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シキアの樹

Oct.夜

陽の沈み切った秋の夜。
お空にはまぁるいお月様。
ちらほらと千切れた雲の間から差し込む光は明るく。
灯り要らずの今宵は、異界の行事に曰く「お月見日和」


シキアの下では、小さな合唱団がちろりろと鳴いていて。
涼やかな秋の夜を彩っていた。

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夜鷹もプティも、あとそっちのふたりもお月見?

(気が付けば、自分も入れて総勢八名。
 多いなー、なんて月夜の邂逅を面白がるように笑いつつ、見知った顔にひらひらと手を振った。
 布静の言葉に瞳を瞬く。狙いすました通りに抱き着いたレムの後ろからその手元を覗き込んで)

土団子食うの? レム。
俺も食えなくはないけど、団子になってるとちょっと食いにくいかも。

(長身を屈めるように抱き着いたまま、ふわふわと浮かんだ足先。戯れ付くように、しゅるりと伸びた藤蔦が、土色の肌にも絡もうとする。スキンシップ大好き。
 土は自分にとっても食べ物と言えなくはないが、こうなって大地から切り離されていると逆に食べづらい。
 まず普通の人間にとって土は食べ物ではないという認識は、この精霊にも薄かった。
 おいでおいでと座るように夜鷹に促しつつ)

うーさぎうさぎ、何見て跳ねる、って奴だ。
この世界の十五夜がいつか知らねぇけど。

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