PandoraPartyProject

特設イベント

マジ卍になってしまいそうな開票場


 助けてください! 此の儘ではマジ卍祭りになってしまいます!

 突如として学園祭実行委員よりやってきたヘルプ。誰もが予想していなかった――嘘だ、本音を言えばそうなると思っていた――大喜利会場と化した学園祭名称募集には複数の意見が寄せられた。
 募集開始後、真っ先にそのイケメたルックスの何処にお茶目な感性を隠して居たか久泉 清鷹は淡々と毛筆で意見を記した。
『そいや! せいや! わっしょーい! 祭り』
 まさに祭りである。そう、まさに祭りではあるが――名称はちょっぴり違う。
「学祭のイベント名を募集ってきいたっす! そこで!!
『にやんの祭だ』ってのはいかがっすか? え? ぱくり? オマージュですよオマージュ。え? そうではない?」
 露草 静羽はにゃんっとアピールしてみた。何も知らないような顔をしてにゃんの祭りだ、と繰り返す。
「文化部がオラつく学園行事と運動部がオラつく学園行事デース。
 合体したら、そらもう『動仏園(どうぶつえん)』しかありまセーン。
 あと折角デースので『卍』はミントの如く両サイドに植えてリスペクトしマース、と言うことで『卍動仏園卍』デース」
 アフロ・ナ・ミエの提案は凄まじい。波打ち際のチンパンジーと言う言葉が出ていたが音呂木・ひよのは「名門校ですよ」とにんまり微笑んだ。
「なるほど、それは深刻な問題だ。ならば可憐で崇高なエクレアちゃんネーに任せたまえ。
 そうだな。では『キラッ☆ 輝け僕たち(私たち)の青春! 夏秋合同希望ヶ浜ワッショイフェスティバル~甘酸っぱい初恋を添えて~』なんてどうだろうか?
 センス皆無?それは言わぬ約束だぞ君。僕に頼んだ責任は自分で取るべきだろう?」
 エクレアの言葉にひよのは「名称と言うよりも、スローガンな気がしますね」と悩ましげにそう言った。
「いわし祭りじゃん。はやくいわしを称えるいわし祭りしよ」
 アンジュ・サルディーネはそう言った。「いわし祭りじゃん」ではない。学園内にいわし部を作っていわしの宣伝活動を頑張って欲しい。
「やりましょう。綺麗な石探し祭りを」
 突然石祭りが決行されてしまっている。オーガスト・ステラ・シャーリーの語調は僅かに強めだ。
「お祭りと言えば屋台でしょー屋台と言えばチョコバナナでしょー
 でもボクはチョコバナナよりドーナツが好き!
 だから『究極のドーナツvs至高のチョコバナナ』祭り!」
 非常に個人的な対決が始まりそうなセララである。チョコバナナ味のドーナツだった場合はどうなるんでしょうね。
「ロリ祭りしてください」
「それは……どのようなお祭りですか?」
 朔・ニーティアの提案にひよのは首を傾ぐ。
「全世界のロリに感謝を捧げる祭りです。ロリであれば何でもいいのです。ロリ祭りに方向転換をしませんか?!?!?!?!?!?!?!?!」
 ハロルドは俺に案があると堂々と言った。その手にはざんげハンマーとつづり小槌が握られている。絶対にハンマーが来ると誰もが想像しただろう。勿論、ひよのだってそうだ。
「超スーパーミラクルハイパーときめきロマンティックギガスペシャルバイオレンスオーバーナイトフィーバーフェスティバルずんどこドキドキハッピーエンドレスずっきゅん愛と友情と努力と勝利のロイヤル燃えろハート震える魂デスティニー君と僕とで明日の希望を掴むロイヤルなんかよくわからないがとにかくすごいハンマー祭り」
 もう一度お願いします。
「超スーパーミラクルハイパーときめきロマンティックギガスペシャルバイオレンスオーバーナイトフィーバーフェスティバルずんどこドキドキハッピーエンドレスずっきゅん愛と友情と努力と勝利のロイヤル燃えろハート震える魂デスティニー君と僕とで明日の希望を掴むロイヤルなんかよくわからないがとにかくすごいハンマー祭り」
 ……なんて?
「き……『希望がハンマー祭り』……」
 小声でぼそりと告げたのはアーマデル・アル・アマル。ハロルドのハンマー教に毒されていた。
「『反応感謝祭』に9999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999票入れました」
「入ってませんよ」
「いいえ、早すぎて見えていないだけです」
