PandoraPartyProject

特設イベント

先行者パートⅥ


 ――クリック? クラック!

 アリスは坂を転げ落ち、赤ずきんは狼の腹の中。
 塔の上でラプンツェルは歌謡い、眠り姫が起きる頃。
 世界は流転し、絶えず激動を与え踊り続ける。
 故に『混沌』。全てを飲み込み、自身の一部にせんとする暴食家。そして、これから終わりゆく世界の名前だ。神の観測を運命と呼ぶならば、物語の終わりはとうの昔に決まっているのだが――
「決まってねー方が面白いに決まってますよ。決まってたら困りますし」
 否、だと。少女は告げた。
 在り来たりな物語を終わらせて、『可能性』を蒐集しようと云う。
「可能性(パンドラ)による、混沌(パーティー)って呼べば愉快な感じじゃねーですか?」
 カミサマがいるならば、そんな言葉を掛けたに違いないと少女は言った。
 適当だ、と詰る者がいれば、そうだと納得する者もいた事だろう。
 だが、ゲンナリする者もいた。
(折角人気のない場所でサボ……息抜きに来たのに)
 空中庭園はざんげ曰く『満員御礼、大忙しでごぜーます』だ。人が増えれば休息も何族に撮れないとエイヴァンは肩を竦める。
「面倒ごとは勘弁してもらいたいが……まぁ、無理だろうな」
 曖昧に肩を竦める彼の束の間の休息は――すぐに喧騒に消えるのだった。
「へ~……いっぱい召喚されるらしいよジーニー!」
 無邪気に笑ったアルハザードは魔法のランプを擦り神殿の様子を眺めている。
 カワイ子ちゃんがいないかな、と探すランプの魔人に「もー」と頬を膨らませながらも、仲間が来ることが楽しみだと彼はそわそわと体を揺らした。
 不安げなシャッチは神殿の様子を眺めている。何時も行動を共にする探検隊の二人よりも先にこの世界に辿り着いていたシャッチにとって、二人を先導しなくてはいけないという責任は重い。
(……大丈夫かな……でも……)
 でも、出来ることを精一杯――それが二人にとっても良いことのはずなのだから。
「大規模召喚ですか……」
 それが意味することはキュアノスには分からない。
 けれど、一つだけ確かなことはあった。これから召喚されてくる人々へ――
「きっと旅人の方は大いに戸惑う事でしょう。幸い明日の天気はよさそうです。
 各地の案内など、積極的に行わなければ……」
 明日は晴天ナリ。ならば旅人たちの行く先も晴れ渡っているはずだとキュアノスは笑みを深めて。
 召喚されたばかりでは不安に思う人間も多いはずだ。それを感じ取ったJosephはうんうんと頷きながら旅人達へと向き直る。
「わたくし、お暇を貰っている身ではありますが、執事を生業としております故」
 困っている方を見つけたら、と『からから』と笑ったJoseph。
「お世話をするためなら、わたくし骨を折る覚悟にございます」
 ――骨だけに。



 この物語には今この瞬間に召喚された者は出てこない。
 混沌世界が連綿と続けてきた召喚なる出来事に巻き込まれつつも、それが『今』ではない――大規模召喚なる世界のトピックスをその外側から眺める『主人公達』の時間を描いたものである。
 大いなる大召喚がやがて来るという神託の破滅の日の前触れか、はたまた混沌世界の与えたもうた福音なのかはこの世界に先住し、運命の根を張った彼等にも分からない不明だが、少なくとも彼等はこの世界を知っている。
 言ってしまえば、この世界に住んでいる、この世界の一員たるのだから――見える風景も多かれ少なかれ違うのだ。

