酷く残酷な現実に心砕かれた少女達は、白い手と手を取り合って夢の世界に逃げ込みました。

二人きりのエンドロール。
例えそれが夢（IF）であっても、目覚めなければそれが現実。
悲しむことにも、痛むことにも、虚しさに溺れることにさえも、もう疲れてしまったから。
だからこれでいい。これがいい。
現実はとても残酷だから。


……けれど現実は。
二人が思うより、きっと、ずっと。

(──うるさい……うるさいっ……何もしたくないの、何も与えられない今が心地いいの……なのに、なのに、なのにぃ……)

　外気に触れると同じく、周囲に漂っていた虚が転じて現になり、殻の中身を埋めていく。抱きつく腕に力が入る。

(もう、失わないたくない、から……嫌だよ……イヤ、ぁ……このまま、二人で、二人で……眠っていたい……)