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シキアの樹

Aug.昼

陽の照りしきる夏の日。
青く澄みわたる空に、恵みの雲は見えず。
時折に吹き抜ける風だけが、僅かな涼を与えてくれる。



穏やかに揺れるシキアは、今日も憩い人を歓迎していた。

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重量制限はあるっぽいけど、触ったりクッション代わりにするのなら誰にでもー。

(相変わらず調子は軽く、好きなだけどうぞの構え。これが意外と、陽だまりの匂いとふっかふかの手触りで不思議と離れがたくなるのだ。
 差し伸べた手は残念ながら取られることはなかったけれど、少しずつ歩み寄る姿に目的は果たせたと楽しげに笑う。別に、手は取っても取らなくても良いのだ。伝われば、それで良い)

なぁんだ、ちゃんと自分のコト話せるじゃん。
座んなよ、おいでって言っといて座るのダメとか誰も言わねぇよ。

(いいこいいこ。そう言って笑う表情は、見た目にそぐわず何処か幼子を見る好々爺のそれに近い。
 自分はもう一度、雲の上に俯せに。ふかふかを全身で楽しみつつ、雲の位置を地面に程近く下げ、軽く頬杖を着いた)

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