 首を振ったひよのにアルプス・ローダーはそう言った。早すぎたんだ……!
「ぶわーっと、どっかーんって、どどどどーってするお祭」
 エル・エ・ルーエの勢いのある提案を聞いたアカツキは・アマギは「そうじゃ!」と手を打ち合わせる。
「ならば『燃えよ学園生! 希望大炎祭!!』が良いな。そうしよう!」
 炎と言う文字に注目したのはリサ・ディーラング。
「魁!!我苦炎災!!」
 苦しそう……。
「大狂騒祭」
 ドミニクス・マルタンの提案はまさに大騒ぎの現状を顕わしているようにさえ思える。
「こけこけどきどき最強祭」
 こけこっこー! と言う様に小さな翼をぱたぱたとさせるトリーネ=セイントバードに続くように皆、好き好きに候補を述べる。
「セイント希望祭」
 シューヴェルト・シェヴァリエの提案は聖なる気配を感じさせる。
「フェスタ・オブ・オーシャンルビー」
 海紅玉 彼方も師匠にならって提案一つ。カナタ・オーシャンルビーの提案に師も大きく肯いた。
 良いんだ……。
「ならば、どうでしょうか。‪✝︎希望ヶ浜二大大祭 ~朱に交わればマジ卍~‪✝︎」
 †を付ける辺りに小金井・正純の本気度を感じる。マジ卍から離れることが出来ていない!
「愚鈍で脆弱で醜悪で下賤で卑小なただの純種が伝説の特異運命座標様を崇める会」
 虚栄 心の提案は些かラノベタイトルっぽい。
『愚鈍で脆弱で醜悪で下賤で卑小なただの純種が伝説の特異運命座標になった件』の刊行お待ちしております。
「なら、これは? 『プロジェクトHOPE~うちらが学園イベントがマジ卍祭りになってしまうのをどうやって回避したか~』」
 こちらはライトノベル感と共にテレビの特集番組の雰囲気が溢れている主人=公の案だった。
 ホープ、と何度も口にしたのはミルキィ・クレム・シフォン。
「ホープフルフェスティバル、とか」
「じゃあ、『ぴぴぴ宴』が良いと会長は思う!」
 てっきり羽衣教会振興会なんて名前を提案すると思われていた楊枝 茄子子の可愛らしいネーミングに驚きの声が幾つも上がる。
 その背後より、そうっと忍び寄るのはラヴィエルであった。
「ラヴィエル祭」
 我が名を冠する祭りの提案にはからからと綾敷・なじみが笑う。
「目と目が遭う瞬間好きだと気づく祭り」
 コレット・ロンバルドへとなじみは「誰と目が合うのー?」とコレットを見上げた。その巨躯ではあまり目が合わなさそうなのである。
「希望ヶ浜全盛り学祭2020」
 色々盛られてしまっている状況なのだった。如月=紅牙=咲耶の提案はこの状況を物語っているかのようだ。
「希望ヶ浜学園文武両道総合祭。え、地味?」
 それでも普通の提案であることがこの場でどれ程重要であるか。古木・文はぱちりと瞬く。
「そうですね。名前というのは重要なもの。
 どんなに素晴らしい物語もタイトルによって読まれないということもありえるでしょう。
 しかし、最近の長文タイトルというのもどうかと……ああ、祭りの話でしたよね? もう『希望の花』とかそいうので良いのはないでしょうか」
 鶫 四音はおざなりだった。きっと、彼女は物語にしか興味が無かったのである。
「文武両道ってことよね……? そうねぇ……『アルティメットハイパーぶんりょー祭』とかどうかしら!」
 夕凪 恭介は「え? アルティメットはなんだって?」とウィンクを一つ。
「なんか強そうだしマジ卍のインパクトに勝てるかもっておもったの! ぶんりょーはひらがなの方が可愛いからよ」
 かわいさは大事ですね! その様子を眺めていたリア・クォーツ。
「せいかつはっぴょうかい でええんやないかなぁ!」
 可愛らしい提案のブーケ ガルニ。小学生たちはきっと其方の方が馴染みがあるだろう。
「希望ヶ浜学生大祭」
 グレイル・テンペスタの提案にブーケが「それもええねえ」と微笑む。
「文化祭? 普通に文化祭じゃダメなの?」
 10月には体育祭も控えているために文化祭&体育祭と二つの祭りを表す名前を募集しているのです。
「ふぅん、こっちの文化ってよくわからないですね。
 んじゃ、適当に『マジはんぱねぇフェスティバル』とか書いて入れときますね。
 ああ、あと、何か挟まってましたよ。ほら……『卍天帝剛烈本気感謝祭2020卍』?」
 誰が入れたんだ、とリアが呟くが端っこにこっそりヴィクトール=エルステッド=アラステアのサインが入っている。

