機械的なコンソール、空中に浮かぶデジタル的なディスプレイ……未来的な光景がそこには広がっている。

そして、その中央――本来、艦長が座るべき一段高い席の横には、中性的な顔立ちの人物がいた。

「当艦『オリオン級宇宙戦艦弐番艦 ベテルギウス』へようこそ。貴官の来訪を歓迎するのであります。」

（と……先頭を走っていた幻介が賭けていたロバが急に立ち止まる。その視線の先にカメラがズームすると……そこには、かち割り氷を売る商人の屋台）

（方向転換、一直線にそちらへ駆け出し……柵を飛び越え、屋台へ到達すると氷を舐め出す。こうなったら舐めきるまでテコでも動かないだろう）

（結果……ウルズが賭けていたロバが、何の障害にも当たらずに一着でゴールしたのだった）

（そして、当の浪人はというと――）