PandoraPartyProject

冒険

闘技場設定は『練習場』から!


とある飲食店の接客業

 ――急募、飲食店接客係。
 店長怪我につき、動ける者求む。
 年齢性別問わず、今日からでも働ける方。
 ※まかない・制服貸与有り。

 ローレットに、急な求人依頼の張り紙が貼られた。
 張り紙を見てみるに、店長が怪我をしてしまった為、急ぎで『動ける』人員が欲しいようだ。
 『動ける』人員。そしてそれをローレットへ求める理由――。
「屹度、迷惑客が来る店なのではないかな」
 張り紙の前で首を傾げたあなたが気になったのか張り紙を覗き込んだ劉・雨泽(p3n000218)が「僕の憶測にすぎないけれどね」と、そう告げた。
 ――なるほど、迷惑客。
 普段の接客は雇った従業員に任せるが、迷惑客が訪れる時だけ奥から屈強な料理人や店長が「お客さ~ん、そういうことは困ります~」と出てくることはよくある話だ。
 そしてここはギルド・ローレット。腕自慢も居れば接客上手も居る。特技や腕に覚えのある多種多様なイレギュラーズたちが揃っている。
 まかないも制服もあるとのことなので、特に心配はいらないだろう。
 困った店長を助けるためにも、あなたはその店へと足を運ぶのだった。

「ああよかった、よく来てくれました」
 店に訪れたあなたたちを、店長は笑顔で迎えた。
 階段から落ちてしまいましてねと語る店長は腕や足に包帯を巻いている。治療をしてもらったものの、どうにも捻ったような痛みが残って気になるのだそうだ。
「暫く店を閉めたらどうか、と他の子たちも心配してくれたのですが……楽しみに毎日足を運んでくださるお客様も居てくださるものですから」
 人の良さそうな柔和な表情でそう告げた店長は、接客ルールを説明していく――。


 シナリオ:壱花

参加者一覧
萊 連理(p3p010469)
亜竜種給仕
ハビーブ・アッスルターン(p3p009802)
何でも屋
ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)
同一奇譚
囲 飛呂(p3p010030)
君の為に

探索記録

 まずは身なりから。
「こちらが当店の制服になります」
 更衣室は此方ですと案内されて手渡されたのは、黒と白が基調の制服。
 広げてみれば、ふんだんに使われたフリルとレースが揺れる。
 襟や肩の作り、制服の長さはそれぞれ異なり、種類は和洋中と豊富。
 お好きなものをどうぞと口にした店長は、アッと小さく口を開いて。
「当店の店員は老いも若きも女性も男性もこの制服を着て頂きます」
 客も元よりそのつもりで来ているから、文句を言われることもない。
「カチューシャの装着もお忘れずに」
 店長は猫耳とフリルのついたカチューシャを、そっとあなたに握らせた。

「うん。とてもお似合いですよ」
 完璧に着こなしたあなたへ、店長は笑顔を向けた。


「次は接客業の基本、言葉遣いは美しいものを心掛けてください」
 この店の特色からは特に、礼儀正しく、所作も美しいものが好まれる。
「また、来店時のご挨拶は『おかえりなさいませにゃん、旦那様』になります」
 客の年齢により、旦那様であったり奥様であったり、お嬢様お坊ちゃま、となるようだ。
「まずは私に続いてみてください。――おかえりなさいませにゃん、旦那様」
 店長は真顔でそう言った。

「おかえりなさいませにゃん、旦那様☆」
 あなたの完璧な受け答えに、店長は素晴らしい! と拍手を送った。
「一度で完璧に熟せるあなたは、逸材であると言えます!」


 店内の細々としたルールや、必要な道具の場所等を説明を受けているとあっと言う間に開店時間となってしまう。
「それでは、よろしくお願いします。皆さん、今日も笑顔を忘れず旦那様方へご奉仕いたしましょう」
「「「はい!」」」

 食事時になれば、あっという間に満席だ。
 あなたが出来ることは――。

「すみません、注文いいですか?」
「はい、ただいま」
「オムライス持っていってくださーい」
「了解です」
 あなたは素早く立ち回り、他の店員たちも大助かりだ。


 ほかほかと湯気をたてる黄色にご主人様は笑顔だ。
「わあ、おいしそうなオムライス!」
「ねえメイドさん、あれやって、あれやって」
 オムライスにはケチャップが掛かっていない。
 あれとは……やはり、『アレ』だろうか。

 あなたはケチャップを手に、ササッと可愛らしい猫の絵を描いた。
「わあ、可愛い! メイドさん、絵もお上手なんですね」
 ご主人様はとても喜んでいる様子だ。


 ご主人様たちの満足度も高く、このまま今日と言う日を卒なつく終えることが出来る。
 そう、思った時だった。
 ――カラン!
 来客を告げるベルがひときわ大きく鳴り、見るからに柄の悪そうな男たちが入店してくる。
「おう、邪魔するぜ。今日はミアちゃんの出勤日だろ?」
 ミアちゃん。それは、アーモンドアイとツインテールの愛らしいメイドの名だ。
 ホールで足を止めたミアと目が合うと悪漢たちは彼女へと真っ直ぐに向かい、手を伸ばそうとし――

「申し訳有りませんにゃ、旦那様」

 彼女の前に立ちはだかったあなたは伸ばされた手を箒の柄で押さえ、悠然と微笑んだ。悪いお客様には、速攻退場していただかなくては。

 くっ、想像以上に厄介な客だ……。
 こんな……猫耳メイド服じゃなければ全力が出せたのに……!

 そう、あなたが膝を着きかけたその時――カラン、と来店を告げるベルが鳴った。
「どうした、連理困りごとか? 俺に任せておきな」
 あなたの知人が――偶然来店したのか、あなたがこの依頼を受けると聞いて来店してくれたのかは解らないが――あなたのピンチに駆けつけた。
 メイドでは立場上出来ないこともある。しかし客同士ならば違う。
「二度とこの店の敷居を跨ぐな!」

挑戦結果

 こうして、とある飲食店の一日は守られた。
 店長の話では何組も似た客が居るため、違う迷惑客が訪れるかもしれない。
 数日、または時折店の手伝いに顔を出すかは、あなた次第だ。
 夢と希望と浪漫にあふれる場所を楽しむには秩序と礼節、それから少しの腕っぷしが必要なのだろう。

戦績

攻略状況:攻略成功!

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