PandoraPartyProject

SS詳細

外伝的サイドストーリー採用で映えると思います(故人だし)

登場人物一覧

冬越 弾正(p3p007105)
終音
冬越 弾正の関係者
→ イラスト

名前:松永 千代音
種族:精霊種(音)
性別:女
年齢:(外見年齢)24
一人称:私
二人称:あなた、君、~君、~様
口調:~です、~ます、~でしょうか?
特徴:穏やか、理知的、流麗、情が深い
設定:
 深緑の勢力圏、迷宮森林の近くで静かに暮らしていた精霊種。
 司るものは『音』という変わり種であり、希少性を伴っていた事が結果として彼女の運命を一変させる事になる。
 夫に秋永 理一、冬越 弾正及び秋永 長頼の二人の息子を持つ既婚者であったのだが、その特性柄極めて美しい歌声を有していた彼女は愛玩観賞用として人攫いを生業にする奴隷商に捕まり、流転の末、幻想の名門フィッツバルディに連なる分家に売り飛ばされる事になってしまう。
 彼女が結果として仕える先になったのがマサムネ・フィッツバルディその人であった。
 当時のマサムネは後継レースの優位に居た訳ではないが、分家の血筋ながらも若くして将来を嘱望されていた麒麟児だったと言う。
 千代音は当然ながらに隙あらばこの不本意な状況を抜け出そうと画策していたが、結果として言えばその目論見が果たされる事は無かった。
 マサムネは若年にして非常に聡明で、良く出来た少年だったが故に深い孤独と絶望感を有していたのである。
 生家は期待するが血筋上、出世は難しく、周りには味方らしい味方もいない。
 さりとて周りの空気を推し量るのが上手い少年はそれでも現状に甘んじる訳にはいかない……
 千代音はマサムネの世話係として扱われたが、彼女が若年のマサムネが背負う孤独と圧迫感、不安感に気付かない筈もなく。
 結果として些か情の深すぎた彼女は「もう少し、もう少しだけ」と一年程も彼の世話係を全うしてしまう事になったのである。
 そして、彼女が大きな転機を迎えたのはそうして迎えた一年後の夜であった。
 自身を夜の庭園に導き「準備はしてある。今なら逃げられる」と告げたマサムネに千代音は静かに首を振ったのだ。
 少年は彼女が抱く家族への想いに気付き、彼女もまた少年の想いを理解していたのである。
 家族への想いに後ろ髪を引かれながらも千代音はこれより先、数年に渡りマサムネの侍女として仕える事になった。
 マサムネは人妻である彼女への想いを告げず、彼女もまたそれに気付かない振りをした。
 主従は歪ながらにも互いを慮り、共に歩んだだろう――何も無ければ。
 あのフィゾルテ・フィッツバルディが何もしなかったのなら!

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