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和風バル【潮騒】
っ……(添えられた手の温もりに導かれるように、言われるまま徳利をゆっくりと置く。視線、自然と手に落として)
…………違うんだ。(唇を微かに動かして、言葉を紡ぐ)
愛、とか……そんな、綺麗な想いじゃねぇんだ。……言ったろ、「馬鹿な話」だって。
(緩く頭を振る。笑わないでと言われても、わからない。
……今、自分が、どんな顔をしているのか)
俺は……あの時、逃げたんだ。
さっきまで這い回っていた子供が動かねぇのも、さっきまで笑っていた嬢ちゃんが泣いてるのも……受け入れられなかった。タチの悪い夢だと思った。
何を言やぁいいのかも思いつかねぇ。いっそ罵ってくれりゃぁ楽だったのに。
だから――……馬鹿な俺は、その場から逃げ出しちまった。
自分から手を差し伸べたくせに、肝心な時は見えねぇふりをしようとしたのさ。(酷い男だろ?と自嘲して)
……走って、走って……走り続けて、やっとそこで、自分が何をしでかしたか気づいた。
急いで戻って、謝ろうと思った。出会った頃みてぇに、側で支えてやろうと思った。
……最初から、そうすべきだった。――……あぁそうだ、俺はいつだって、何をやるにも遅すぎる。
(何かを堪えるようにか、無意識に、蜻蛉の手を一度だけ強く握ろうとし)
戻った俺の目の前で……嬢ちゃんは、動かなくなった子供を抱いて――海に身を投げたんだ。
(静寂に近く放った言葉が、夜の空気によく響く。
自分の声なのに、どこか他人事のように聞こえる気がした)
…………違うんだ。(唇を微かに動かして、言葉を紡ぐ)
愛、とか……そんな、綺麗な想いじゃねぇんだ。……言ったろ、「馬鹿な話」だって。
(緩く頭を振る。笑わないでと言われても、わからない。
……今、自分が、どんな顔をしているのか)
俺は……あの時、逃げたんだ。
さっきまで這い回っていた子供が動かねぇのも、さっきまで笑っていた嬢ちゃんが泣いてるのも……受け入れられなかった。タチの悪い夢だと思った。
何を言やぁいいのかも思いつかねぇ。いっそ罵ってくれりゃぁ楽だったのに。
だから――……馬鹿な俺は、その場から逃げ出しちまった。
自分から手を差し伸べたくせに、肝心な時は見えねぇふりをしようとしたのさ。(酷い男だろ?と自嘲して)
……走って、走って……走り続けて、やっとそこで、自分が何をしでかしたか気づいた。
急いで戻って、謝ろうと思った。出会った頃みてぇに、側で支えてやろうと思った。
……最初から、そうすべきだった。――……あぁそうだ、俺はいつだって、何をやるにも遅すぎる。
(何かを堪えるようにか、無意識に、蜻蛉の手を一度だけ強く握ろうとし)
戻った俺の目の前で……嬢ちゃんは、動かなくなった子供を抱いて――海に身を投げたんだ。
(静寂に近く放った言葉が、夜の空気によく響く。
自分の声なのに、どこか他人事のように聞こえる気がした)
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ぽっかりと浮かぶ白銀の月だけが、その輪郭を照らし出していた。
(……静かなモンだ)
【潮騒】から零れる柔らかな橙の光に夜闇を暴く無粋さはなく、カウンターの向こうでは、蒼い着流しの男が相変わらず煙管をくゆらせている。
ほんの数刻前まで依頼帰りの特異運命座標達と共に溢れていた喧騒も過ぎ去り、今は波の音が響くのみだ。
「あぁ、そうさな。もう誰も来ねぇようなら、そろそろ閉め――」
煙を吐き出すと、店の奥へと気だるげな声を投げようとして。
扉が開く音に「おっと」と言葉を呑み込み、入口へと顔を向けた男は、目を細めて笑った。
「――よう、いらっしゃい。
お前さんが、本日最後のお客ってワケだ。ゆっくりしていってくれや」
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◆こちらは、「一番最初に訪れたPC様」との【1:1】用スレッドになります。
既知・未知・未成年の方でも大歓迎。まったりお話できると嬉しいです。
◆時間帯は夜。シリアスや多少のメタ発言もOKです。