PandoraPartyProject

SS詳細

ンクルスちゃんが魔改造されて麻衣ちゃんとアヘアへする本♡

登場人物一覧

ンクルス・クー(p3p007660)
山吹の孫娘
中野 麻衣(p3p007753)
秒速の女騎士


「――それでね、この後に麻衣さんとお買い物で……」
「楽しそうに喋るのは構わんが、舌を噛むぞ」
「ひゃうっ!?」

 ガシュッ!

 煙を上げて右肩の接合部が繋げられる。関節の具合を確かめるように動かし、『鋼のシスター』ンクルス・クー(p3p007660)は嬉しそうに微笑んだ。
「お店に来る前より動きやすくなったよ。店主さんって魔法使いみたいだね!」
「そりゃどーも。褒められてもサービスで何も出ねぇぞ」
 機械体のライフライン、練達内の電気街。スクラップ通りのお店の店主は、相も変わらず二日酔いを引きずっていた。気だるげな答えにンクルスは一瞬きょとんとした後、ぱぁっと陽だまりのように柔らかく笑む。
「何かしてくれたの?」
「いつもより少しグレードの高い循環液を使っておいた。……ま、愛想がよくねぇ自覚はあるから、これくらいのサービスはな」
「気にしなくてもいいのに。でも……店主さんの気遣いが嬉しいな。また来るね!」
「おー。あの安産型の騎士ねーちゃんにも宜しくな」
 よほど優しくして貰えたのが嬉しかったのだろう。ハミングしながらスクラップ通りの外へ駆け出すンクルスを、店主はぼんやりと見送って――ぴた、と動きを止めた。視界にたまたま見切れた作業場のゴミ箱。
 先程までンクルスのメンテナンスをしていた影響で色々な物が捨てられているが、その中から空になった循環液のビニールパックを拾い上げる。
「……やっべ」


「遅いっすねぇ」
 見上げた高層ビルのディスプレイ。表示されているデジタル時計は既に定刻を過ぎている。
 練達・電気街の大通り。『秒速の女騎士』中野 麻衣(p3p007753)は待ち合わせの場所で壁にもたれたまま心配そうに眉を寄せた。ンクルスと遊ぶ約束をした時は、いつだって彼女の方が先に着いていたはずだ。

(何か悪い事に巻き込まれてないといいっすけど)

 嫌な予感を振り払うようにブンブンと頭を振り、街を行き交う人々へ意識を向ける。相も変わらず道行く人は忙しない。しかしその上を流れる空の雲は、流れもどこか穏やかだ。
 麻衣の誕生日まで一か月を切ったこの日、前祝いでもしようと二人は算段を立てていた。本当は何もなくたって気軽に誘い合える仲だが、理由をつけてぱぁっと楽しみたいのが乙女心というやつである。
 不安げな溜息をつく麻衣の頬を、そよそよと秋風が掠めていく。
(……? なんだろう。甘い匂いがするっす)
 甘さの中に混ざる一握りの酸っぱさ。人工的ないちごの香りとでも言えばいいだろうか。その芳香を麻衣は何故か知っていた。どこで、と思い出そうとすればするほど脳裏に浮かぶのは薄暗い部屋や洞窟だらけで、不穏さを感じてもたれた身を壁から起こす。――刹那。

 どっぱぁあん!!

「んひゃううぅうっ! もうらめなんだよぅうぅっ♡」
「何が起こってるっスかーーー!?」

 それは波のようだった。視界を覆うほどのピンクの液体がスクラップ通りの方から大通りへと流れ込み、何かを追いかけるように大きく蠢いている。一目見ただけで異常と分かる光景。しかし麻衣は巻き込まれずにはいられない。
 何故ならその波が追いかけている人物こそ、待ち合わせ中のンクルスだったからだ。

「とっ、とにかく助けないと……! ンクルスさーん! 大丈夫っすかー!」
「ひぇうっ♡ ぁ……麻衣しゃん? に、逃げっ、てぇっ……ぁ、ひゃああぁんっ♡」
 ずりずりずりずりー。
 えげつない音にぎょっとして麻衣がンクルスの身体を見ると、いつものシスター服は溶け、肌や服の上を大きな吸盤つきの手が這いずっている。よくよく見れば大きな蛸が纏わりついているようだ。

