著に青年の感情が表情に現れ見て取れる気がする。
伏せられ隠れていた瞳が丸く見開かれた事によってはっきりとその形が見えるようになった。
「十分だ。そもそもオレが提案した事だぞ、むしろ必要ないくらいなんだがな。」
対価を支払わなければいけない状況も勿論この世にはごまんとあるのだろう。
願いに必要な対価を不要だと切り捨てたりはしない。
けれど今回のこれは言うなればただの助力の一端。ざっくりと言えば平均水準の生活をする為の手伝いを少しするというだけの話だ。むしろ対価を貰ってはこちらの気が引けてしまう。
納得できないか?未だ困惑している様子の青年に問い掛けた。
一瞬機嫌を損ねたことを察したのだろうか、今度は驚いたように上がった耳が、そして揺れた肩が今の青年の心境を物語っている。
こういった感情には敏感なのだろうか、喜楽の感情の時よりも顕著に青年の感情が表情に現れ見て取れる気がする。
伏せられ隠れていた瞳が丸く見開かれた事によってはっきりとその形が見えるようになった。
「十分だ。そもそもオレが提案した事だぞ、むしろ必要ないくらいなんだがな。」
対価を支払わなければいけない状況も勿論この世にはごまんとあるのだろう。
願いに必要な対価を不要だと切り捨てたりはしない。
けれど今回のこれは言うなればただの助力の一端。ざっくりと言えば平均水準の生活をする為の手伝いを少しするというだけの話だ。むしろ対価を貰ってはこちらの気が引けてしまう。
納得できないか?未だ困惑している様子の青年に問い掛けた。
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思い立って、廃墟を貫いて立つ樹木の枝に足をかけて、両手で身体を引き上げるように木の上へ。無造作なそれにがさがさと枝葉が顔や手を打つが、痛み慣れしている分、あまり気にはならなかった。
格闘することしばらく。やっと屋根の上の高さに顔を出すことが出来て、小さく一息を吐く。
もとから長い幽閉と暴行で随分弱っていた上、それなりにあったレベルまで1に戻っているこの身体は、結構どんくさい。
太い枝に腰を下ろすと、片足首に嵌ったままの枷が千切れた鎖と擦れて鈍い音を立てた。
「……星。月。……空、広い」
人と会話をしないとすぐに端的どころか単語になりがちな呟きを零して、まだ夏の気配がしっとりと残る生温い夜風に左右異色の瞳を細める。
広くて高い、どこまでも続くような夜空が、とても心地よかった。
・異世界からやって来て、ほんの数日。廃墟の屋根の上の、ある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