「……ったく、俺もまだまだ若いんですかね」
 風呂に浸かる様に土を泳ぎながらクロノアは伸びをする。どうにも、思春期の男子の様に胸の高鳴りを抑えられないのだ。
「……何かに胸が高鳴る時なんて、村娘に一目惚れした時位でしょうに……。ま、どうなるか今回もいっちょ見届けてみますかねぇ……」
 緩やかな空気の流れるギルドでアストリアは「大丈夫」と召喚されたばかりの特異運命座標の肩を叩いた。
「イレギュラーズが期待されてるといっても、召喚されたばかりでいきなり難しい依頼はこないはずだし。
 まあ、失敗しても大丈夫なくらいのヤマじゃないかな……どうかな? 花の騎士様」
 アストリアの言葉に周辺警戒に当たっていた花の騎士――シャルロッテは背筋を伸ばし柔らかに微笑む。イレギュラーズ殿、と呼びかける彼女の声音は優しい。
「……おや、なんだか慌ただしいね」
 そろそろ始めたほうがいいかとシルフィアは重い腰を上げる。扉に向き合い、手作りの看板を掲げたシルフィアは様々な角度から見つめ、小さく頷いた。
 武器庫【SERENA】の文字が躍った看板を満足げに見つめた彼女は「後は武器の仕入れだね」と一つ伸びをして。
 大規模召喚だ、と話しかけられたアメリアは「特に」と普段通りの言葉を返し、店の看板をcloseからopenへと変えた。
 急な世界の運命を背負わされて苛んだとアメリアは感じるが陰気になったところで遣れることも少ないと彼女なりの『心配』を告げる様にひらりと手を振る。
「手ェ貸しあえばなるようになるさ」
 飢え死にしそうになったならば飯位ならば――
 開店準備を進めていたナーザは「なるほど」と小さく頷いた。
「世界が滅ぶ、ええ、困ります、とても」
 特異点の皆様には頑張っていただかないと、とナーザは大きく頷く。
 その為ならば尽力して見せるのが『冒険者の店』の仕事だろう。
「大規模召喚かぁ~……今思い出した」
 ふあ、と小さく欠伸をし、アストリットは『昨夜』の出来事を忘れてしまったとぱちりと瞬く。
「どんな人たちが召喚されるのかな? かっこいい人いるかな?」
 面白くなりそうだと足を向けるのは酒場。きっと、神殿から酒場に来る特異運命座標も多いだろう。
「この感覚……そうか、始まったのだね」
 エンドはその日、トーストを焼いていた。
 自宅で力をためる作業を終わりにし、旅立つ準備を――「終わり……いい響きだ」
 始まったのならば、終わりに向かうだけだ。さぁ――「終わらせよう! そして始めよう!」
 とりあえず、トーストを食べて何時もの朝を始めようではないか。
 部隊の仲間たちを探し求めていたオクトにとって、特異運命座標としての闘いはあまり縁の無きものだった――だが、これを機に仲間を探すのもありだろうと頷く。
 先ずは何をしようかと悩まし気に街を行くが、彼女を襲うのはギフトによる悪影響。
「な、なにをする! 私は先達として、あ、や、やめっ!?」
 街は騒がしい。周囲をぐるりと見回した武器商人は商人ギルドを結成しようと頷いた。
「あァ、動き出したね。……人が増えれば触れただけ商機が増える、ニンゲンのいるところじゃ必然だ」
 その下地を作ろうとテンションを上げ、武器商人は走り出す。
 スクラップの山をあさった骸は「アれ?」と首を傾げる。
「誰かガ言っテラッシャたわね……確カ……」
 特異運命座標である自身。その自覚を持たないままに己の『部品』を日夜探し続ける。
 最良のガラクタを探して揃えて、空中庭園に行ってみよう。
『未知の場の質ガイい部品を集めらレルまタトナい機会』を得られるはずだ。
「思ったより早いな」
 そんな日が来ると思っていたとジョーはくつくつと喉を鳴らす。
「用意は十分とは言えないが……私が生きている間に来ただけ、幸運だろう」
 最低限の用意はある。商機とはいつ来るかわからないからだとジョーは独り言ちた。
「では、商売の時間だ」


