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街のどこかの寝床

【PPP4周年記念SS置き場】

氷雀NM登録1周年も込みでTwitterで募集し、書かせていただいたものです。
概要等はこちら↓
https://twitter.com/hijack_nm/status/1416724516902899716?s=21
希望者があれば8月いっぱいまで随時追加していきます。

まだまだ盛り上がるPPPに1PLとしても、NMとしても、楽しんで関わっていけたらなと思います!
4周年、おめでとうございます!

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キーワード
キャラクターID
◆ エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)様
◇イメージ
ピンナップ:https://rev1.reversion.jp/illust/illust/29651

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【縁のある日に誘われ】


 焼き付いた西陽はとうに失せ、冷たい石畳の上にも踊るような祭りの騒めきと提灯あかりに目が眩む。不意に引かれた袖の先、ころころと鈴鳴る声に視線を下ろせば金色の乙女のまろい額にも熱が宿っていた。
 愛らしくもほんのりビターなチョコレイト細工の肌に、大人びた浴衣とレースたっぷりのスカートを合わせた和洋折衷がよくよく似合う。弓で射た矢は戻らない、ただ真っ直ぐに突き進む——矢絣を身に纏った彼女から、ずいっと差し出されるまあるい雪洞。

「林檎飴、美味い、ぞ」

 真っ赤に艶めくそれは真昼の太陽のようで、ひと口どうだと見上げる瞳に映る神秘的な夜空とは対極だ。涙を湛えた瑠璃色の泉に揺れる月と瞬く星に魅せられ、愚かにも誘蛾灯へ触れてしまう羽虫さながらに頭を垂れた。
 ゆらゆら、ゆらゆら。豊かな金糸が今か今かと待ち受ける。紅が縁取る黒と白がその左右から問い掛けた。

 ——さあさ、おたべ、おたべ。かじりかけのつみは、どんなあじ?

 ガリッと脳裏に響く破砕音は果たして飴か理性か。蛇ならぬ狐が答えてくれることは、決して無い。

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