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幽霊通りの隠れ家

尼寺の塀に開いた穴は祟りではありません。物理です。 仮プレ

性善説よりは性悪説のほうが性に合っていますね、私としましては。生来、人は悪なるがゆえに、己を律する善というものを学び行わねばならないのですが、それはさておき。

忍務遂行上の不始末というほどでもなし、リカバリのきく類です。物理的な修繕に加えて、心理的にもケアが必要なようですが。


さて、まずは庵主様にご挨拶を。よくわからない穴が壁に開いてさぞお困りでしたでしょう。妖気の類は感じないと、術者っぽい恰好の私から申し上げればいくらか説得力はあるでしょう。では原因は何かと問われましたら――そうですね、私からは雷ではないか、と申し上げましょう。壁に残った水の跡から雨の激しさが伺えます。おそらく光や轟音もあったのではないでしょうか。寝てた?そうですか(´・ω・`)

とはいえ、ローレットのものはそれぞれが異なる分野の専門家、他のものはまた異なる見解があるかもしれません。


壁の修繕が終わるまでは場を清めると称して周辺の清掃を、修繕が終わりましたら神楽舞用に作っていた巫女装束の正装に着替えて、壁が壊れた際に穴が開いてしまった結界の綻びを繕う儀式と称して、結縁の祝詞でも読み上げましょう。故郷で学んだ神道様式の儀式そのままでも、こちらの神事とは差異があるでしょうしそのまま使ってもバレないでしょう、たぶん。さらに厄除けに九字を切っておけば、皆様もかなり安心できるのでは?
儀式は短く切り上げて、焼き芋でも食べましょうか。

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