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Migrateur

《第2章》せせらぎ

レガド・イルシオン某所、木漏れ日揺れる緑の中。
幻想種の老夫婦が営むちいさなちいさな喫茶店。
其処は街からすこし離れた木々の中にひっそりと扉を構えている。

落ちる水の音をたよりにやってきた『おきゃくさま』。
ヒトも、動物も。此処ではみいんな、おもわず笑顔になってしまうんですって!

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おきゃくさま:ポシェティケト
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p001802

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そう!こことはちがう、もうひとつの『そら』を知ってるんだ。
父さんと母さんと一緒に、いろんな国を旅してきたんだよ。
僕はこのせかいに来る前も、旅人だったのさ!
惜しかったなあ、このせかいに呼ばれる前にきちんと準備ができたなら。
僕のとっておきの絵日記を、ポシェにも見せてあげられたのに!

(旅先で書き留めた『せかいのかけら』)
(其れは、此の世界に降り立ってからも続けている日課なのだと得意げに)
(頷く鹿の嬉しげな様子に、えへんと胸を張って見せ乍ら)

えへへ、褒めてくれてありがとう。
……ポシェは、地図を尊敬しているの?

(それって、どんなすてきな地図かしら、なんて首を傾ぎ)

へえ!ポシェの『おくりもの』は、そのすてきな蹄なの!
いいなあ、それじゃあ遠くのおさんぽだってへっちゃらだね。

(どこへでも、どこまでも)
(前へ前へと進んでいける脚。なんてすてきなのかしら!)

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