『ヽ⊂″ぅせ楽ιレヽ@レよ卩易≠ャラナニ″レナぢゃね?
 ゥ于ら、もぉリ帚っτょ<ナょ<ナょ<ナょ<ナょレヽ?

 倉リ立言己念日レニょ丶)全木交イ木木交

 ⊇れτ″ヵ・/∧°≠っっっっιょ。』

 錫蘭 ルフナの書いた文字を見詰めてからひよのは悩ましげに「陰≠ャも楽ιレヽ祭丶)レニιτ<ナニ″、ナレヽょ、カゞωレよ″っτ」と返した。
「『MAJIDE FESTIVAL(マジでフェスティバル)』
 つまり、MAD(熱狂!) / JIVE(おふざけもあるよ!) / DESIRE(平和への祈り的なアレでそれ)」
 どうだ? とふふんと鼻を鳴らしたのはTricky・Stars。天使的なナイスな発想である。
「じゃあ、ドキッ☆イレギュラー(ズ)だらけのSS(スクール&スポーツ)フェスティバル略してドキフェス!~(夜妖とぱんつが)ポロリもあるよ!~ はどうであるか」
 王者はパンツのことも考えてくれるのか。ナセールディンはテンションをマッハにキラキラと輝いている。うおっ、まぶしっ!
 ぽろり、ぽろりと繰り返したのは念々劫火 暁之夜。
「みんな仲良しわいわい祭り ~ポロリもあるよ!~
 ぽろりって言うのは感動の涙のことなのよ。決していやらしい意味ではないのだわ!」
 いやらしい意味ではない(重要)。涙がポロリと落ちるのは学生にとってはとても青春だ。
「ドキッ☆希望ヶ浜フェスティバル2020-ポロリもあるよ-」
 道頓堀・繰子もポロリを希望していた。どうして、特異運命座標はみんなポロリを求めるのか。どうして……。
「ぱんつか。ああ、ぱんつというなら。みんな大好き乙女のぱんつ祭り」
 恋屍・愛無も大好きな乙女のぱんつ。但し、特異運命座標達の中ではちょっぴり違った意味を持っているようだが……?
「!混沌的学園祭! ~パンツとイワシと反応を添えて~」
「イワシって言った?」
 グリム・クロウ・ルインズの提案にひょこりと顔を出したアンジュ。いいえ、今はいわし祭りではないです。
「クヒヒ! 学園の文化を披露しあう学園祭と学園の武芸を競い合う体育祭の夢の競演ですか。
 ならば! 遥か昔、異世界のテレビ番組で由緒ある番組名からゲンをあやかってこう名付けましょう!
『風雲希望ヶ浜学園武闘祭! ~ポロリもあるよ~』どうでしょう?」
 首塚 あやめの提案は、ちょっと待って欲しい。何がポロリしたのだるか。……首?
「希望ヶ浜! 希望といえば愛! 勇気!
 『愛! 勇気! 希望! 三位一体ミラクルフェス!』最強……って感じだな……」
 ちょっぴり満足してしまった新道 風牙。最強って感じがとても凄いのだ。
「う~ん、希望ヶ浜って『街の花』とかそういうのって決まってないの?
 その花の名前の後ろに『祭』ってつければいい感じの名前にならないかなーって思うんだけど」
 相川 操の提案に「花ってありましたっけ」と希望ヶ浜在住の者達が顔を見合わせる。市長に問い合わせなければいけませんね!
「『ふわふわもこもこねこ祭り』」
 そう言ったのはヨゾラ・エアツェール・ヴァッペンであった。
「ねこ(動物)可愛い。可愛くない? 希望ヶ浜学園近辺のねこにはまだ巡り合えてないけど可愛いと思う。
 学園にねこが関係あるかどうかはともかく、とりあえずまじまんじ? とやらの回避手段の1つとして提案だけしておくよー」
 可愛い猫と会えることを祈っています。猫から、と呟いたのはバスティス・ナイア。
「急に言われてもいいアイデア浮かばないし『希望ヶ浜学園祭り』だと確かに捻りがないから、なんかないかなーって考えた結果何も思いつかないけどマジ卍祭りは阻止したいので。
『希望ヶ浜猫神祭り』でいいや。何ならマスコットのモデルも引き受けるよ」
 そういえば、彼女は猫のお耳の生えた神様でした――

