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ギルドスレッド

アビス財団収容施設

エリア-◾️◾️-A/会議スペース0◾️-1

 こちらはエリア-◾️◾️-Aに存在する『β』以上の権限を持つ職員、もしくは上記の職員から許可を得た者のみが使用可能な共用スペースです。

 この部屋はヴァン・クリーク博士の監修の下に造られた赤と黒を基調とする、まるでルーレットを彷彿とさせるデザインとなっております。

 チェック柄のソファー、バーカウンター、ビリヤード台、ダーツボード、その他複数の会議に不要な異物がありますが会議スペースです。
 夜間に数名の女性部外者を連れてヴァン・クリーク博士パーティを朝まで行い、入室禁止になりましたが会議スペースです。

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(赤と黒のチェック柄をしたソファーに座り、資料を片手にインスタントコーヒーを啜る)
よっ、シラスだ。邪魔するぜ。

路地裏にこんな施設があったんだなあ、知らなかったよ。
さあ、珈琲をご馳走になりに来たよ。
それと聞かせてもらえるかい、未知の探求ってやつ。
やあ、シラスくん。それとも新たな勇者様とでも呼んだ方が良いのかね。
ともかくおめでとう、パレードは楽しめたかい?

おっと、つい話を脱線してしまうのが僕の悪い癖だ。
だがそう急かさないでおくれよ、まずはコーヒーを用意しよう。話はそれからだね。
(練達製全自動コーヒーメーカーにマグカップを置くと、彼女は「角砂糖は必要かい?」と付け足す)
シラスでいいぜ。
手紙に書いた通りね、柄じゃあないんだ。
でもありがとう、パレードは……疲れたなあ。
たまっていたのが一気に出たのもあったかも知れない。
家に帰ったら爆睡しちゃってさ。
いやあ、長い2ヶ月だったぜ。

(ソファにも背を預けてゆっくりと息を吸って)
ふぅ、良い香りだ、美味そうだね。
ああっと、砂糖は3個、ミルクもよろしく。
シラスくんだね、把握したよ。
疲れたと言ってるわりには実に楽しげな表情じゃあないか。自分の努力が結果に出たんだ、夢見も良かっただろうね。

ただの安物コーヒーさ。味は期待はしないでくれたまえ。
(湯気が立つマグカップと一緒にミルクピッチャーをシラスの前に置く。砂糖は既に三つ、希望通りに入っているようだ)
いーの、いーの。
俺もそんな舌が肥えてるわけじゃないし。
(淹れたてのコーヒーを啜って満足そうに頷く)

っん、美味いよ。
楽しそうに見えた? 実は友達が労いに来てくれてさ、思い出したらついそんな顔してたかも。
夢見はあんまり良い方じゃあないんだが、あの日はよく眠れたぜ。

エクレアは夢は見るかい、この施設で寝泊まりしてるわけ?
夢は潜在意識の延長線上と聞くが…ふーーむ、僕は見たことがないな。もしくは覚えていないだけかもしれない。
それと僕は一応此処に収容されてる身だからね、依頼以外は此処で生活してるよ。
危険区域があったり監視が鬱陶しいが住めば都さ。
(対面のソファーに座る彼女は、ズズズ…と自分のコーヒー(砂糖多め)を啜る)
夢を見てる間は眠りが浅いらしいから、見てないならその方が良いかもな。
エクレアが覚えていないだけって話かも知れないが。

ふぅん、収容? 囚われの身ってわけか。
その口ぶりでは好んで此処に残ってるみたいだね。
確かに不便は少なそうだけれど他で自由に暮らしたくは無いの?
そもそも何で収容されてるのさ?

おっと、質問ばかりで悪いね、今日はどうやら珍しい場所に転がりこんだみたいだから。
構わないさ。君の目に映る好奇の輝き、ぼかぁ嫌いじゃないよ。
それとまずはひとつ訂正しておこう。僕は収容されているが囚われの身ではないよ、時々だけど「職員」として街角や露店に遊び…もとい視察に赴けるし衣食住の心配が無く不便とはあまり思わないかな。
(「遊び」の部分で彼女はコホンと咳払いをする)

収容されてる理由は━━━━そうだね。答えるまえにひとつ僕も聞いておこう。
シラスくん、君は『シュレーディンガーの猫』と呼ばれる異世界の言葉を知っているかね?
なるほどね、確かにこの施設は刑務所の類じゃあなさそうだ。
職員ってことは他に仕事もあるわけだ、その辺りが俺の出番なわけかな?

んっ、シュレーディンガーの猫?
聞いたことあるぜ、これでも勉強家なんでね。
おかしな思考実験だろう。
あれには色々と思うけれど、それがどうかしたのか?
おや、話が早くて助かるよ。
もし街角近辺のクレープ屋のメニューを調べたいなんて言われたら泣いちゃうところだったぜ。君に頼むとしたら荒っぽい業務が多いかもね。

博識だね君、流石は勇者サマだ。
私見的かつ雑破に訳すと「蓋を開けなければ真実は分からない」という考察だね。
…ぼかぁね、ソレが嫌いなのだよ。蓋を開けずに真実を言葉の羅列で曖昧にされては、生涯未知を解明することはできないだろう。
ならば僕は蓋を無理矢理でも引っぺがして隅々まで見渡してようやく満足する、そうやって真実を探して知識を得ることが僕が此処にいる理由のひとつさ。
どうだい、ワガママだろう?

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