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Migrateur
さらさら、きらきら。
母さんの持ってた、黒い真珠みたい。
(ささやかな戴冠、自分で作った冠だけれど)
(彼女の艶やかな黒い髪に、花の彩はよく映えた)
おべんとう!
僕、お料理はまだまだ、かんたんなものしか作れないけれど……。
ね、そのときは。一緒につくってくれる?
(ナイフを手繰る手付きは覚束ないし、火の加減だって頼りないけれど)
(母の手伝いを思い出し乍ら、すこしずつ練習しているのだと。内緒話のように告げて)
お出かけするために、とびきりのおしゃれをすること。
それってとっても特別で、ふたりだけのひみつみたいでしょう?
僕、その時間がだいすきなんだ。
(女の子らしい服装こそしないけれど)
(一緒に歩くひとのことを考え乍ら着飾ること)
(ちいさな冒険者にとって、其れは特別なひとときなのだと語って聞かせ)
………………に、……にあう?
(なんて。乗せられた冠に、そうっと触れて)
母さんの持ってた、黒い真珠みたい。
(ささやかな戴冠、自分で作った冠だけれど)
(彼女の艶やかな黒い髪に、花の彩はよく映えた)
おべんとう!
僕、お料理はまだまだ、かんたんなものしか作れないけれど……。
ね、そのときは。一緒につくってくれる?
(ナイフを手繰る手付きは覚束ないし、火の加減だって頼りないけれど)
(母の手伝いを思い出し乍ら、すこしずつ練習しているのだと。内緒話のように告げて)
お出かけするために、とびきりのおしゃれをすること。
それってとっても特別で、ふたりだけのひみつみたいでしょう?
僕、その時間がだいすきなんだ。
(女の子らしい服装こそしないけれど)
(一緒に歩くひとのことを考え乍ら着飾ること)
(ちいさな冒険者にとって、其れは特別なひとときなのだと語って聞かせ)
………………に、……にあう?
(なんて。乗せられた冠に、そうっと触れて)
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嘗ては人々の憩いの場所だったのだろう。
石造りの朽ちた東屋には時期を迎えた蔓薔薇が咲き綻んでいる。
生い茂る木々から零れ落ちる陽のひかりを受け乍ら。
ちいさな冒険者は目を細め、待ち人の姿を思い描いていた。
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おきゃくさま:蜻蛉
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p002599