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Migrateur
(鼻腔を擽る、甘い花の香り)
(冠だけではない。香のかおりだろうか?なんだか、自分が抱きしめているのに)
(彼女に包まれているような心地。あたたかくて、やさしくて――)
(すこし。すこしだけ、今は遠く離れた母のことを思い浮かべて、胸の奥が、きゅう、と痛んだ)
えへへ、うれしいな。
そんな風に思ってくれることも、こうして、全身で僕にきもちを伝えようとしてくれることも。
(とはいえ、こんなふうに好意を伝えることは家族としかしてこなかったから)
(其れは雲雀を大いに恥じらわせたのだけれど、格好悪いから、今はひみつにしておこう)
思ったことは、なんでも伝えたいって思う。
すきなひとには、たくさんすきだよって伝えたい。
でも……ふふ!
こんなふうに、きもちを伝えることもできるんだね。
(照れくさいけれど、やっぱり嬉しい。きちんと、ことのはを紡いで伝え)
(離れ際、すこし赤らんだ頬を緩ませて。やっぱり、雲雀はまた笑った)
うん、すこし肌寒くなってきたね。
風邪をひいちゃったら大変だ!
……ね、途中まで一緒に…………、
(言いかけたところで。黒猫のきみから溢れたことのは)
(きょとんと目を丸くして、それから)
ふふ、あはは!
僕たち、同じことを考えていたみたい!
(なんて。ころころと楽しげに笑い乍ら、差し出されたてのひらを取って)
(冠だけではない。香のかおりだろうか?なんだか、自分が抱きしめているのに)
(彼女に包まれているような心地。あたたかくて、やさしくて――)
(すこし。すこしだけ、今は遠く離れた母のことを思い浮かべて、胸の奥が、きゅう、と痛んだ)
えへへ、うれしいな。
そんな風に思ってくれることも、こうして、全身で僕にきもちを伝えようとしてくれることも。
(とはいえ、こんなふうに好意を伝えることは家族としかしてこなかったから)
(其れは雲雀を大いに恥じらわせたのだけれど、格好悪いから、今はひみつにしておこう)
思ったことは、なんでも伝えたいって思う。
すきなひとには、たくさんすきだよって伝えたい。
でも……ふふ!
こんなふうに、きもちを伝えることもできるんだね。
(照れくさいけれど、やっぱり嬉しい。きちんと、ことのはを紡いで伝え)
(離れ際、すこし赤らんだ頬を緩ませて。やっぱり、雲雀はまた笑った)
うん、すこし肌寒くなってきたね。
風邪をひいちゃったら大変だ!
……ね、途中まで一緒に…………、
(言いかけたところで。黒猫のきみから溢れたことのは)
(きょとんと目を丸くして、それから)
ふふ、あはは!
僕たち、同じことを考えていたみたい!
(なんて。ころころと楽しげに笑い乍ら、差し出されたてのひらを取って)
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嘗ては人々の憩いの場所だったのだろう。
石造りの朽ちた東屋には時期を迎えた蔓薔薇が咲き綻んでいる。
生い茂る木々から零れ落ちる陽のひかりを受け乍ら。
ちいさな冒険者は目を細め、待ち人の姿を思い描いていた。
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おきゃくさま:蜻蛉
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p002599