SS詳細
風の旋律
登場人物一覧
名前:Kyle・Ul・Vert(カイル・ユール・ベール)
一人称:僕
二人称:君(きみ)
口調:だ、だよ、だよね?
特徴:放浪癖、平和主義
設定:
遍く世界の全てが奏でた旋律を愛する青年。その歌声は水のように流麗で、優艶たる声音を有する。
音楽家として、そして、『音魔法』の遣い手として知られる幻想貴族ベール家の出身であり、カイルも例には漏れずバイオリニストとして活動して居る。
時に、貴族お抱えの演奏家として。時に、オーケストラに名を連ねるバイオリニストとして。時に、人々の心に残る作曲家として。
時に、ストリートミュージシャンやストリートシンガーとして。誰かの心を癒すが如くその才を発揮する。
様々な場所でカイルの名を聞くことは出来るが、彼はひとどころには留まらずふらりとその姿を消してしまうのだ。
贔屓にする貴族達は皆、彼の行く先を知らず「何処かに行ってしまった。まるで、風のように」と口を揃えるのだという。
それ故に、社交界では『風の旋律』と揶揄されることが多い。西風が吹いたように、ふらりとやってきては何かに急き立てられたように旅に出る。
それは耳にした旋律の美しさを追い求める彼の本能によるものなのだろう。
様々な旋律を耳にし、
恐れる事よりも知りたい。響き合う旋律は世界を鮮やかに見せてくれることだろう。
だからこそ、彼は新たな旋律を記録に残すために旅に出るのだ。どの様な場所であれど、其処に根付く人々の生命に、そして、世界その物は旋律を宿していることを知っているから。
「――生命は皆等しく音を奏でるものさ。自由とその意志によってね」
だからこそ、カイルは魔力を音へと変化させ己の意志にとって響かせる。
願わくば、世界が平和にならんことを。その願いの旋律は時に苛烈に、時に優しく響くことだろう。
演奏者として、その音色を届ける為に。青年は旅に出る。
行き着く先で人々が微笑んでくれることを切に願いながら。