鬱蒼とした森の奥、その洋館はあった。
内装は豪華ながら、外観同様古びており
窓から日が差し込もうとも
どこか不気味な雰囲気を感じさせる。

時折響くラップ音、正体不明の笑い声。
飾られた絵画の目は此方の姿を見つめている様にも見える。

意外にも埃は積もっておらず
何者かが住居として利用している様だ。

【館の入り口。エントランスホール。
　大理石の床は艶やかに。
　左右には長い廊下が伸びる。
　正面には階段が見え、二階へと繋がっている】

『する。私も最初、びっくりしたもの』
(このお屋敷に最初訪れた時の事を思い出す。
当てもなく彷徨う内に森の中にお屋敷を見つけて。
驚きながら恐る恐る近付こうとした時
突然背後から彼に声をかけられたのだっけ。)

(彼の問いに小首を傾げる。
ここには沢山の幽霊が住んでいるけれど、親玉。
主人と言えば……)

『クウハなら、お客さん達と一緒に調理場に。
案内する？』