PandoraPartyProject

SS詳細

リス・レッドフィールド。或いは、次世代の英雄…。

登場人物一覧

カナデ・ラディオドンタ(p3p011240)
リスの王

名前:リス・レッドフィールド
種族:リス
性別:雄
年齢:1歳
一人称:ちゅ(俺)
二人称:ちゅちゅ(お前)
口調:ちゅう、ヂヂッ(~だな、~だろう)
特徴:