「……普通に希望ヶ浜祭りでいいじゃなか……。
 それがダメなら……学園祭と体育祭から一文字取って、最後に共通点の祭りをつけて学育祭とか?」
 悩ましげなサイズ。その言葉に天狼 カナタもそうだなと大きく肯く。
「希望が浜学園祭で良いじゃないか。……駄目か? じゃあ略して喜樂祭とでもすればいい」
 面倒くさくなって彼は其の儘机に突っ伏した。先生、ここから事件です。
 ひよのは投書を眺めて「此処に座りなさい」と数名を指さした。
 まずはキンタ・マーニ・ギニーギの提案を読み上げようとする。
「タマ卍握り……。ええ、確かにマジ卍祭りと言いましたが卍を上手いこと遣えていていいですが、駄目ですね」
 ざっくり。
「ザキヤマ春のパン祭り……との事ですが、春のパン祭りは私も好きですが、駄目です。怖いところに怒られるかも知れません」
 望月 凛太郎のEXFはそれでもびくともしない。
「ヤマグチ 秋(奈)のぱん(つ)祭り」
 突然名指しされる茶屋ヶ坂 戦神 秋奈であるが秋空 輪廻の提案をひよのは却下。「後輩のぱんつ祭りは駄目です」とのことだ。
「アザラシ秋のガトリング祭り」
 春がパンなら秋はガトリング。ワモン・C・デルモンテは短いおててをぱしぱしとした。
「秋のポイント的なモノ収穫祭」
 更にはポイントを集めようとするモルテ・カロン・アンフェールも立候補。
「リリファとすれ違った瞬間脳へ直接コネクトされる彼女のアトリエその中に朝起きダボダボワイシャツ姿の彼女がいたんだ朝ごはんを用意してあげたいなっておもうんだけどどうせならシリアルのチョコのやつで牛乳かけるとココアになっちゃうあれでその真っ白なワイシャツを汚しちらしたいそんなロマンチックを捧げたい祭り……とのことですが、ここで特別なコメンテーター」
 アト・サインの提案にひよのはくるりと振り返る。月原・亮とリリファ・ローレンツが立っていた。
「直接脳にコネクトってリリファの新手の呪いじゃん」
「ムキャアアアアア」
 ついでにアトもムキャられ逃走の運びになったのだった。
「激おこスティックファイナリアリティプンプンドリームまな板」
「ムキャッ!? それって私のことですか!?」
 セリア=ファンベルの言葉にぐるりと振り向いたのはリリファルゴン。逃げて、ヤツは容赦しないぞ。
「第一回希望ヶ浜学園祭&体育祭!! チキチキマジ卍祭り!
 ってギルオスさんが言ってました(責任転嫁)(風評被害)(コーナーで差をつけろ)」
 提案よりもなおも酷いギルオス・ホリスへの責任転嫁。言ったが早いかミヅハ・ソレイユの姿は消えていた。
「再現性岸和田だんじり祭」
「再現性大阪でやってきてください」
 再現性大阪方面を指さすひよのに夢見 ルル家は「曳きだんじりに轢かれてしまう」と非難めいた声を上げる。
「鬼絶許祭り」
「六道地獄巡り感謝祭」
 源 頼々とアエクにひよのは首を振った。地獄めいた名前は恐ろしすぎて却下なのである。
「希望と絶望の学園祭」
「それは別の学校ですね」
 駄目です、と叱りつけるような言葉にエディ・ワイルダーはくぅんとワンちゃんの様になった。
「飢餓祭り(″き″ぼうがはま″が″くえんまつり)」
「飢えてそうではないですか」
 イロン=マ=イデンの提案に駄目ですとひよのは首を振る。
「やっぱり此処は、みんなの希望。
 ラクリマから取って『ラクリマ祭』でどうだろう?
 マスコットとなるラクリマはとっても可愛いし綺麗だし希望ヶ浜のプリンスに相応しいと思うんだ!」
「年中ラクリマ祭りでは?」
 ライセルに対してひよのはそう言った。「それもそうだった」と彼はにこりと笑っているが恋人が果たしてこの様子を見て許してくれるかな……?
「僕が楽しめそうなお祭り名……そうだ! おちんち――」
 ムスティスラーフ・バイルシュタイン、アウト―――!
「いけませんよ。お(ピーーー)カーニバルだなんて」

