ＳＳ詳細
アルメリアと魔法の箒（R15）
登場人物一覧
- アルメリア・イーグルトン(p3p006810)
緑雷の魔女
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アルメリアの家の書斎はお世辞にも片付いているとは言えない状況である。読書が大好きなアルメリアにとって掃除の時間がもったいなく感じてしまうのだ。どうしたものかと魔導書を読んでいるとぴったりのものが見つかった。勝手に掃除をしてくれる魔法の箒。これさえ作れば掃除をしなくても済む！ 彼女は意気揚々と材料を集め始めるのであった。
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魔導書の手順通りに準備を進め、詠唱し、３つの箒に魔法をかける。３つの箒はぶるぶるっと大きく震えた後、ふわりと浮き上がり、しばらく何をすればいいかわからないといった具合に止まっていたがすぐに動き始める。最初こそものにぶつかったりと危なげであったが時間がたつにつれて行動が落ち着いてくる。
さっさっ。さっさっ。さっさっ。
大、中、小と買ってきたばかりの箒たちが無事に掃除をしてくれている。アルメリアの魔法は成功したようだ。今回は試しに３つだけだったが、もう少し増やして家中を掃除させるのもいいかもしれないと思い参考にした魔導書を改めて開く。
「……あれ？」
最初に見た時は読み落としていた米印のマークが目に入る。目を凝らして更に見てみると……『できるだけ使い古した箒を使うこと』と書かれている。嫌な予感がしてアルメリアが顔を上げると箒たちに囲まれていることに気が付く。本を閉じて逃げようとしたが、足がもつれてバランスを崩し、大きなお尻でどすんっと尻もちをついてしまう。そして、新参者の箒達は何がゴミなのか区別がつかず、この部屋にある中で何とかなりそうな大きさであるアルメリアをとりあえず片付けようと襲い掛かる。
「ちょ、ちょっと。くすぐったぃっっ」
何とか抵抗しようと試みるアルメリアであったが、新しい箒の毛先の柔らかさがくすぐったく何とかしようとしている内にいつの間にか仰向けになってしまっていた。仰向けになったアルメリアを容赦なく掃いていく箒達。アルメリアの大きな胸が箒に優しく撫でられる。時折、毛先が服の繊維の間を通って素肌に直接ちくちくと当たる感触がアクセントとなり、ただくすぐったい以上にアルメリアを疲弊させていく。
「あっ、止まって、からまってるから服が伸びちゃうのよ」
箒が服に絡まってしまいそれでも箒はお構いなしに動き続ける。アルメリアのお臍、わき腹、そして、南半球あたりが見え隠れし始めてしまった所で箒が服から外れてくれる。ほっとしたのも束の間、程よい隙間用にと用意した中ほどの大きさの箒がアルメリアの谷間という名の隙間に侵入してきた。南半球から赤道を掠り、一気に北半球まで。毛先の一本一本がアルメリアをくすぐっていく。
「ひゃあ！？」
先ほどの箒のせいで衣服がしっちゃかめっちゃか乱れていたのも手伝って、箒は首元ぎりぎりまで登ってきていた。そして、アルメリアは確信する。このまま箒が戻ろうものならまろび出てしまうと……覚悟を決めて腕を組み自分の胸をぎゅっと寄せて箒を出られないようにする。
「しょ、しょうがないのよ。これはしょうがないの」
自分に言い聞かせるように独り言をつぶやく。とにかく一度体勢を立て直すために立ち上がろうと足に力を入れた瞬間、むっちりとした太ももから鼠蹊部までを撫でられる感触に襲われる。力の入っていた足から瞬時に力が失われ、再び尻もちをついてしまう。
「ひゃぁぁ、な、なに？ なに？」
正体は机の隙間や裏用に用意した小さな箒である。箒はそのまま横にずれて今度は鼠蹊部から太ももまでを掃き掃除しようとしているらしい。そうはさせてなるものかとむっちりとした太もも同士を合わせるようにして箒を挟み込んで動けないようにする。現在アルメリアは胸の中でもがく箒と鼠蹊部付近で逃げ出そうとする箒を捕まえている状態だ。どちらも小刻みに動いているので気を抜くと大変なことになってしまう。
幸いなことに大きな箒はこちらに一度興味をなくしているようなので、このまま効果時間が切れるまで静かにしようと心に決めて、改めて残った大きな箒の方向を見ると――
「そっちにいったらだめよ！」
そこには秘蔵コレクションのいくつが保存してある棚に向かおうとしている箒の姿があった。あれを乱雑に扱われるわけにはいかないと声を上げるアルメリア。大きな箒も改めてアルメリアに興味が戻ってきたらしい。
「お、お手柔らかに……そこはだめっっ、やぁ」
抵抗できないアルメリアは魔法の効果時間が終わるまでの間。たっぷりと大きな箒に耳を優しく優しく掃き掃除し続けられた。効果時間が終わってもしばらくの間ふぅーっふぅーっと息が荒く、汗で服が張り付き、顔が紅潮していたのは言うまでもないだろう。
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出鼻をくじかれたアルメリアは今日は読書の日として新しい本を求めて本屋へ赴く。頬を叩いて見出した本は錬金術師が動く道具にやーんな目にあう内容で……あったとかなかったとか。
