PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Mellow Tear

【日常】ある日の・1【RP】

場所:裏の裏の小さな店

時間:お昼時

客:いつもどおりの閑古鳥

店主は一人店の中
紅茶のカップを傾けて、昼食の事を考え中

***************

・人数制限なし
・どなたでも
・サクサク進む文量推奨
・人の迷惑になることはNG

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(カシ、と齧った真っ白な金平糖を噛み砕く。鼻を抜けるミントの香りと清涼感が、お気に入りだ。お気に入りなのだが) ……これはあまり売れないな。作る回数を減らすか。 (何やら万年筆で小さな紙にメモを取る。口の中が甘いのでしょっぱいものがひどく恋しい)
(その少女は、匂いに敏感だった。 人の匂い、食べ物の匂い、獣の匂いに花や煙草の匂い。 己のなかの地図を広げるために嗅覚と視覚を頼りに街を歩く)(そんなときだ。 嗅いだことないような、甘い匂いに気が付いたのは)
……。
(そして少女はいつのまにか店の入り口で手持無沙汰にしていた。 匂いに釣られてしまったがここが何の店かもわからない)(ひとまず店内を覗き込む)
(目を細めてじぃと観察する。店主らしき女性が紙に(そう、あれは紙だ。無地のものは初めて見る)棒を擦り付けている。するとどうだろう、白かった紙に模様が描かれていくではないか。 少女がいままで生きていた文化では文字はあまり馴染みのないものだったが、それでもすぐに模様を文字と理解できたのは『崩れないバベル』とかいう混沌の作用のおかげに違いない)(もっとも、少女の位置からでは何を書かれているか読むことはできないが)
……? (商品の売れ筋を探る作業から、意識が昼食のメニューへと本格的に移り変わってくる頃だった。長年連れ添った長耳が、何かの音と気配を拾って意識を引き戻してきたのだ。つい、と視線向けてみれば、小柄な少女と目があった) おや、お客さんかな? (いらっしゃい。声をかけて軽く手招く。どうせ閑古鳥だ。冷やかしでもいないよりずっといい)
(客。客と言われた。 そもそもここが何の店か理解すらしていない己に客の資格があるかというと疑問が出てしまう、が。 勝手に覗き込んだ挙句誘いを断るのはとても失礼な行いだろう、と判断して少女は店へ踏み込んだ)
おじゃまします。
(赤とベージュの布を基調にした、精緻な刺繍を幾重にも施された民族衣装の少女である。 容姿は十代前半の幼さを残しつつ、しかし表情や姿勢には成人らしい硬さと凛々しさがあった)
つい、甘い香りに釣られて、(この表現はよくない)…引き寄せられてしまって。
何のお店でしょうか。
(入ってきたのは、年の頃ならいかにもこの店にある物に興味を抱きそうに思えた。その割には、どことなく大人びた雰囲気もあるものだから、心のなかで少しばかり首をひねる。紙を畳みながら立ち、店の隅にある古めかしい机の引き出しに万年筆と一緒にしまい込むと、柔い笑みでもって改めて客人を見つめ) どうぞ。ちょうど暇をしていたんだ。 ここは、菓子屋だな。菓子と言っても砂糖菓子専門なんだが…ふむ。 (顎に手を当てて少女を見つめる。ここがどんな店か聞かれることはそう、珍しくはないが) 失礼。君は、この辺りの子ではないのかな。
(砂糖菓子なら知っている。故郷でも街へ買い物に行ったときに見たことがあるし、姉や自分の結婚式のときに食べたことがある。 それを専門に扱う店でこれほどの規模というのは、見たことがなかったが)
ええ、はい。
…先日、こちらへ来まして。
(こちら、とはこの世界という意味であるがわざわざ説明するつもりはなかった)
……なるほど。 (今のこの世界の状態からして、彼女の一言があれば大抵は察することができる。こんなに小さな子供も、それに巻き込まれているのかと思うと正直複雑さが無いわけではないが、飲み込んで) ようこそ、と言うべきかどうか、といった所だな。 ちょうどいい、もし用事がないのなら少し話し相手になって欲しい。暇をしていてね。 (どうかな? 先程まで自分が座っていた椅子を指差して、首をかしげる)
そういうことでしたら。
(是非もない。 店はしっかりしているし女の身なりだって悪くない。少なくとも捕まえられて売り飛ばされるようなことはないだろう。 もともと好奇心だってあったからか、少女は素直に応じた)(椅子へ腰を下ろすと木彫りのピアスが揺れた)
ありがとう。お茶を淹れるから、少し待っていてくれ。 (にこりと、嬉しがるのを隠さず表情に出してお礼を言う。机が置かれた店の更に奥、ちょっとした台所のような設備の前に立つと、水で満ちた木桶に入れてあった鉄のポットを引き上げて) ――ああ、そうだ。茶菓子はその辺に並んでいるものを適当に摘んでくれて構わない。話し相手になってくれるお礼だ。無料にしておくから、好きなものを選ぶといい。 (そんな、商売をしているわりにはざっくりとした言葉を投げかける。基本、あまり稼ごうという気が無いのだ)
む、無料に。
(息をのむ。聞き間違いではないだろうか。 何故ならここにある菓子はどれも高価そうで、狩った兎をどれだけ出せば交換できるのかも判断がつかない)(それを、話し相手になる礼だという)
あの、私。