「まじやばたにえんておもうし、ぴえんこえてパカァ……パ↑カァ↓」
 セティア・レイスはアルパカになった。アルパカがパカァと鳴くかどうか分からないが、とにかくアルパカだった。
「すごいがんばってかんがえようっておもう、たぶん。
 おもったのは≪ごりもあふぇす≫とかぜったい最強みつよいし、
 "絶対運命希望祭"とか略して絶望祭なの、ありよりのありかもってなったから、
 でもやっぱりマジ卍祭りがいいかもっておもった。マジ卍祭りにしよ」
 結局それだった! 誰もがマジ卍祭りから逃れられない!
「アルパカか! ならばこうじゃ! しかと聞けェい!
 アルパカバーニングフルチャージマキシマムジェットマジ卍120%増量中フォーリンラブシナリオドロップがおっさんのパンツになる呪いをかけたゾファイナルシーズンパスがもっと美味しくなりましたきのこたけのこどっちが好きなの僕すぎのこ夢で終わらないドリームジャンボ阿弥陀籤寿限無寿限無ゴボウのすり切れえっいま祭」
 一条 夢心地のご乱心である。殿! 追いついてくだされ、マジ卍から逃れられておりませんぞ!
「意味はよくわからないけど『マジ卍祭り』ってなんだか楽しそうな響きだし、いいんじゃないかな! マジ卍!!」
 ここで卍ポーズをとって見せたのは炎堂 焔。マジ卍の語感は呪いのように皆の心に浸透して言ってしまっているのだろうか。
「いえーいまじまんじぴーすぴーす。
 すてきなおまつりになることうけあいですので、五千兆票いれておきますね。いえほんと。マジフェス、いいとおもうのですがね……」
 略称まで考えてしまったシセラ・デュセス。マジ卍祭りになった暁にはマジフェスと呼ばれるのだろう。
 マジフェス……そう言われると少し素敵な気さえしてくる。
「はっ。ボク、閃いてしまいました。まじ……ま、まんじ?
 卍ならば、ええと、その、ですね。学園祭と体育祭……つまりは秋! 秋なのです。
 ですから、秋祭りでいい……え、違う?」
 きょとんとしたのはアイラ・ディアグレイス。卍から着目してみたが季節は秋――秋に戻ってしまったのだった。
「秋、ええねえ。希望ヶ浜秋のイレギュラーず感謝祭、とかどうやろ?」
 はんなりと微笑む蜻蛉。オールスターで感謝際してしまうとアクシデントが多発しそうだ。
「浜学ウルトラスーパーアルティメットずびずばめちゃんこ大祭(おおまつり)。略称:浜祭(はまさい)」
 アルフィンレーヌはマジ卍ではなくウルトラスーパーアルティメットの方面に走って行った。浜祭という略称はとても希望ヶ浜っぽくて素敵である。
「マジ卍卍卍卍、卍闇夜の翼卍、卍……? 卍ってなんだ……卍、卍だな!
 卍という宇宙、世界。卍が世界を救うと信じて……が、駄目……! 圧倒的卍……!! (卍わ…… 卍わ……)
 奴は所詮卍、時代の卍じゃけぇ……所で卍って手裏剣に似てるよね、つまり卍は忍び、NINJYA。NINJYAとカラテは全てを解決する卍と古事記にも書かれている祭」
 ヴァルトゥス=レガ=ラガンデの言動全てもきっと古事記に記載されているのだろうとひよのは笑顔で何となく流した卍わ……卍わ……している空気である。
「卍マジ卍祭り卍」
 卍が増えてしまったベーク・シー・ドリーム。
「本気卍祭り(まじまんじまつり)がいいです!!!!!! 本気度見せつけていきましょう!!!!!!」
 激推しのノア・マクレシア。本気で卍をプッシュする強き思いを感じる。
「ええ……これ僕も参加するの?
 こういうのは一部のウェイな人達が決めるもので僕みたいな奴は目立たないフッツーの名前しか付けないものだ。それでも良い? それでも良いならそうだな……『ガマ学芸体祭』かな」
 越智内 定をじいとなじみが見ている。
「……だから捻りやオチなんてないって言っただろう!?」
 その視線から逃れるように彼は叫んだのだった。
「マジ卍祭り。キャッチーで若々しくていいと思う……マジ卍……いいじゃないか。
 チープは確かにチープだが……『特異すぎるよりも』『普通であるように』『悪ふざけのようで』『一般的なように』カモフラージュとしては最適だろう?」
 リアナル・マギサ・メーヴィンの考察にひよのはうぐ、と息を飲んだ。そう言われたらそんな気がしてきてしまう。これが……マジ卍の魔力だというのか……。
「マジ卍祭り」と後押しするように告げるメリー・フローラ・アベルと白夜 希。
「マシマシまつり……」
 ぽそ、と呟いたリトル・リリーもマジ卍からちょっぴり抜け出せていない。
「『マジ卍フェスティバル』は? 『マジ卍祭り』じゃ、カタカナと記号と漢字と平仮名で、色々使いすぎだよね」
 コゼットもマジ卍に囚われた一人であった。雨宮 利香も「別にマジ卍祭りでいいんじゃない?」と問いかける。
「マジ卍~希望と絶望を添えて~ぴえん祭」
 ぴえんしてしまっている上に絶望も添えているがアルゲオ・ニクス・コロナもマジ卍に囚われている。
「『マジ卍』が駄目、でしたら……『ガチ卍』です、ね……?」
 フェリシア=ベルトゥーロはぱちりと瞬いた。ガチ卍にレベルアップしてしまった……。
「……別にマジ卍祭りでもよくない……? 実際問題パリピ祭りなんだしさぁ……ねぇ……?」
 あまりに面倒くさいシチュエーション過ぎて矢都花 リリーは溜息を吐いた。だるいからさっさと引きこもっていたいのだ。
「??? マジ卍? ってそんなにダメなのかい? アタシは別にこれでいいと思うんだけど」
 ふむと首を傾げたリズリー・クレイグに高槻 夕子も「分かりやすいし、いいんじゃね?」と同意する。
「あおはる祭」と青春をアピールするヴェルグリーズ。確かに学生と言えば、青春だ。
「もういっそぴえん祭でいいとおもったけど!!
 私ちゃん案としては『希望あげぽよ祭』でいーんじゃね? って思ったワケよ!