「……あぁ、始まったかな?」
 誰も居ない薄暗い洞窟の中で密やかに過ごしていたアミーリアはゆっくりと顔を上げる。
 大規模召喚よりも前に召喚された時には何事かと戸惑ったものだが、昔に戻ったみたいだと明かりを探り、燈す。
「そして運命は巡り始める……ね。さてさて、どうなるかなあ」
 楽しめればいいだけれど、と誰に言うでもなく囁いた。
「大規模召喚……」
 呟いた少女にヴェイルは『あァ、始まったな。いろんな世界から色んなヤツが集まるだろうよ。忙しくなるぜェ?』と笑った。
「……私は与えられた役割を果すのみ」
『そうだ、お前は俺様の言う事を忠実にこなせばいい。書庫に帰るぞ』
 ヴェイルの言葉に頷き、少女はゆっくりと書庫へと戻ってゆく。
 一年前に召喚されたからふらふらと街を行く日々だったブラックダガーにとって何かが起こった気配は心を躍らせた。
 折角だから召喚されたばかりの人々を見に行こうと空中庭園へと向かう。もしかすれば自身が来た世界から誰か来ているかもしれない。そう思えば、心が躍って堪らないのだ。
「面白い人たちが来ていたかも。ちょっとわくわくしますね」
 キャラバンに同行し、祖国を飛び出してから早数か月……。ドラマにとってようやく旅も慣れてきたが――何時も以上に胸の高鳴りを感じる。
「……これは」
 それが予感。世界の転換。大いなる『召喚』。其れだという事を感知してドラマは息を吐く。
 そうだ、これは好機なのだ。たくさんの人と出会い、そして知識を得ることを。
 不安げなものを探し街を歩くクラフターは一先ずの生活基盤を整えんとする旅人たちに笑みを溢す。
「ま、突然呼ばれて何をどうするかわからん状況だろう。
 未知があり、道行が不明ならば、まずは地に足をつけることが寛容さ。何を目的としても、日々を保つための糧は重要だろうさ」
 様々な我楽多が置かれたスクラップ置き場で煙草の煙を吐き出した狼姫は片肘を付く。
 傍らには走るかどうかも分からない『自動車』。部品を組み立てたそれは狼姫の想像する機能を備えてはいるのだろうが――今はスクラップと呼ばれる存在だ。
(いつかコイツと……)
 共に走りたいと吐き出す紫煙はゆっくりと立ち上った。
 廃協会の礼拝堂で、サーニャはくつくつと喉を鳴らす。
「……へぇ、随分召喚されたじゃないか」
 巨大な蜘蛛の巣にぶらりと下がったサーニャは紅い瞳を光らせ息を吸い込む。
「美味い飯を楽しみにしているぞ!!!」

「ついに始まった、か」
 元・宿のカウンターに座っていた来夢の溜息と同時に、同じ『内容』で氷火は「嫌ですねぇ……」と肩を竦めた。
「某にできる事など、何もないだろうに。せいぜいがここに来た客を出迎えるだけ」
 その言葉と同時にがたり、と扉が開く。
 来夢とばちりと視線がかち合った氷火は「あ、」と小さく声を漏らした。
 安全できちんと寝泊まり出来て、出来ればお安い――そのオーダーを受け、来夢は「部屋なら貸せるぞ」とカウンターに身を乗り出した。

「大規模召喚……召喚……」
 何時もの様に本を読み、何時ものように過ごしていたアリスは小さく呟いた。
 間違いなくこれから何かが起こる予感がする――それは予感めいてアリスの心の中に芽吹いた確かな感覚。
「今も昔もウチの行動は変わらない、過度に誰かに干渉せず……ただ観察するのみです」
 その日のジョゼは変わりなかった。ジャンクハウスと名付けたねぐらで愛しの我楽多たちと共に過ごす。
 そんな楽しい一日で我楽多を『読』む。楽しい物語もあれば、滅びの瞬間を見ることもあったが――ジョゼにとってその日課は何よりも大切なものだった。
 元より、戦に明け暮れていた世界にいた。この世界でも敵を求めて過ごした。
 ウリヤーナにとって、特異運命座標達が増える事は彼女の人生を大きく変えるものではない事を知っていた。只、駒は駒なのだとウリヤーナは理解していた。
 有能かどうかしか興味がない――ゆっくりと巨大で重厚な武器を取り彼女は戦場へと向かう。



