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ストイシャからの誕生日プレゼント
登場人物一覧
ストイシャからの贈り物。
『カランコエのプリザーブドフラワー』と『琥珀羹』。
どちらもストイシャの手作り。練達や再現性東京で作り方を学んで、どうにかこうにか、作り上げたものだ。
プリザーブドフラワーはローズなどの基本的なものを多く含むが、特に推したいのはカランコエという小さな花々らしい。
大きな花と、小さな花々。その並びは、どこか家族を思い起こさせる。そうだね、ストイシャがお姉ちゃんで零が弟だから家族で当然だね。
色合いはどれも青を基調としたもので、涼やかなブルーは、ストイシャの瞳や髪の色を思い起こさせるかもしれない。最近はムラデンが「誰かに見立てた色」などを選んでいるので、自分も、それを見た時に思い起こしてほしい……と思ったのだろう。
琥珀羹は、寒天に砂糖や水あめなどを加えて固めた和菓子だ。はた目には宝石や氷細工のように見える。涼やかで華やかなお菓子である。
こちらも青を基調としたさまざまなカラーの物がそろっている。朝と夜の空の色。海の色や湖の色。そして氷の色――。それらの青は、やはりストイシャを思い起こさせるのだろう。そうしてくれたらうれしいな、と思う。
このどちらにも共通していることとして、ストイシャの氷のブレスによる、魔力氷がうっすらとコーティングされている。そのため、どちらもどこか冷ややかで、キラキラとした氷の星々のように、見るものを楽しませることだろう。あ、ちゃんと食べても大丈夫です。
ちなみに、何故プリザーブドフラワーを選んだのかといえば、そもそもストイシャの勘違いで、最初は『ブリザードフラワー』だと思っていたからである。「凍らせて作るんじゃないの……?」と言ったかどうかは定かではない。実際、ブレスで凍らせて「うまくいかない」と小首をかしげたこともある。この失敗作品がどこにあるかは聞かないように。
また、琥珀羹も「凍らせて作る」と勘違いしていたらしい。実際にブレスで凍らせて、「うまくいかない」と小首をかしげたこともある。この失敗作品がどうなったかは詮索しないように。
さて、そんなわけで、もしプレゼントをするのならば、こういったことになるだろう。
この設定委託の納品を以って、実際にプレゼントされたのだ、としてもらっても一向にかまわない。
心のこもった、ストイシャからのプレゼントである。どうか快く受け取ってもらいたい。