SS詳細
あたたかい笑顔
登場人物一覧
名前:コロ
種族:呪物
性別:不明
外見年齢:人間の姿の時は5歳ほど(実年齢は不明)
一人称:ボク
二人称:君、シルキィ
口調:かな、かも?
特徴:クリーム色の湯飲み。花の模様が描かれている。
設定:
再現性京都の日本庭園で他の呪物と一緒に隠れていた湯飲み。
湯飲みに宿った精霊で、人間の姿を取る事もあるようだ。
人間の姿を取るときは5歳ほどの幼子の姿になる。性別の判断はつかない。
臆病でさみしがり屋な小さな存在である。
自分を見つけてくれたシルキィにはよく懐いている。
日本庭園で拾われてからは燈堂家で他の夜妖たちと共に過ごしている。
同じような儚い存在がこの家には沢山居て、それがコロにとっては安心出来る場所になっているようだ。
シルキィは燈堂家の離れで一人で住んでいるのだとコロは思っていた。
けれど、それはどうやら違うらしい。
時々、尋ねてくる大きな黒い獣の友人と、もう一人深道に預けられている廻が居るのだという。
柔らかな笑顔を見せてくれるシルキィが、廻を想う時には少し寂しげな表情を浮かべる。
それだけシルキィにとって廻は大切な人なのだろう。コロにだってそれぐらいは分かるのだ。
寂しい気持ちに人一倍敏感なコロだから、何かシルキィの為に出来ないかと考えた。
湯飲みの自分に出来ること。それは、やはり温かいのみもので安らいでもらうことだろう。
その為に生まれてきたのだから。
コロは本邸の白銀の所へ行き、温かいココアを入れて貰った。
零さないように、そっと持ってシルキィの元へ急ぐ。
人間の姿と本体を一緒に出すのは難しいけど、シルキィの為なら頑張れた。
リビングのコタツで寛いで居るシルキィの前に湯飲みを置く。
「コロくん?」
「シルキィ、げんきだして」
「コロくんが用意してくれたの? 嬉しいよぉ! ありがとうねぇ」
寂しげだった表情が朗らかな笑みに変わる。
温かいココアを飲んで笑顔になったシルキィはコロを優しく撫でた。
やさしくてあたたかいシルキィの、大切な人が早く戻って来ますようにとコロは神様にお願いをするのだった。