テーブルの上に置かれた、赤い表紙の小柄な本。
タイトルはないが裏表紙には「オデット」の名が書かれている。


（オデットが日々の出来事を書き込む日記）

友達が大怪我して帰ってきてたわ。
だというのにまだあのデカブツに挑むっていうんだからわけがわからない。
そんなに生き急がなくても……って思うんだけどね。

過去の死者を送ってきたわ。
……死は、いつか訪れるもので、認めなきゃいけないもの。
わかってるつもりだったんだけど、わかってないのはどっちだったのかしら。

久しぶりに彼の夢を見たわ。そういう依頼だったんだけど。
最期の時に見る夢、ってことだったから後悔のない夢をって思ったけど、今はすごく後悔してる。
……だって私、まだ生きてるんだもの。

未だに馬鹿みたいに身体が輝いてるの信じられないわ……
地味に目が痛いし帰ったらみんなに笑われるし……もう、ついてないわ！
しかもこれが一週間続くなんて悪い冗談よ。
代わりに功績が認められて領地を手に入れたけど、割にあってる気がしないわ。
いいわよ、美味しいリンゴめいっぱい育ててみせるんだから。

ゲーミングしてたのは直ったけど、その影響なのかゲーミングな林檎を手に入れたわ。
何でかわからないけどどこかで見たみたいに輝いてるし、なぜか投げると爆発するし。
それだけだからいいといえばいいんだけど変な因縁感じるわ。

それはそれとして日焼けしてきて悲鳴上げてるオモチャが面白かったのでよし！

そそぎを助けられなかったわ。でも、まだチャンスは残されてると思いたい。
それにさらわれたメンバーも気になるわ。
霊長蟲毒もそう、気になることが多すぎる。

久しぶりの日記ね。
なんか色々あったけど今は深緑が変。
領地もあるし勘弁して欲しいんだけど。

しかし、ルチアって結構鏡禍のこと気に入ってるのかしらね？

封印を施した彼女は、きっと無力感を覚えたのでしょうね。
この先行くんだったらそれと相対することになるんだろうけど、私はどうするのかしら。
話してみる？　わかんないわね。
ただ、暖かくなればいい。木々が葉を落としたままじゃ木漏れ日はないのだから。