大きな家の前に立ったあなた達に、覚えがある声、そして猫の鳴き声が、聞こえてくるだろう。

「待ってください、モリアーティさん。ねずみさんは、そちらにはいませんよ？」

やがて、灰色の猫が(猫にしては少々胴体が長い）何処からかするりとあなた達の足元にやってくる。
猫を追いかけいた少女は、やっとあなた達に気が付いたようだ。

猫・・・・？　面妖な――

…エルの声…？
わ、エル…！！ぐうぜん、あえる、嬉しい、するな…！
猫さんも、お兄さんも、こんにちは、するぞ！
(なんとなくふらふら散歩していたら見知った顔と見知らぬ顔。偶然の出会いは嬉しいもの。)

わわわっ。
浜地さん、こんにちわ、ですよ。
猫さんの、モリアーティさんは、ちゃんと猫さん、ですよ？

カルウェットさんは、お散歩、されていたのですか？
此処でもお会いできて、エルはとっても嬉しいです。

(猫のモリアーティは、するりとカルウェットさんの足元にすり寄ろうとしています)

ほう、珍しい顔を見かけた　久方ぶりだな、エル殿
こうして会うのはいつ以来か
そちらの御仁は、・・・・知り合いか？
（腕を組んで、二人と猫を見やり、様子を見ている）

散歩、するしてたら、エルの声、聞こえるして、びっくりした。猫さん、かわいい、するなぁ…よしよし
(するりと近づいてきた猫を撫でつつ、エルと知り合いそうな男性に顔を向け)
ボク、カルウェット コーラス、いう、するぞ。
エルとは、ともだち、する。よろしく、おねがいします。

その面妖な生き物は――いえ、浜地庸介と申します。以後お見知りおきを
（妙な造形の猫が気になったようだが、襟を正し最低限の自己紹介の後、一礼する）
エル殿のご友人でしたか。確かに、見たところ雰囲気がよく似てらっしゃる
以前は見かけませんでしたが――すれ違いになっていたのでしょうか

はい。
エルと、カルウェットさんは、お友達、です。
エルと、浜地さんも、お友達、です。
エルのお家の、お近くで、カルウェットさんと、お会いするのは、初めてだって、エルは思いました。

モリアーティさんは、カルウェットさんが、お気に入りに、なったのでしょうか。
仲良し、ほっこり、エルは嬉しいです。
浜地さんは、猫さんは、苦手ですか？

(猫のモリアーティは、カルウェットさんに撫でられて、満更でもない様子です)

浜地さん、覚える、したぞ！
浜地さん、初めて、みるするから、初めまして！だな。

ひっひー、お気に入り、された？嬉しいぞーー
モリアーティ、おともだちーー♪
(と、満更でもなさそうなモリアーティをさらに撫でつつ)

モリアーティかわいい、するぞ！
(と、浜地さんにおすすめしてみる)

……ここ半年の多忙故、世情に疎くもなるか
苦手では、ないが……このような珍奇な見目の猫はなかなか見ない故な
正味、少しばかりたじろいだ
（ひとりごちたように呟いて、頷いている。嫌いではないようだ）

初めまして、だな
……それは俺にもやってみろ、ということか？
…………あまり小動物と戯れたことはないのだが、どうすればいい
（相手に合わせるように、敬語を外して接する。経験がないようで困惑している）

(口調が変わったことに目をぱちくりさせたが、外された敬語ににっこり笑い)
んとね、浜地さん、大きい、するから…しゃがむ、して、小さくなるして、手をこう、ゆっくり、すると、良い思う、するぞ。
(言葉で教えるのは苦手なので、身振り手振りも加えながら、モリアーティと仲良くなれるお手伝いをしようと)

わわわっ。
カルウェットさん、教え方が、上手だって、エルは思いました。
モリアーティさんは、がぶがぶしないので、大丈夫ですよ。

(猫のモリアーティは、浜地さんの方をじーっと見ています。どうやら様子見のようです)

なるほどな。こう、か？　いや、こう……　難しいな
随分と、手慣れているようだが
（片膝をついて、身振りを見様見真似している。が、妙に動きが固い。表情も変わっていない）

……否、こういったことに慣れていないだけだ
動物に好かれたためしがないだけにな。エル殿にはよくなついているようだが
（視線を合わせてじっと見つめている）

ふふふーん、ボク、教え上手！嬉しかった、するぞ！
(褒められて上機嫌に)

……わかった、した！
浜地さん、にっこり、たりない、する！
エルは、にっこり、上手する、だから、懐かれる、するんだよ！
(大発見というようにはしゃぎつつ)

…それか、モリアーティから、近寄る、すれば、仲良し、なれる？
……モリアーティ、浜地さん、怖くない、するぞー、大丈夫だぞー

…………笑顔、ということか？
なるほどな　確かに二人共よく笑っている
俺にはできそうにもない故、期待には添えないと思うが
（訝しんで頬を掴む、表情は変わっていない）

