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野営地

真剣素振り場【SS】

文字通り、ちょっとしたSSを置いてある場所だよ

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有効打とも言えない――むしろ、擬態粘液で全身を覆っている恋屍へ頭突きをしたであろう伏見の方がダメージを受けた、であろう。だが、しかし。衝撃はお互いに受けてのけ反った所で。逆手に握った伏見は刃を返し。頭突きによって多少体勢が崩されたものの、人外の体幹によって継続された左拳、その防具へ刃を添える。

ぎぃ!

やり辛い、と言わんばかりに瞳を揺らした男は、軽防具しか付けない己にとって、致命の一撃足り得るチェーンソーへ注力しながら次の手を考える。誘った側が無様を見せる訳には行かないからだ――
火が点いたように痺れる額、特に堪えた様子のない相手。
人の範疇で考えられぬ相手は、相対すると厄介な事この上無い。対人の技術が通じないのならばそれ以外を見せれば良いだけの事だ。

鞘を握った左手を相手へと叩き込む。ごり、と硬い感触がするのは彼女が纏う衣服すらが擬態であるからだろう。これを破らねば相手へ至る事が出来ないのならば、と。身体を翻し――ぶわり、と外套が翻った。

ぎゃぎゃぎゃぎゃ!!

間髪入れず振るわれたチェーンソーが布と、仕込まれた鋼線を巻き込む異音が響く。チェーンソーの利点である回転を、噛ませる事で止めんとしたが為の行動であるが――それは唯のチェーンソーであれば、という但しがあった。彼女が振るうのは首落清光と銘を付けられた、常ならぬ品である。鋼線混じりのそれはその意図すら食い破り、伏見の身体をも食い破らんと迫って――

とすっ。

外套の内側を抜くように、切っ先が生えた。彼女の胸、人の身体であれば、肋骨をくぐり抜け、肺腑を抜けたであろう。奇剣が彼女の衣服へと刺さった。そのままぐ、っと押し込むも身体へ到達するまでには至らずに、刺突の衝撃をそのままに受けた彼女は、留め具が外れた外套をチェーンソーに巻き込んだまま、後方へたたらを踏む。

その間、後方へ一足飛びをして距離を離した伏見は、剣を順手に握ったまま――彼我の距離は始まった時と同じ距離へと。仕切り直し、である

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