いくさは場所を選びませんが、場所がいくさを好むとは限らない……。
……仮令敵を皆殺しにしても、こちらに人死にが出ては、負けも等しい。
だから、『あの』フロールリジ様の言うことを、よく聞くのですよ村人の皆様。

さて。
第一の作戦『対空砲火』においては、私の出番は限定的ですね。
後半あたりで、アノニマスで特に誰でもない可憐なメイドとなり、トロフィー目当てのヒャッハーをおびき寄せましょうか。
そのまま第二作戦『罠広場』に意向できるのも良さそうです。
ちょっと転んでみて、怯えた瞳と白い（……や、実際は白くないけど。ぐぬぬ）柔肌など見せれば、効果は上がりましょう。
第三作戦『包囲撃滅』において、ようやく私の出番です。
各種剣技を振るい、地に降りたオロバジムどもを切り捨てに捨てましょうか。
基本は『乙女算段』で自カ至を絶やさず、ちょっと手強そうな相手には『ゆらぎ水月』の初見殺し効果を用います。
『黒顎魔王』での必殺は、しぶとそうな相手に限定で。
この期に及んで空を飛んで安全地帯に逃げようとする者には、『宙駆け』からの『滲蝶々袖紮』で対応。

首尾よく24頭転がしたならば、それでローレットとしての仕事は終わり。
ここから後は、趣味の領域ですが――。
――塚など建ててやりますか。私の故郷では、死ねば仏と言いまして、ね。
おなじ空を飛ぶものとして、多少のシンパシーもありますよ。
自由の空のつかいみちを、次は違えぬよう。