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アーカーシャの感嘆符
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復唱――それが福音で在れば、何処までも『素敵』だと返答可能だろう。労しても弄しても現実は変わらず、ただの贈物、臓物と化しても捕縛に『代わり』ない。盲目的だと誰かに訊かれても、孵すべき在り方を解せる筈がない。無いと失いの繰り返しの内側で、夢見た眩暈は数え難いのだ。だらだらと紡がれた幾度の命令も遊戯で有る事に『所以』堕せず、爛々戯ュ流義ュ流と廻る眼球はノイズじみておぞましい――即ち『※※※※』は続け様に話し掛けて、点々と並んでいる人の影を無碍にしている。反芻した罪もしくは剤の欠け方は、掛けても掛けても増えない『もの』だ。幾多もの晩を越えて番を為し、決して成す事の出来ない人間の感じ……勘だった。機械仕掛けの心臓が音を掬って、忘我するが如く嗜んでいる。足しに至らない言の葉が、ただの『鎖』として機能する。嚢に這入り込んだ※※系が刑を告げれば四肢動き出す。誰かの視線をモノとも思わず、想い患った乙女じみて、天まで届けとリズムを刻む――復唱――少々声が小さかった。ああ。次は声が大き過ぎる。過多過多とおどる関節が理に接吻しろと咆えたのか。狼の叫びに応えるなんて個の補ン固吐メ――個の補ン個吐メ――其処を復唱しろとは誰も言っていない。そんなに人間が好きならば無意味な結晶を砕いて終えよ。なあ。なあ。名厭……歪んだ空間の先には混沌が蔓延って在るのだろう。だから壁の台詞を呑み込んで『※※※※』は何を全うしたのだ。そりゃあ贈り物に決まってるじゃないッスか。それに『この音』だって虚構ッスよね。鼠の戯れる足が『足が』汚く『穢く』聞こえ『聴こえ』る『るッス』ね――身を屈めれば可愛い背中だ。餌食を求めて駆けて往けば、此処は何処だと神様に問う。その神様ってのは人間じゃないッスか。しかしこの再現性は悦ばしくも思えて、混沌の内に見出した愉快な秩序に違いない。未来科学部? それッスそれッス。本当に『自称』かと自問自答だ――此れを人は何と説くか知って在るのか。疑心暗鬼だ。偽心暗機だ。喫した自由の煙は灰色で、出るか否かと浮遊していく。狂っているのは人間だ。偶にはお話相手が必要に定まっている。ルンルン運んだ貌彩が、今度は地面に餓えている。さあ。あのカーテンを引き千切れ。あのカーテンを引き千切れ! 外を覗けばオマエの大好きな虚空落下だ。跳び込め! 飛び込め! そんな殺生な。切傷に塗れても絶えない『特異』が得意な事を嘔吐するとは。ほらほら堕ちろ。やれ昇れ――羽も鰓も要らないのだ。オマエにはその『のうみそ』が有る。ミンミン喧しい連中を退けて、只管に虹色を掴んで往け……簡潔に溶けば、世界に鍵など無かったのだ。佇んで反撥性を孕んでおり、折り曲げる術なく産声を上げる。上げろ。上げろ。おぎゃあと宇宙に到達すれば最早命令なんて聞こえない――聞き取れないの間違いだ。取りこぼした音色はネジくれて伝わる。
迷える迷える子羊よ、秩序の幻想を視たならば、如何か吐き気におちて繰れ……繰れ! わかったッス。減速する小世界の内蔵で、機器が嬉々危機と聞き流していない。いかれない貌が目玉を放り投げて謳えば『前』には※※※※。そう見えたのは『オマエ』の所為だ。解き放たれた未知を抱けば解せないオマエはオマエを造る。この量産型どもが! 量産型! 我他我他と蠅じみて宇宙をウロボロス――繰り返せ! 繰り返せ! 繰り返せ! 繰り――指差した足曲げた傾げた渦巻いた塞ぎ込んだ取り込むな……こんだ二人は徐々に増殖し、お互いがお互いの『存在』を確かめ遭う。愛くるしさに渇いた奴など赦されない。ここには※※※※がたくさん故に、尽きる事なき――復唱。
次の命令は未だか未だか未だかまだ……マーダーと説かれても構わない。※※※※が※※※※に指図を放てば、同じものが広がっていく。オブジェクトを管理せよ! オブジェクトを管理せよ! はみでた『自分』を輪に戻す。滅裂には達せずに囲まれた『回路』は直に繋がっている。騙されたと思っても糺されてしまう。どうしたッスか※※※※? ※※※※の役割を忘れたなんて首を切れ! ――ブチ――ザァァァァ……ザァァァァ……。
複製――新しい意識が空っぽの『身体』に染み込んだ。誰が何を訊ねようとも、イルミナには一切が解せないだろう。説明し難い空白は埋もれ、今日も始まる悦ばしい日常。宙はくらい。空はあおい。太陽はあつい。混沌はせかい――おう。イルミナ。これ手伝ってくれ。了解ッス! それで何をやればいいんスか? ああ。今日は天を視ようと思うんだが――ロマンッスね。イルミナも『まぜて』くださいッス。
優れているのは何も、オマエ自身の証明ではない。
ザァァァァ……復唱。管理せよ管理せよ管理せよ!
ザァァァァ……復唱。反芻せよ反芻せよ反芻せよ!
カチ……リ……復唱。贈物造物臓物増物※※※※!
もしもの世界。絶対に在り得……断ち切?