 だってさー、流行っている言葉を使いたいじゃんっ?
 イベントだ! 何のイベントかって? いや、しらんけどってなりそうだけどさっ!
 ……ん? やっぱり『ぽよ』ってなんなんだろ?」
 先程ぱんつ祭りを開催されかけていた秋奈は気にする素振り無くあげぽよの『ぽよ』について考え込んでいる。
「えーっとよくわからないんですが、流行っているものを盛り込みたいってことでいいんでしょうか。
 虹色に点滅しているマジ卍祭りを見て『ゲーミング☆希望ヶ浜』とか思い浮かびましたが、これでも大丈夫でしょうか。
 学園祭とも体育祭とも関係なさそうな単語ですが、とにかくみんなで楽しみましょうって意味で」
 ラナティア・ナスラの提案で1680万色に光りそうな希望ヶ浜学園ができあがる。マジ卍かあ、と呟いていたアルム・カンフローレル。
 ふと、アルムが拾い上げたのは傍に落ちていた投書である。
『卍どすこい! 青春祭り卍』の投書には天之 雪の名前が記載されていた。
「流行に合わせようとした気概は買いますよ。ただ、今更マジ卍はねぇ……。
 まーあ? これがおぢさんの限界という奴ですかねぇ? 此処は次期校長を志す者として、今風の名前を見せつけてやります!」
 希望ヶ浜1夜妖に間違えちゃいそうな女の子、十七女 藍は何故か校長に敵愾心を燃やしていた。
「名付けて『れーわフェス』! 最近聞くようになった『れーわ』という言葉。なんとなく今風です!」
 ――因みに、『れーわ』が何かを藍ちゃんは知らないのだ。
「いいじゃん、マジ卍祭り。超ウケる。
 これさぁ、校長発案ならそれ前面に出していこうぜ。せっかくだから。どうせ最近の流行りの言葉ってぐらいしか知らずに言ったんでしょあのオッサン。あっあっ、何この気持ち。もしかしてコレが共感性羞恥。いたたまれない。少しでも多くの人間にこのいたたまれなさを共有してやりたい」
 キドーの感じる羞恥心。おっさんだから流行してるっぽい言葉を使った校長にもダイレクトアタックである。
「【マジ】新島・月子ちゃん【卍】フェステボー!」とウィートラント・エマはそう言った。
「え??? マジ卍祭でよいのではないであろうか!! かっこいいの!」
 藍ちゃんに酷評されたがマジ卍はボルカノ=マルゴットには好評のようだ。
「マジ卍祭りで良いと想い出御座る。マジ卍で御座る、イカしてるで御座るな!」
 咲々宮 幻介もイカしていると大きく肯く。ソレを聞けばシティガールも黙っては居られない。
「卍マジヤバたんスポーティフェスティバル卍」と提案したのはメイ=ルゥ。
「ここはシンプルに『浜学祭』とか……。学校名から取るのってお馴染みだったりするのよね?
 なら、これで提案してみるわ! ……なんか大喜利祭になってる噂を聞いたからね?
 普通というか、そういう意見もね、一応ね? 必要かしらとね?
 ……ところでマジ卍ってどういう意味なのかしら……? 私、全然意味が理解出来てないのだけれどっ!」
 実行委員達にとっての癒やし。『普通の意見』を発したエルス・ティーネとて卍の意味は分かっていなかった。
「え~……マジ卍祭りでいいんじゃないかな……?
 斬新で面白い名前だと思うよ、うん。……ところで、マジ卍ってどういう意味なの?」
 マジ卍――その意味を知る者が果たして此処に何人居たのだろうか。
「『希望祭』 え? ひねりがない? うるさいですよ」
 ふんとそっぽを向いた鏡の傍らでガウス・アルキ・メデスはさらさらと文字を書き記した。
「希望ヶ浜大体学祭~The First Generation's!!~(略して希大祭FG)」
 略称が真面目にかっこいいのである。
「もう『マジ卍祭り』でいいんじゃないかな……」と呟いたのは新田 寛治。この現状を見ての憂いが溢れている。
「希望ヶ浜学園と特異運命座標の出会い……それもある意味、双方にとっての運命だったんだよねぇ。
 ならばシンプルに、それでもちょっと気取って行くよぉ。祭りを名付けて、"希望ヶ浜運命祭"!
 繋がった希望と運命を、より強く結び付けられるように……ってねぇ。それはそれとしてマジ卍祭りも結構好きだよぉ」
 にっこりと微笑んだシルキィに夜式・十七号は「学祭はどうだろう」と首を捻った。
「大希望祭」と提案するエクスマリア=カリブルヌスを横目にいそいそと紙へと「マジ卍祭り」と書いたのはネリ。「じゃあそれで」とぽーいと決定したのだ。
「どんな名前になるかそのものよりも、こういうのは皆で楽しく考えて決めたっていう事が大切だと思うのだわよ。
 だから、良いと思うのだわよ『マジ卍祭り』! ちょっと私には分からないセンスだけど……これで構わないって思うのだわ!」
 華蓮・ナーサリー・瑞稀がにっこりと微笑んだ.そう言われるとマジ卍祭りが凄く良い物に思えてくるではないか。
「いやもう『マジ卍祭り』以外ありえないだろ!」
 そう笑ったのはモカ・ビアンキーニ。そんな……有り得て欲しかった……。
「なんかマジ卍祭りのインパクトに冒されてるコが一定数いそうだからマジ卍祭りでもいいんじゃないかな」
 武器商人の言うとおりにマジ卍祭りのインパクトに負けている人間は多数いる。寧ろそれでいいとさえ言い出したのだから!
「やばたにえん春の無理茶漬け祭りー」
 えくれあはぴょんと跳ねた。因みに『近所のギャルのおねーちゃん』が教えてくれたらしい。誰だ、こんなに可愛い子にやばたにえんを教えたギャルは。
「ティティーッス!『悠久ーUQー』の伊達千尋だ!
 せっかくなんでグレードアップして『マジ卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍祭り』ってな感じでどうでしょ!」
 卍のグレードあっぷっぷりがパネェ伊達 千尋はどこか楽しげに卍のポーズをとっている。

