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ギルドスレッド

アンチャーテッド

とある病院(シナリオ『Alice in ...』のその後)

依頼が成功したのは僥倖……。でもまだ体が痛む……。
馬車が破壊された時にフリークライさんが咄嗟に回復してくれたけど……、
彼女の攻撃は強力だった……。

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(ベッドから上半身を起こして窓の外を眺めている)
……休むのも仕事のうちって言うけど……、
時間を持て余すね……?
本でも買ってきてもらおうかなあ……。
(がちゃり、と扉を開けて、ぬるりと部屋の中に黒い影が入ってくる)

…こんにちは、お邪魔しますね。
ヴァイオレットさんだ……。こんにちは……。
先日の依頼ぶりだね……。
ヴァイオレットさんも怪我してたみたいだったけど……大丈夫……?
はい、こんにちは…。その、先日の依頼の件でお伺いさせて頂きました


ワタクシの方は…はい、先日ようやく歩けるようになったので…
…ワタクシのせいでそのような怪我を負わせてしまったことの、謝罪をさせて頂きたく。
お見舞いに参った次第です…。

(手にはいくつものフルーツが入った籠が下げられている)

…こちら、どうぞ。人を見舞うなど、初めてですので…お嫌いなものなどありましたら、失礼を…
わ、わ、フルーツがいっぱい……。
だいたい何でも食べられるよ……ありがとう……。

……んー……、ヴァイオレットさんが謝る必要はないんじゃないかなあ……?
ヴァイオレットさんが直接ワタシ達を攻撃した訳でもないし……。
それとも文さんってヴァイオレットさんととても縁が深い人とかなの……?
……そうですね、あの依頼に協力下さった以上、話さぬ訳にはいきませんね。

…はい。彼女は…ワタクシのかつての友人…でした
(一語一句、躊躇うように言葉を発する)
………
その辺りは、少し…話せば長くなりますが
お聞きになりますか…?
ヴァイオレットさんが、話したいなって思ったら話すといいよ……。
それで辛くないのだったら……。
ワタシには時間があるから、話してくれるって言うなら聞く……。
……ありがとうございます。
(ベッドの傍らの手近な椅子に腰掛け)

…まず、身の上話から入りますが…ワタクシは、人間ではありません。まあ、この混沌においてそれは大した問題ではないと思うのですが…

ワタクシの元の世界は、ここでいうカオスシードのような特徴を持った方々しか「人間」はおりませんでした。
そんな中で、ワタクシはとても奇特な生まれをした人種でした。

…いわゆる、その世界では「邪神」と呼ばれる存在の血が、この身体の半分を流れているのです。
えっと……ヴァイオレットさんは元の世界だと変わった存在であった……ふむ……?
幼いワタクシはそれを知らず、人間達の社会に混じって暮らしていました。当然、周囲の人間もそれを知りませんでした。太陽の光に弱いのは、体質のせいだ…と解釈して。

そのときに友人となってくれたのが、彼女…文さんでした。小学校の時、仲良くしてくれて、たくさんお話して…楽しい日々をワタクシに下さった、かけがえのない方…でした
(邪神の血が混じっている経緯も気になるが、今は話の続きを聞いたほうがよさそうだ)
そっか……。文さんはヴァイオレットさんの大事な人になったんだね……。
…はい。大事な人でした。
…けれど、そんな日々も長く続きませんでした。

当時話題になっていた猟奇殺人犯に、登校中だった当時のワタクシと文さんは…誘拐されました。そこでは、多くの子どもたちが苦しませられながら虐殺されていたのです。

…およそ、人の善い所しか見ていなかったワタクシは、そんな悍ましい所業に酷く動揺しました。
……それは……。
……二人とも今こうしてるってことは無事だったんだろうけど……。
無事…そうだったら、良かったのですが。
…ワタクシは、その時初めて、我も忘れて怒り狂いました。まさに文さんがその手にかかろうとしたとき…ワタクシの目の奥で何かが弾けたのです。ここで動かなければ、彼女が死ぬと…そう考えて、無我夢中になって…


…気がついたら、殺されていたのは殺人犯の方でした。ワタクシはその時、無自覚に己の中の邪神の側面を解放したのでしょう。

ですが…ワタクシの世界の普通の人間にとって、邪神の姿とは、目にしただけで己が精神の根底を揺るがされるほどに恐ろしいものなのです。

…その姿を目にしたのは…無傷だった、文さんでした。
……そこで、彼女の精神は……破壊されてしまったのです

他ならぬ、ワタクシの手によって。
(何と言葉をかけていいのか迷っている)
そっか……。
文さんを守ろうとしたけども……、いつもの日常に戻っておしまい……とはいかなかったんだね……。
……(その時、ヴァイオレットの瞳からつぅ、と雫が溢れる)
…はい。

…ゆえに…彼女が、あんな風になったのは……精神に異常をきたして、周り全てが異常に見えてしまっているのは…

この、ワタクシせいなのです。
ワタクシが彼女の日常を壊し、心を壊し、安息を壊し……

…その結果、多くの人々を不幸に陥れてしまっているのです…
彼女自身も、望んでなんていないのに…

(ぎゅ、と、膝の上で拳を握り、自身の服の裾を顰める)
ヴァイオレットさん……。
(ヴァイオレットさんの手にそっと自分の手を重ねようと)

