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Migrateur

《第1章》こもれび

レガド・イルシオン某所、町外れの小高い丘の上。
嘗ては人々の憩いの場所だったのだろう。
石造りの朽ちた東屋には時期を迎えた蔓薔薇が咲き綻んでいる。

生い茂る木々から零れ落ちる陽のひかりを受け乍ら。
ちいさな冒険者は目を細め、待ち人の姿を思い描いていた。

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おきゃくさま:蜻蛉
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p002599

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ちょっぴりびっくりして、それから、どきどき。
でも、……すきなひとに寄り添いたいきもちは、僕もちょっぴりだけわかる。

(其れも親愛のかたちだから、と。はにかみ混じりに)
(道すがら。ゆびさきをつい、と伸ばせば、ひた、ととまる白い蝶を掲げて見せて)

どんな花がいいかなあ。
蜻蛉のきれいな黒い髪には、淡くてやさしい色がにあいそう。

(すみれにデイジー、ラナンキュラス。やわらかな紫は、神秘的な彼女に似合いだと思ったから)
(量は彼女に倣って。必要以上に手折らぬように、茎の長さを問い乍ら)

うん!
そこなら、やわらかい草がクッションのかわりになってくれそうだ。行こ!

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