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芳烈たる獣

登場人物一覧

ジルーシャ・グレイ(p3p002246)
ベルディグリの傍ら
ジルーシャ・グレイの関係者
→ イラスト

名前:リベルタ・セールラ
種族:終焉獣ラグナヴァイス
性別:男性
外見年齢:20代
一人称:俺
二人称:きみ、呼び捨て
口調:だ、だな、だろう、~か?
特徴:飄々、気分屋、気さく
設定:
 ふらりと現れる気さくな人間種の男性。
 何処にでも居るし、何処にも居ない。彼の足取りを追うのは難しいことだろう。

 人間種――正確には旅人ウォーカーを装い、あちらこちらへと顔を出すこの男の正体は、である。
 終焉獣ラグナヴァイス指揮官クルエラ級。滅びのアークそのもので作られた存在で、見た目は人間種の男性ではあるがその本質は獣に近い。――血と肉と争いをひどく好むのだ。
 イレギュラーズたちの前にクルエラ級が姿を現した頃、彼が纏う香りは血臭と死臭であった。香りになどに興味は無く、周囲もそれを気に留めないものだから気にしなかったのだが――ある日彼は知ったのだ。人という存在は自らが発する以外の香りを『纏う』のだ、と。
 リベルタが調べた所、人がそれを行う理由は様々だった。
『狩りをする時にある種の獣もそうするように、体臭を隠すため』
 その理由を知った時、リベルタの心が跳ねた。そうだ、この身は人を屠るためにある身。人に模し、人に隠れ、人を狩らねばならない。血臭や死臭は隠すべきだ。鼻の良いものであれば悟るだろう。
『鳥が美しい羽根を飾るのと獣が滑らかな毛皮を誇るのと少し似ている『お洒落』というものをするため』
 その理由を知った時、何てのだろうと思った。香りを纏う理由の説明になる。

 気さくに振る舞うが、彼の中ではしっかりと人類は『敵』という立ち位置であり、決して相容れない、滅ぼすべき相手だと認識している。
 だが、だからこそ、『敵を知る』必要があると考えた。
 人という存在は何に嘆き悲しむのか。
 人という存在は何を喜び尊ぶのか。
 ……より確実に滅ぼすには、双方を知っておいたほうが『効率的』であろう。
 リベルタは終焉獣。この混沌なる世界に終焉を齎す滅びの獣なのだから――。

 香りを知り纏うようになったリベルタは、香り関係で気になることが出来た。
 香りは風が遠くまで運ぶもの――ならば、その香りで人を滅ぼせないだろうか?
 もしそんな香りがあって改良を重ねて広範囲に出来たのなら、人は……。
 ――楽しい想像に自由な獣は嗤った。
 今日も彼は香りを纏い、人々の間を通り過ぎていく。
 知るために、殺すために、滅ぼすために。

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