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ギルドスレッド

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和風バル【潮騒】

◇【1:1】ブルームーン(RP)

 海が夜と溶け合い、闇に沈む。
 ぽっかりと浮かぶ白銀の月だけが、その輪郭を照らし出していた。

(……静かなモンだ)

 【潮騒】から零れる柔らかな橙の光に夜闇を暴く無粋さはなく、カウンターの向こうでは、蒼い着流しの男が相変わらず煙管をくゆらせている。
 ほんの数刻前まで依頼帰りの特異運命座標達と共に溢れていた喧騒も過ぎ去り、今は波の音が響くのみだ。

「あぁ、そうさな。もう誰も来ねぇようなら、そろそろ閉め――」

 煙を吐き出すと、店の奥へと気だるげな声を投げようとして。
 扉が開く音に「おっと」と言葉を呑み込み、入口へと顔を向けた男は、目を細めて笑った。

「――よう、いらっしゃい。
 お前さんが、本日最後のお客ってワケだ。ゆっくりしていってくれや」

――――――――――――――――――――――――――――――
◆こちらは、「一番最初に訪れたPC様」との【1:1】用スレッドになります。
 既知・未知・未成年の方でも大歓迎。まったりお話できると嬉しいです。
◆時間帯は夜。シリアスや多少のメタ発言もOKです。

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そうやって自惚れたまま、時が流れて……俺の背が嬢ちゃんを追い越した頃だ。
連れてた赤ん坊も、一人で勝手に歩き回るようになって……あぁ、そうだ、丁度目を離せねぇ時期だって知っていたのに……。

 (視線は暗い水面へ、その奥底まで見透そうとするかのように遠く。
  知らず、声も低く、後悔の色が滲み始めていた)

……あの日も、いつものように浜で話してた。俺のくだらん冗談に、嬢ちゃんは楽しそうに笑ったりしてよ。
ほんの一瞬……本当に、ほんの一瞬だ。二人してちっと目を離した隙に、子供の姿は見当たらなくなってた。

「かくれんぼでも始めたのか」、なんて馬鹿なことを言いながら探して、探して――
――……見つけたのは……波間に浮かぶ、小さな身体だった。

 (ぐ、とこみ上げる何かを喉で堪える。視線を外すと、かぶりを振って)

子供は……助からなかった。
嬢ちゃんの悲鳴が聞こえてすぐ、俺は飛び込んで助けに行った。……だが、その時にはもう手遅れだった。

 (膝の上に投げ出した両腕。無意識に、何かを抱き上げる形を取っていて。
  何もないのに。誰もいないのに。……重さを感じるかのように、指先だけをのろく動かす)

……嬢ちゃんは泣いた。冷たくなった子供を抱き締めて、喉が裂けるんじゃねぇかってくらい叫んでた。
俺は……ただそれを、黙って見てた。

……その時まで、俺はすっかり忘れてたんだ。
俺達海種にとっては、海は優しく穏やかでも――……他のやつらには、そうじゃねぇってことを。

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