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和風バル【潮騒】
いや、流石に客に注がせる訳には――
(反射的に盃を引きかけるも、ふと外の月が目に入って動きを止める。
少しの思案の後、苦笑を口端に浮かべた)
……いや、そうさな。月からの客人の厚意を無下にするのは、それこそ無粋ってモンか。
なら……お言葉に甘えるとするかね。
(手慣れた様子で注がれる酒を、反対に慣れていない様子で眺めつつ。
紡がれる言葉に静かに耳を傾け始めれば、その穏やかな語り口調に、自然と目を細める)
「人」と共に、か。いいねぇそういう――……ん?
(不意に途切れたそれを追うように、つられて視線を上げて)
いや、つまらねぇなんて思っちゃいねぇよ。
むしろ聞き入っちまうと言うか……語り部の才能があるぜ、お前さん。
(店内の明かりを受けてちらちらと、続きをねだる子供のように翡翠が揺れた)
(反射的に盃を引きかけるも、ふと外の月が目に入って動きを止める。
少しの思案の後、苦笑を口端に浮かべた)
……いや、そうさな。月からの客人の厚意を無下にするのは、それこそ無粋ってモンか。
なら……お言葉に甘えるとするかね。
(手慣れた様子で注がれる酒を、反対に慣れていない様子で眺めつつ。
紡がれる言葉に静かに耳を傾け始めれば、その穏やかな語り口調に、自然と目を細める)
「人」と共に、か。いいねぇそういう――……ん?
(不意に途切れたそれを追うように、つられて視線を上げて)
いや、つまらねぇなんて思っちゃいねぇよ。
むしろ聞き入っちまうと言うか……語り部の才能があるぜ、お前さん。
(店内の明かりを受けてちらちらと、続きをねだる子供のように翡翠が揺れた)
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ぽっかりと浮かぶ白銀の月だけが、その輪郭を照らし出していた。
(……静かなモンだ)
【潮騒】から零れる柔らかな橙の光に夜闇を暴く無粋さはなく、カウンターの向こうでは、蒼い着流しの男が相変わらず煙管をくゆらせている。
ほんの数刻前まで依頼帰りの特異運命座標達と共に溢れていた喧騒も過ぎ去り、今は波の音が響くのみだ。
「あぁ、そうさな。もう誰も来ねぇようなら、そろそろ閉め――」
煙を吐き出すと、店の奥へと気だるげな声を投げようとして。
扉が開く音に「おっと」と言葉を呑み込み、入口へと顔を向けた男は、目を細めて笑った。
「――よう、いらっしゃい。
お前さんが、本日最後のお客ってワケだ。ゆっくりしていってくれや」
――――――――――――――――――――――――――――――
◆こちらは、「一番最初に訪れたPC様」との【1:1】用スレッドになります。
既知・未知・未成年の方でも大歓迎。まったりお話できると嬉しいです。
◆時間帯は夜。シリアスや多少のメタ発言もOKです。