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和風バル【潮騒】
…さっきの、人となりの話――…逢うて早々にお人の心なんて、わからしまへん。
(盃を持つ相手の手元と顔を見ながら、嬉しそうに笑みを浮かべて)
でも、旦那はんが、迷いながらも、こやってうちのお酌を受けてくれた。
…そういう不器用な優しさ、うちは好きやわ。
困らせたいわけやないけど、十夜はんのほんまのお顔、見れて嬉しゅうて。
…逆に気ぃ使わせてしもて、かんにんしておくんなし。
(綺麗な深い緑、海の蒼、そんな眼差しを受けながら、女の話は続く―…)
いつもは聞き役なんよ、語り部やなんて…そんな大そうな。
…見ての通り、うちはお人やのおて”それ”側のもの。
こちらの世界の獣種とは成り立ちがちごてて、獣が力を持って化けた妖。
もともとは、ただの猫やった。
縁あって、花街の女将さんに拾われて、よおして貰った恩返しに、思て。
変化を覚えたうちは、身の上隠してそこの花魁になりました。
(盃を持つ相手の手元と顔を見ながら、嬉しそうに笑みを浮かべて)
でも、旦那はんが、迷いながらも、こやってうちのお酌を受けてくれた。
…そういう不器用な優しさ、うちは好きやわ。
困らせたいわけやないけど、十夜はんのほんまのお顔、見れて嬉しゅうて。
…逆に気ぃ使わせてしもて、かんにんしておくんなし。
(綺麗な深い緑、海の蒼、そんな眼差しを受けながら、女の話は続く―…)
いつもは聞き役なんよ、語り部やなんて…そんな大そうな。
…見ての通り、うちはお人やのおて”それ”側のもの。
こちらの世界の獣種とは成り立ちがちごてて、獣が力を持って化けた妖。
もともとは、ただの猫やった。
縁あって、花街の女将さんに拾われて、よおして貰った恩返しに、思て。
変化を覚えたうちは、身の上隠してそこの花魁になりました。
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ぽっかりと浮かぶ白銀の月だけが、その輪郭を照らし出していた。
(……静かなモンだ)
【潮騒】から零れる柔らかな橙の光に夜闇を暴く無粋さはなく、カウンターの向こうでは、蒼い着流しの男が相変わらず煙管をくゆらせている。
ほんの数刻前まで依頼帰りの特異運命座標達と共に溢れていた喧騒も過ぎ去り、今は波の音が響くのみだ。
「あぁ、そうさな。もう誰も来ねぇようなら、そろそろ閉め――」
煙を吐き出すと、店の奥へと気だるげな声を投げようとして。
扉が開く音に「おっと」と言葉を呑み込み、入口へと顔を向けた男は、目を細めて笑った。
「――よう、いらっしゃい。
お前さんが、本日最後のお客ってワケだ。ゆっくりしていってくれや」
――――――――――――――――――――――――――――――
◆こちらは、「一番最初に訪れたPC様」との【1:1】用スレッドになります。
既知・未知・未成年の方でも大歓迎。まったりお話できると嬉しいです。
◆時間帯は夜。シリアスや多少のメタ発言もOKです。