 リゲル=アークライトは真面目な顔をしてそっと剣を掲げた。
「『レオパル祭り』を推奨する。これは文武両道を体現する名前を冠したもの。え? 意味が解らない? ならば……

 ――天 使 降 臨 祭!

 全力で挑む者達は、神の使い。即ち天使であるといっても過言ではないでしょう。
 俺はそんな生徒たちを導くべく、新米国語教師として尽力したく……え? そんな語彙力で国語教師を名乗るな? ……精進致します!」
 敬礼! 天使降臨祭はちょっとヤバめの宗教国家が行ってそ……あ、天義……。
「少年少女よ大志を抱け祭り! 性別不明も!」
 びしり、と指さすのはフラーゴラ・トラモント。
「希望ヶ浜では学園一の美男美女性別不明を決めるコンテストが行われようとしていた。そのアピール方法は諸君もお馴染み、一芸……もといプレイングである。栄光は誰の手に?!」
 今、フラーゴラちゃんのお陰で学祭でミス&ミスターコンテストが行われることが決定した。
 そうと聞けば黙っていられないのがこの方。
「『超絶美少女しにゃこちゃん祭り』とかどうですか!? 盛り上がること間違いなし!!」
 しにゃこのご提案に続くように秋月 誠吾が提案するのは「しにゃこ祭り」
「……って送れって言われたんだ」
「これ却下するならマジ卍でいいです」
 可愛いしにゃこちゃんの貴重な真顔。『超絶美少女しにゃこちゃん祭り』はちょっと難しいですね……。
「『希浜オータムフェス』……とか如何かね?
 おっさんを創った子たちが学校のお祭り事の思い出話をしていた時に、名称は略語と横文字を合わせるとハズレが少ない。と言っていたぞう」
 緒形の考察に対して成程、となじみが大きく肯いた。
「学園祭と体育祭を融合ねぇ……正直希望ヶ浜祭りで充分だと思うんだけれど。
 それでだめなら、そうだねぇ……『輝け青春~希望ヶ浜複合大祭典~』……とかかな?
 いやまぁ、輝け青春は僕の想いだから、そこは外してもらっても構わないんだけどね。
 折角の学園生活、楽しんで過ごしてもらいたいよねぇ……」
 シガー・アッシュグレイの優しさにひよのは「貴方も楽しんで下さいね……」とそっと飴を差し出した。普通の提案がそれ程に嬉しかったのだろうか――