コーラス殿から見れば、俺はあまり怖くないのか
否、怖い風体に見えるので否定を……
（一人ごちている、おもむろに懐からにぼしを取り出す）

(猫のモリアーティは、浜地さんの手に握られた煮干しの匂いにつられたのか、とことこと浜地さんの方にやってきました)

わわわっ。
にぼしは、モリアーティさんも、大好きですよ。
おやつをくれる方を、モリアーティさんは、すぐに覚えるのです。

浜地さん、怖い、しないぞ…ちゃんと、話、聞いてくれる、する！良い人！

ひっひー、にぼし、おいしい、するもんな。
モリアーティ、よかったねぇ…

非常食を常備しておいたのが吉となったか……　この猫は、エル殿の？
なるほど、これも生きる知恵……ではないか　むしろ警戒心がない
（にぼしをやってる間は微動だにしない。まるで彫像だ、今なら何をしても動かない）

そうか？　ただ話をするだけなら、誰も拒まないだろう
見ても聞いても、変わったところはないと思うが　控えめに言っても普通の人間と見える

(猫のモリアーティは、浜地さんのにぼしをくんくんした後に、美味しそうに食べました。食べ終わった後、ぺろぺろと浜地さんの指を舐めています)

モリアーティさんは、エルのお家で、飼っている猫さんですよ。
モリアーティさんは、お散歩が、大好きなのです。

浜地さんも、カルウェットさんさんも、楽しいお話が出来る、素敵な方々だって、エルは思いました。

エルの家族、するんだな！なかよし、よいこと、する！

楽しく、お話、嬉しいこと、する。
ここが、なんか、ほっこり、して、にっこり、するから。(とんとんと胸を叩きながら)
だから、エルも、素敵、するな！

なるほどな　動物を飼ったことはない故、どのようなものかは分からんが　散歩が好きだというのは、いい趣味をしている

特に面白い話をした覚えはないが……ただの世間話だろう
否、コーラス殿も同意しているということは、なんぞそういう話だったのか？

……まぁ、コーラス殿は見ていて飽きないというのは、否定しないな

モリアーティさんは、散歩と、ひなたぼっこが、大好きですよ。
あと、ごはんとおやつも、大好きですね。
(猫のモリアーティは、浜地さんの足元をゆっくりぐるぐる回っています)

お話を、ゆったりほっこり、続けられることは、とっても素敵だって、エルは思いました。
カルウェットさんは、ほんわりして、浜地さんは、しゃっきりして。
皆さん違って、とってもいいって、エルは考えました。

ボク、見てて、飽きない、するの？
よくわからない、するけど、褒められた…？ありがとー！

みんな違う、楽しいするよね…！
違うけど、なかよし、できるのは、すごいこと。

すまんな、もうにぼしはないんだ（頭を撫でてやる）
しゃっきり（とは）　ではエル殿は、なんだろうな
否、俺は　立ち話をするような質ではないと思っていたんだが、妙な気分だ

さて、褒めているのかは分からんが　稀有ではあろう
奇特な髪色をしている者も多い中、桃色というのは　見たことがないほど珍奇だ
桜の生き写しのようだな

(猫のモリアーティは、頭を撫でられた後に浜地さんから離れて、エルの元に戻りました)

あらら、モリアーティさん、お散歩は終わり、なのですね。

んー、エルは、何になるのでしょうか？
ぼんやり、でしょうか？

カルウェットさんは、桜のお花の色で、浜地さんは、桜の木の色、だって、エルは思いました。

(浜地さんがモリアーティの頭を撫でてるのを見て、カルウェットも何故か嬉しそうにひっひーと笑く。その後、エルの元に戻っていくのを見て、にんまりと口角を上げた。)

エル…ボク、エルは、きらきら、イメージ…。エルと言えば、雪って思うから！雪はきらきら！

ボクは、桜の花…浜地さんは、桜の木！2つで1つ、するな！合体、する？(ふざけたように笑い)

ぼんやりというよりは……（いや、やめておこう）
悪い人間ではないことは確かだな　（動物や人に）好かれる者は、そうらしい
（以前から凪のように）穏やかではあったと思う

それは（木のように朴訥である俺の）性格を言っているのか？
なるほど（洒落が効いている）
（洒落ではあろうが）辞退しよう　（俺ももう若くないので）肩車はつらいだろう
それは（同年代で仲良くできそうな）エル殿（とやった方）がいい

エルと、肩車、危ない、するぞ…？？(不思議そうに)
少し、残念、するけど、仕方ない、する！

……はっ！ボク、そろそろ、帰る、しないと…！
エルも、モリアーティも、浜地さんも、お話、できる、して、楽しい、した。また、今度、ゆっくり、話、しような！
(なにか用を思い出したようで、元気に挨拶をし、その場を去ろうと…)

あわわわわ。
肩車、大変だったのですね。
エルも、大きくなりましたし......。

カルウェットさんは、そろそろお帰りに、なられますか？
また此処に、遊びに来て下さい。
モリアーティさんも、きっと喜ぶって、エルは思いました。

ふむ、エル殿の問いには答えを控えさせてもらおう
俺も暫し長話をしすぎたようだ。そろそろ失礼するとしよう
二人共　またいずれ、ということでな