路地裏にひっそり佇む小さな薬屋。開店休業中。 白兎薬理堂（ラビリア メディカ）にようこそ！

――なんて明るい出迎えを此処に期待しない方が良い。

路地裏の更に奥の奥。
カプセルめいた標が刻まれた看板が目印。

軋む扉を開けば棚に薬草や薬瓶が雑多に並ぶ光景が広がる。
店とはよくいったもので品揃えは良くない。
何故なら、店主は他の薬師に薬草や材料を卸す事を主な生業としているから。

それでも何かを御探しなら、奥のカウンターを覗いてみると良い。
愛想は良くないが根は真面目な少年薬師が貴方を迎えるだろう。

「……何か用？　此処、何にもないけど」

という気怠げな挨拶と共に――。

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兎の少年薬師が構える住居兼薬屋。
日々の記憶や日常を重ねて過ごす場所。
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