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青灯の幻影
登場人物一覧
名前:アオ
種族:夜妖
性別:不明
外見年齢:十代前半(実年齢は不明)
一人称:僕
二人称:君
口調:だね、だよ、かもしれないね
特徴:十代前半の少年の姿を取る。以前は別の顔だったが、ジェックの顔を借りることにした。
設定:
青灯の花畑に棲む蝶の夜妖『青灯の幻影』。仄かに青く光っている。
自分の領域に迷い込んだ人間の魔力を少しだけ貰い受けることで生きている。
迷い込んだ者には、傍に居て欲しい人の姿や、可愛い子猫、妖精の姿などに見える。
ジェックが名も無き幻影だった蝶に『アオ』という名前をつけた。
自ら人間の姿を取る時は十代前半の少年のカタチとなる。
それは明煌と暁月が子供の頃、よく青灯の花畑に遊びにきていたためである。
暁月が来なくなってからも明煌は花畑に来ており、子供の暁月の姿を真似ていたようだ。
見たいのに見たくない。
そんな明煌の複雑な心情を察して、今は名を付けてくれたジェックの顔を借りている。
ジェックと共に青灯の花畑を訪れるようになってから、明煌に変化が起きた。
少しずつ心が解きほぐされているような気配があるのだ。
アオには青灯の花畑の外の事は分からない。
けれど、自分が暁月の姿を真似ていた時よりもずっと柔らかな表情をするようになった。
この前来た時も、四つ葉のクローバーを見つけて明煌は嬉しそうにしていたのだ。
ジェックが明煌の親友になってくれたのが、彼の心を強くしたのだろう。
きっと、今の明煌ならジェックの顔であろうと暁月の顔であろうと関係無い。
強くなった明煌はもう此処には来ないのかもしれない。
ジェックは強い人だから、青灯の花畑の幻影を必要としないだろう。
寂しくはあるけれど、それは仕方の無いことだ。
子供のように青灯の花畑を追いかけ続けた明煌が特別であるのだ。
それで構わないのだと、アオは此処にあり続ける。
遠い美しき思い出があったのだと、懐かしむとき、アオの存在は肯定されるのだから。