 召喚や特異運命座標――大規模召喚を目の当たりにしたブルーノは何処か他人事のように認識していた。
(……力、か)
 世界が与えたもうた『ギフト』。ブルーノは頭を振り日銭を稼ぐために歩き出す。
 掌の『力』が発揮されるまではまだ先の話――
「ほぅ。新たな旅人の群れが召喚されたであるか」
 我那覇は異形のシルエットを影として映し出す。願わくば己と肩を並べる者が現れることを――
 色違いの瞳で映しこんだ空中庭園はなおも騒々しい空気に包まれている。
「――へぇ」
 感じた気配に骨の尻尾をびくりと揺らしたルルクリィは空をじぃと見つめた。
「下僕、何を呆けているの。それとも私には茶も菓子も勿体ないと、そういうことなのかしら?」
「……あ、ごめん。えっと……今、持ってくるね……」
 慌てたローリエはルルクリィの元へと慌ててティーセットを運ぶ。
 どこか楽し気な彼女を見つめ危ないことをしなければいいのだけれど、と小さく祈りながら彼女を盗み見た。
「なんだか騒がしいです。……まさか、新しい召喚者が沢山とか?」
 密使は何時も通りの絡繰の点検をしていたが――は、としたように顔を上げた。
「ということは、時間が無いという事ですかね……」
 呟き、ゆっくりと立ち上がった瞬間に―――「あ、」

 こじんまりとした露店――雑貨屋『佐藤家』出張露店にて優は周囲をきょろりと見回す。
「大規模召喚とはまた……おあつらえ向きな素晴らしい商機だと思いませんか? ねぇ、お嬢さん?」
 通りすがりの民衆に話しかける怪しげな『お面』。スーツ姿の『性別不明』なそれの言葉に少女たちはぱちくりと瞬いたことだろう。
「……どうやら沢山の人がこの世界に来たようなのですね」
 リザレキュアはゆっくりと息を吐く。一月前にこの世界に召喚され、右も左もわからなくとも、今日現れた『可能性』達から見れば十分先輩で。
「……きっと、これから忙しくなるのですよね」
 みんなの役に立つために――もう少しだけ、と薬を調剤しながらリザレキュアは小さく息を吐いた。
「もう二度と、我は間違えないのですよ……」
 これまでにない大規模召喚をうけて、危機感を抱くべきなのかもしれないとスヴャトボルグは頭では理解していたが元の世界への帰還のチャンスだとしか感じられなかった。
「この波風に乗っかって、帰還事業も一丁大躍進と行きたいが、さて?」