「希掲祭(きようさい)。希望ヶ浜を、希望を高く掲げる祭り……など、いかがでしょう?」
 リンディス=クァドラータの提案に良いですね、と微笑んだのは燈堂 廻だった。希望ヶ浜学園にぴったりだと好感触である。
「それでは銀杏祭はどうかしら?
 黄色く色づいた銀杏の葉が舞い落ちる中で、楽しく騒ぐ光景をイメージしました!銀杏は校庭に沢山植えてある学校の象徴的存在で、卒業してバラバラになっても銀杏の葉を見ると思い出が蘇る……(という妄想)ですわ」
 ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤの顔を見て廻は(素敵なことを言っているのに)にんまりと微笑んだ。
「銀杏、いいですねえ。よく炒って割って塩つけて。お酒にぴったりなんですよー。拾えばタダですし。ねっ、ヴァレーリヤさん!」
 ――因みにヴァレーリヤはこっそりと『ローションでヌルヌルの階段を登って最初に校舎の屋上までたどり着いた人が優勝選手権』という謎の選手権を考えていた。
「オレとしてはこういうのはシンプルで親しみやすい名前がイイって思う!
 希望ヶ浜のオマツリってことだから名前をモジって『望潮祭(もちしおさい)』ってアンを出しておくよ!」
 イグナート・エゴロヴィチ・レスキンの提案を聞いて、驚いたような顔をしたのはひよのだった。
「どうしたの? ヒヨノ……」
「いえ、普通の提案が来たので……つい……」
 どれだけ突拍子もない提案が来たのかを彼女の表情が物語っていた……。
「みんな大好きフェス!」
 ココロ=Bliss=Solitudeの提案には普久原ほむらは「親しみやすくって良いと思います」と肯いた。
「爆肉舞闘祭、とか」
 チェルシー・ミストルフィンの提案に手を叩いたのはマジ卍祭りを提案していた無名偲・無意式である。
「勘違いした奴が山のように押し寄せそうでいい」
「あはは……校長先生も無茶振りをするね。
 教師が提案するのもなんだけど……『ノゾミ祭』なんてのはどうかな? 希望をノゾミと読んでさ?」
 ロトの提案にそれも悪くはないなと無意式は肯いた。
「タイガーVDM祭りとかどうかな?」
「ああ、良いな。今にも燃えそうだろう? 俺はタイガーが好きだ。特に負けているタイガーがな。VDMが何の略かはわからんが」
 マリア・レイシスは「私は負けてないけどね?」と無意式へと言った。
「学園祭の名前か。『暁光祭』、とかはどうだろう?」
 赤羽・大地の言葉にほむらがずずいと乗り出す。
「名前の由来としては、希望が浜の学生の手で、この街がより良い方向に発展するように……という意味でもあるけれど。恐ろしい夜妖を退け、心穏やかな『夜明け』を迎える……という願いも込めてみた。どうだろう?」
「シンプルですし、夜妖を祓う私達にぴったりではっ!」
 素敵です、と眸をきらりと輝かせる。
「混沌一のネーミングセンスを誇る海洋の国民的美少女、イリス・アトラクトスです。
 聞いた話、こういうお祭りって秋に行う事が多いらしいので、
 紅葉や夕焼け等にちなみ、「紅」の文字を配する事が多いんですって。
 そういうわけで私は考えました。希望ヶ浜学園の学園イベントの名前は『紅爆祭』という事でどうでしょうか」
 海洋の国民的美少女イリス・アトラクトスの言葉を聞いて無意式は「よく燃えそうだ」と喜んだ。
 さっきからこの校長、燃えるかどうかばかりに注力しているような……?
「『学園祭と体育祭を合わせた催しの名』案ねぇ。
 ……うーん、『軌跡祭 『Road to glory』』……かしら。何となく浮かんだのよ。『Road to glory』の部分は毎年テーマによって変わる形かしら」
「毎年『Road to glory』とか違うサブタイトル? を、つけるんですねっ。応用力がいいと思うんです!」
 アリシア・アンジェ・ネイリヴォームの提案にほむらが良いですねと大きく肯いた。
「え。ええっと……学園祭と体育祭……?
 ………………なら、シンプルに……未来に希望を見出す土壌として『光明祭』とか……ど、どうでしょう?」
 リースリット・エウリア・ファーレルへと廻は良いですね、と頷いた。
「太陽の明かりのような素敵な学園祭になるといいですね。僕は月明かりも好きですけど」
 素敵な名前もある程度は出そろっただろうか。ビスコはううんと唸る。因みに大喜利大会ではない。
「ビスコちゃん、頭もよくないから大喜利には参加できないんだけどなんというか、その、インパクトある名前はいいんじゃないかなーって思う。ダサいダサくないは別として。
 希望がキラキラしてるとかそういうので星輝祭とかどうでしょーか?
 真面目な方向での提案してみました。以上、現場からビスコちゃんがお送りしました!!」
 ビスコの提案に「貴女は素晴らしいですよ」とひよのがにんまりと微笑んでいる。
「これは……そう。
 そのまま、『やばたにえん! このままではマジ卍になってしまいます! ぴえん』祭でよろしくなくて?」
 赫染・霞の言葉にひよのは「それでもいい気がしてきました」と突っ込み疲れたかのように椅子へと腰掛けた。
「黎明祭とか考える奴は居なかったのか……? 流石にそのネーミングは激ヤバだろ……」
 呆然と一部始終を眺めて居たマカライト・ヴェンデッタ・カロメロス。
 激ヤバな人間は更に多かったのだ……。
 物部・ねねこは大騒ぎの『名称募集』を行っている実行委員の教室を眺めてぽそりと呟いた。
「……今年の大喜利会場マジ卍祭りです?」

 ――どうして!!!!

「希望ヶ浜祭~学園祭と体育祭を合わせたイベントに無難な名前を提案したらマジ卍祭りになりかけたので最近の流行りにのっとって副題をつけました~
 が、普通に希望ヶ浜大祭とかでいいんじゃないでしょうか」
 シロヲが首を傾げる。屹度、副題の方が本題なのだ。どうして……。
 そっとマイクを手に取ったイーリン・ジョーンズは言った。
「みなさんお待ちかね! いよいよ開幕しました! ローレットの代表イレギュラーズ!
 最初の挑戦相手は希望が浜の生徒!
 希望ヶ浜をリングにした注目の第1戦! イレギュラーズ対希望が浜のゴングが、今鳴り響きます!
 次回、機動武闘伝PPP「学園祭開始! 希望ヶ浜に落ちたイレギュラーズ」に、レディィィ、ゴォォォ!!」


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