「何がどうしたらそんな薄い本のネタ全部盛りみたいな状況になるんす……?」
「分かんにゃいよぅ! ぅうう、身体が変だよぅ。おまけに変なのに追いかけられるし……」
『それはお前の香りが辺りのものを発奮させているからだ』
 機械的でいて聞き馴染みのある声が降る。麻衣の肩にメカフクロウが停まり、くるんと首を回した。
『ファミリア越しですまん、ンクルス。循環液を誤って愛玩人形用の物と取り違えた。
 そいつは疑似代謝機能にかけた際、エネルギーと結合し――端的に言うと、お前の身体から媚薬が放出される状態になっている』
「び、やく……?」
「店主さんそれ、人間で言ったら普通に医療ミスみたいなもんっスよ――ぁふんっ!?」
 ンクルスの隣を並走していた麻衣へ、ずべし! と飛んできたイカが付着する。
「んっゃ、このイカ……服の中に入ってくっス!?」
『察するに、あのピンクのスライム……多分どっか違法アングラなペットショップで管理されてた物だろう。体液で服を破くだけでなく、身体の中に色々な軟体生物を飼ってるたぁ驚いた』
「冷静に分析してる場合じゃないっすよぉーー!」
「はぁ……はぁっ……麻衣しゃん……私、もぉらめれすぅ……」
 足元がふらつき、交差点の真ん中で座り込むンクルス。その間も蛸の吸盤がスライムの体液が泡立ち、涙目のままヒクヒク痙攣している。痛々しい姿に思わず麻衣は駆け寄って――ヒクンッ! と身を跳ねさせた。
「あひゃうぅううぅっ♡」
 今やンクルスは媚薬の根源だ。近づく程に身体は疼き、イカの責め苦で言い様のない快感が足元から這い上がる。
「私に近づいちゃらめぇっ!」
「でもっ……見捨てたりなんて、できないっすぅ!」
 逃げ遅れた2人の身体をとぷんとスライムが飲み込んだ。もう身体に纏わりついているのが布切れだかスライムだか、軟体生物かも分からない。ただ――麻衣が放った最後の一言がンクルスの最後の理性に訴えかけた。

(神様……オレーシャさん……今だけ私に力を貸して!)

 震える手を伸ばし、スライムの核を掴み寄せる。触れた傍から身を焦がすような熱さを覚えつつ、ゲルの波から飛び出して――身を反らせながら振り落とす!
 鮮やかなジャーマン・スープレックス・ホールドが決まり、砕け散る核。崩れていくスライムの中からゲルまみれの麻衣を抱き起こし、ぎゅっと抱きしめるンクルス。

「麻衣しゃん……よかったぁ…無事でよかったよぉ」
「ンクルスさんのおかげっす……でも、まだ身体が熱くて……」
 そんな2人に複数人の男達の影が落ちる。暴走するスライムを恐れ、遠巻きに見ていたギャラリー達だ。モンスターを倒しても媚薬の香りは漂うまま。いつしか男達に囲まれて、麻衣とンクルスは絶望じみた笑みを零す。
「あぁ……お兄さん達が雄の目で見てるっすぅ……」
「だめだよ、だめ……皆が見てる場所で……こんな…らめえぇえええーーーっ♡♡」


「――っていうネタを考えたんだ!」
「燃やされたいのか?」
 境界図書館の一室、次の同人即売会に向けて境界案内人の神郷 蒼矢が司書であるトラクス・シーにネームを見せている。
 ンクルスをモデルにした作品を作りたい――そのアドバイザーに彼女の先代機である己が選ばれるのは道理だが、まさか作品とやらが禁断の書物二人の薄い本であるとは。
「もしかして自分が出て来なかった事に嫉妬してる? 仕方ないなぁ、それじゃあ次は麻衣とンクルスとトラストの三人本を――」
「『AIM』、蒼矢生ゴミごと焼き払え」
 ちゅどーーん! ごごごご!
「トラクス! 今日ね、練達に麻衣さんと遊びに行ったんだけど、お土産が……あれっ?あの部屋燃えてない?」
「室内で焼き芋をしているらしい。秋だからな」

  • ンクルスちゃんが魔改造されて麻衣ちゃんとアヘアへする本♡完了
  • NM名芳董
  • 種別SS
  • 納品日2020年09月13日
  • ・ンクルス・クー(p3p007660
    ・中野 麻衣(p3p007753

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