 今日も元気に炊事、洗濯、道具の手入れ。休憩時間は新米女冒険者を部屋に――オーヤックの日常は楽しいことずくめだ。
「おっと、あたしゃ全然そんなキャラではないんで」
 笑顔を浮かべたオーヤック。
 怪しげな笑みで、女子が増えるのは大歓迎だと両手を開く。最高に邪悪な笑みを浮かべ「ぐふふ」と漏らしたその声は……これ以上は控えましょう。
 腰に刀を、麻袋を担いで歩く幻介は沿道の道から空中庭園を見上げる。
 その瞳が捉えたのは数多の『可能性』達が召喚されている現場だった。
「おうおう……また大量に喚ばれたで御座るな……。賑やかで、楽しくなりそうだ」
 己と腕を競い合える猛者が居ることを願い彼は旅路を急ぐ。
「――ほぅ? 大規模召喚か」
 ゆっくりと顔を上げたヴァルディアは大規模召喚を感じ取りゆっくりとティーカップを机へと置いた。
 召喚された面々は戸惑いを浮かべていることだろう。それはかつての自分の戸惑いにも似ている様で――新たな未知の顕現に喜びながら彼は紅茶に口を付けた。
普段と変わり無く過ごしているスレイルは己の右半身を確認し――顔を上げる。
「大規模召喚……ふん、何だろうとやることは変わらない」
 何処か、楽しげな声が聞こえる。スレイルが顔を上げれば、周囲を見回す牧乃と視線がかち合った。
「人が増える様だな」
「そうやなー。色々危ない事にもなるみたいや」
 牧乃は可愛い(男の)子は居ないだろうかと周囲を見回す。
 他意は無くとも、可愛い子がいれば世界を護りたくなるというものだ。
 可愛い弟分を作るという夢だってここでなら叶いそうだと牧乃は神様に感謝をし、口元をそっと隠した。
「ん……今日は大規模召喚の日……なのじゃな」
 見知らぬ男に背を押されながらエメラは首を傾ぐ。何所に居ても乱れる、それがエメラの在り方だえあり幸福だ。
「一度の幸せだが快楽し、とても満たされ産物(エメラルド)は出来る」
 それがエメラの幸せだ。さあ、マッサージの続きをしようではないか。
 ――がしゃん。
 音立て踏み砕いた瓶。イロリは今回は悪に与したのだと荷馬車を見つめた。
 積み荷の干し肉を齧り小さく伸びをする。どうやら、イノリの仕事の最中に世相は大きく変化をした世杖。
「――何かまた、ロクでもないコトが始まりそうね」
 始まりの気配を草木のざわめきと共に感じ、イロリは地面を踏み締めた。

「おいおい、聞いてないっつーの」
 苦笑を浮かべたレテはこれだけの数が召喚される未曽有の危機をその肌で感じる。
 これは『冗談ではない』ということをしっかりと脳が認識したのだ。
 何にせよまずはローレットへ向かうべきかと踵を返す。仲間や、情報を集めることが第一の目標だ。
 大規模召喚。それを聞くと雷霆は「そつは善い」と頷いた。旅人たちとの出会いは、猛者との出会いにつながるのだと雷霆は信じている。
「共に戦うも善し、競い合い高め合うも善し」
 日中は眠い。夜間は鍛錬だと、新しい出会いを探し彼はゆっくりと歩き出す。
 大規模召喚より少し前に召喚された優唯にとってこの世界は知らない場所だった。
 この世界で生まれた筈なのに――この世界を知らない自分が其処には居る。
(――あぁ、空が騒がしい)
 何かが始まる予感。それが自身の失われた過去を取り戻せる変化なのだと……彼はまだ、知らない。
「……名前を呼ぶ資格が無くても、守るぐらいはいいよな」
 ウェールは路地裏に立つ。ギフトで思い出した大切な我が子。子供のいる世界を護ると決心したウェールの元にアクセルは降り立った。
「この感じ、地上に居てもわかるくらい特異運命座標が増えたんだねー」
 今まで自分たちが先行者として集めていたパンドラ。其れの大幅な上昇を見ることが出来るのだろう――瞳に希望を乗せたアクセルは楽し気に跳ね上がる。
 薄暗い酒場でらぐは蜂蜜酒を煽り「前いた世界?」と手をふりふりと振った。
「興味ねぇなあ。この店の前の店主も旅人だったが、遠くへ行くって言うから頂いたのさ」
 今頃どうしてんのかな、とらぐは『旅人』へと向き直る。
「まあ座って一杯やってきな。今度はアンタの話を聞かせてくれよ」

 ベリーを敷き詰めたタルト台。あとはナパージュを掛ければ自慢のケーキの出来上がりだ。
 窓を開け、吹き込む風に一つ背伸びしたユーフィニアは「いい天気、ですね」と小鳥たちに挨拶を一つ。
 今日も平和、何も変わらぬ晴天日和。
 感じる予感はきっと、心地よい気候が齎すもので――今日って、何かありました?



 リプレイ:夏あかね
 監修:YAMIDEITEI

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