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和風バル【潮騒】
子供は、大きゅうなって動けるようになる分…それだけ危ないことも増える…。
(「歩き回るように…」嫌な予感がした。途端、話していた声色が変わる
恐る恐る…その横顔を見ると、遠くを見る悲し気な碧の瞳がそこにあった。
心が何処かに行ってしまったような…そんな影を背に漂わせて)
………旦那。
(それだけ呟くと、持っていた煙管を下に置いて、かける言葉も見つからず。
唯……逃げる事はなく、十夜から視線を外す事もなく、そこに在った)
(女はその時初めて、話を聞き出そうとした事を悔やみ、己の唇を強く噛んだ)
(それでも、聞かなければ。真を知らねば、この人の過去を)
自然は恵みも与える、でも………時として奪いもする。
…話を聞いとるだけで、その声が今も、聞こえて来そうや……どんなに辛かったやろ。
自分を責めて、責めて、責めて………。
(静かだった波音が、急に騒めいて聞こえて。それは誰かの代わりに、泣いているように─)
(「歩き回るように…」嫌な予感がした。途端、話していた声色が変わる
恐る恐る…その横顔を見ると、遠くを見る悲し気な碧の瞳がそこにあった。
心が何処かに行ってしまったような…そんな影を背に漂わせて)
………旦那。
(それだけ呟くと、持っていた煙管を下に置いて、かける言葉も見つからず。
唯……逃げる事はなく、十夜から視線を外す事もなく、そこに在った)
(女はその時初めて、話を聞き出そうとした事を悔やみ、己の唇を強く噛んだ)
(それでも、聞かなければ。真を知らねば、この人の過去を)
自然は恵みも与える、でも………時として奪いもする。
…話を聞いとるだけで、その声が今も、聞こえて来そうや……どんなに辛かったやろ。
自分を責めて、責めて、責めて………。
(静かだった波音が、急に騒めいて聞こえて。それは誰かの代わりに、泣いているように─)
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ぽっかりと浮かぶ白銀の月だけが、その輪郭を照らし出していた。
(……静かなモンだ)
【潮騒】から零れる柔らかな橙の光に夜闇を暴く無粋さはなく、カウンターの向こうでは、蒼い着流しの男が相変わらず煙管をくゆらせている。
ほんの数刻前まで依頼帰りの特異運命座標達と共に溢れていた喧騒も過ぎ去り、今は波の音が響くのみだ。
「あぁ、そうさな。もう誰も来ねぇようなら、そろそろ閉め――」
煙を吐き出すと、店の奥へと気だるげな声を投げようとして。
扉が開く音に「おっと」と言葉を呑み込み、入口へと顔を向けた男は、目を細めて笑った。
「――よう、いらっしゃい。
お前さんが、本日最後のお客ってワケだ。ゆっくりしていってくれや」
――――――――――――――――――――――――――――――
◆こちらは、「一番最初に訪れたPC様」との【1:1】用スレッドになります。
既知・未知・未成年の方でも大歓迎。まったりお話できると嬉しいです。
◆時間帯は夜。シリアスや多少のメタ発言もOKです。