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Migrateur

《第1章》こもれび

レガド・イルシオン某所、町外れの小高い丘の上。
嘗ては人々の憩いの場所だったのだろう。
石造りの朽ちた東屋には時期を迎えた蔓薔薇が咲き綻んでいる。

生い茂る木々から零れ落ちる陽のひかりを受け乍ら。
ちいさな冒険者は目を細め、待ち人の姿を思い描いていた。

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おきゃくさま:蜻蛉
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p002599

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こっちのお洋服も気になっとるとこやけど、やっぱりこれが落ち着きます。
どうにも、洋風の召し物は…軽くて薄いのが性に合わんわ。

(そう言いながらも、いつかは…と言いながら、小さな小鳥の服をまじまじと)
(残りのパンに舌鼓をうちながら、食べ終わったかと思えば。指先に残るキラキラとした甘い砂を舌先でペロっと舐めて)
(ええ…気ぃ許せる人とご一緒やと特にそうや、と、言葉を返して柔らかく微笑み返し)

…お人よりは生きてるかもしれへんね。
長く生きてるから言うて、果たしてそれが、ええ事なのかは…誰にも分からんけど。
…また、うちの物語はそのうち。

(こてりと傾いた顔を見ながら、陽の光を受けて揺らめく手元のカップへ視線を落として)

ほんに、サティはお母上が好きやのね、お話するときのお顔が、目ぇがとっても…輝いとる。
貴女は、誰かに守られるんやのおて、誰かを守る…そんなお人になりたいんね?

(繰り返される"王子"の言葉に、少女らしからぬどこか強いこだわりを感じて)

そう…ええ出逢いがあったんね、たくさんのお土産話、持って帰らんと。
それ聞いて、うち…少し安心しました。

(聞いてはいけない事だったかもしれない、此処に至るまでの彼女の葛藤はどれだけのものだったろうか。否、心を開いて話してくれた事、それだけで──)

──あとで「花冠」を、かんむり…王子さまには付きもの…やったような気ぃして。
少しだけ、お花さんに協力して貰わんとあかんけど。

"小さな王子さま"、うちのお誘いに乗ってくれはるやろか?

(艶々と深紅が光る指先、くるりと手のひらを上にして。小さな王子の手前に差し出した)

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