(そんな価値ある話できません、と言いたかった。 しかし言ったら茶菓子が遠のくような気がして、迷ってしまう。 赤茶の瞳を葛藤に揺らしてから少女はやがて口を閉じた)
……。
(ひとまず一番安そうなものを選んで取る。焼き菓子のようだがよくわからない)
(暑い時期になってきたので、ポットに作り置きの紅茶を冷やしておいたものを店番中に飲んでいる。それの残りを新しいカップに注いで、ソーサーに乗せてから角砂糖の入った瓶をもう片手に持って店内に戻る) 売れなければそのうち廃棄か、近所の子供に配るだけだからな。気にしないでいい。 (誰にも食べられないよりはよっぽどマシだ。彼女の手に、砂糖でコーティングされた小ぶりのマドレーヌがあるのを見て目を細めると、商品を置いてある店中央の大きなテーブルの端っこに、冷えた紅茶と角砂糖を置いた) ああ、そうだ、名前をまだ聞いていなかった。私はユア・セラータ。ユアと読んでくれればいい。
(女の持ってくる器の滑らかさを眺めた。 きっとあれは上等なものか、そうでなければ高い技術力で作られたものなのだろうと思う)(少女からすればこの世界のほとんどのものが新鮮で、だからこそよく親しんだものは少ない。力加減もわからない)(万が一にもぶつかって壊れたら大変だと思い、カップを見やりながら肩をすぼめた。紅い水面は暢気に揺れる)
廃棄してしまうんですか。
(それなら配られるほうがまだいいな、と思いつつ目の前の女、ユアへ視線を戻す)
レ、ライエ。 ライエが名です。
……そうだ、紅茶を飲んだことは? 口に合わないようだったら、冷えた水もあるから言って欲しい。 (一度奥に戻り、今度は自分のカップと椅子を引きずって戻ってくる。彼女の前に椅子を置き、自分のカップもテーブルに置くと腰を落ち着けて) 見ての通り、ここは大通りから遠い。普段は露店で売りさばくことも多いんだが。限界はあるさ。 (できるだけ自分でも食べるが、と嘯いて) ライエ、ライエか。いい響きの名前だ。 まあ、あまり硬くならずにくつろいでくれ。私の作ったものが、遠き地からの来訪者の口に合うかにまず興味がある。
こうちゃ、はないですが。 お茶ならよく。
(磁器のなかで浮かぶ宝石のような透明感の赤を眺めた。 器の違いか、故郷ではここまで綺麗な茶を飲んだことはない)
大通りから遠いと…そういうものなのですか。
(世知辛い話だ。店を構えたことも売り子になったこともないため菓子屋の事情は分からないのだが、彼女が言うのならきっとそういうものなのだろう)
ありがとうございます。
(祖母がつけた名である。そういう風習だった。 そして、遠き地からの来訪者という持って回った言い方に、自分の出自はばれているのだろうと判断する。別に隠すほどのことではないのだが)
では、頂きます。
(遠慮がちにつまみ、ひとくち齧る)
(齧って、咀嚼すると少女の眉が持ち上がる。 未知の食感だ。 パン生地とは違う、ふわっとした口答えとしっかりした重み。 噛めば噛むほど舌の上に甘みが解けてゆく、正体は表面にコーティングされた砂糖である。 焼き菓子は食べたことがあるが、マドレーヌ生地に類するものは初めてだった)
…おいしい。
表通りには店も多いからな。わざわざここまで足を運んでまで、という客はそう多くない。うちの味を気に入ってくれるか、静かな場所が好きなもの好き程度だろう。 (カップを取り、一口飲んでは彼女が入ってきた入り口に面する窓の方を顎で指し示す。良く言えば落ち着いていて、悪く言えば寂れた地域だ。いい場所だが、と小さく付け足し。外から戻した視線を、不躾ではない程度に彼女に向ける。味の感想が気になる、というのは嘘でも冗談でもなく)
そうか。口にあったならよかった。 (どこから来た者であろうとも、まだまだ子供と言って差し支えない外見の少女の味覚に合ったことが素直に嬉しく、口元が綻ぶ) ゆっくり食べるといい。……そうだな。そのついでに、君がどんな所から来たのか、差し障りがなければ聞いてみたい。中々、自分の知らない世界の話を聞く機会も無いからな。 
なるほど。
(言われて頷く。この世界この街ではどうか正確なところは知らないが、少女の常識においては人の通りの少ない路地と治安は反比例する。 少女も自分が何か買い物するなら表通りのほうだろう、そのように考えながらマドレーヌをもうひとくち齧る)
(舌触りの良い、柔らかくそれでいて存在感を強く感じる生地をゆっくり噛み、甘みに混じる仄かな風味を味わいって、やがて嚥下した少女は口を開く)
どんなところ、ですか。 …そうですね。
(目を細め、マドレーヌをじっと眺める。自分のいたところ住んだ環境をどのように説明すれば、この街に住み砂糖菓子を作るような女性にわかりやすくなるか。数秒考え込んだ)
広い、平原があって。 そうですね、地平線が見えます。
(とつとつ、語り始める。 そこでは牧畜や狩りをして生活していたこと。狩りで得た獲物は皆で食べたり、街で小麦に変えたりしていたこと。 男はよく漁や狩りをし、彫刻などしていたこと。 女はよく炊事や刺繍をし、狩りをするものも多かったこと)
(もしここに地球と呼ばれる異世界の知識を持つ者がいたならば、19世紀ごろの中央アジアを想像するかもしれない。唯一の違いは生活の随所に魔術が使用されたことくらいだろうか)

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