…………。
……ワタシは文さんが自分が不幸だと思っているかどうかは
文さん本人に聞いてみないと、わからないと思う……。
今は文さんと意思疎通が難しいけど……
文さんと言葉が交わせるようになって、ヴァイオレットさんが文さんのお友達のヴァイオレットさんだとわかった時に、
ようやく文さんがヴァイオレットさんを罰したいのか、何とも思っていなくてお友達でいたいのか……
やっとわかると思うから……
……(手を重ねられる。じんわりと伝わる熱に、平静を取り戻して)

ごめんなさい、お見舞いに来たというのに、逆に慰められるような事になってしまって…。
…ありがとう、ございます。そう、彼女と対話してみないと…わからないです。

…ですが、彼女は多くの命を奪ってしまいました。その原因は…ワタクシにあります。
ゆえにこそ、彼女がこのまま、運命に翻弄されて、排除すべき悪と定められてしまう事が…ワタクシには、耐え難いのです…。彼女は、ただ…普通に生きたかっただけなのに…
ううん……大丈夫だよ……。
依頼の時もきっと辛かったんだろうね……。

そうだな……。今はいい方法が思い浮かばないけど……、
……色んな人に公言するような内容でもないかもしれないけど……、
ワタシも……ヴァイオレットさんの混沌でのお友達も、ローレットの人達も
ヴァイオレットさんが助けて欲しい、力になって欲しいって言えば……きっと助力してくれると思う……。
皆で知恵を絞れば……何か文さんを助けられる方法を見つけられるかもしれないんじゃないかなって……。
……確定じゃないから、無責任な事を言ってるかもしれないけど……。
文さんを思うなら、泣くことよりも……出来ることがまだ、あるはず……。
…………そう、ですね。仰るとおり…です。
今泣きたいのは…きっと、ワタクシよりも彼女の方なのです。
そんな時に…ワタクシが塞ぎ込んでいる場合ではありませんね。公言がし辛い事情である以上…他ならぬワタクシが動かねばならないのですから。

…ありがとう、ございますね、フラーゴラ様
アナタの言う通り…できることが、きっとある…そう、思います。

(少し安心したのか、顔が綻んで)
(落ち着いたヴァイオレットさんの様子を見て、こちらも顔が綻ぶ)
縁が出来ちゃったからね……ワタシも出来る限りの範囲でお手伝いするよ……。
あと……また辛かったら言ってね……?
一人で抱えるのはよくないと思うから……。
…ええ、ありがとうございます。
聞いて頂けて…不思議と、心が穏やかになりました。

…まだ予断を許さない…大変な状況なのは相変わらずですが…
はい、また…頼らせて頂きますね。
頼れる人がいない……孤独な状況ほど辛いものはないからね……。
(自分の昔に少し思いを馳せ)

ああ……せっかくだったら、ヴァイオレットさんの持ってきたフルーツここで食べちゃわない……?
確かナイフが戸棚に……。えっとフルーツは何があるのかな……
あ、ああ……そうですね。

お持ちしたのは、林檎やバナナ、メロン…あとはいちごやブルーベリーなどでしょうか。
フラーゴラ様の好みが解らなかったので、おすすめのものをいくつか…
いちごがあるの……?
ワタシの名前『フラーゴラ』はどこかの国の言葉でいちごって意味だよ……!
だからいちごも好きなんだ……。
おお…そうだったのですね、それは知らなかったです。思わぬ僥倖でした。
でしたらこちらを頂きましょうか。

(籠の中から小さな籠を取り出しすと、中には大粒のいちごがたくさん詰まっている)
こんなに大きいいちご久しぶりに見たかも……。
えっと……食べていい……?
(待ちきれずに尻尾が揺れている)
ええ、もちろん。もとよりアナタの為のものですから。

喜んで下さるならば何より。どうぞ召し上がって下さいな
ありがとう……いただきます……。
もぐ……。ん……美味しい……。

ヴァイオレットさんも食べない……?
ワタクシも、ですか?よろしいのでしょうか。これはアナタに差し上げたものですが…

…せっかくのお申し出を断るのも無粋ですね。頂きましょうか
(そっと一粒つまみ上げると、赤い果実を口に運んだ)
もうワタシのものだから、どうするかはワタシの自由じゃない……?なんて……ふふ。
ふふ…それもそうですね

…ありがとうございますね、フラーゴラ様
アナタは不思議な方ですね、まるで焚き火の炎のように、傍にいるとぬくもりを下さる。

…ワタクシのような人でなしがそのような温もりを感じるのは些か躊躇われますが…
…それでも、此度アナタに会いにこれてよかったと…思います。
こっちこそお見舞いありがとうだよ……。

そうかな……?ヴァイオレットさんはこうやって気遣ってくれるし
人のために涙出来る優しい人だよ……。

結構話し込んじゃったね……?
最近は暗くなるの早いよね……。
…ふふ、優しいなど…ワタクシにはまだ言われる資格はございませんよ
ですが…ええ、ありがとうございます。その言葉が、今はとても心安らぎます…

…そうですね、もう冬ですものね
病院に迷惑をかける訳にもいきませんので、今日はこのあたりで失礼しましょうか
(ゆっくりと椅子から立ち上がって)
ん……またね、ヴァイオレットさん……。
(小さく手を振る)
ええ、フラーゴラ様もお大事に。
…今日は、会えてよかったです。それでは(手をふって病室から出ていく)

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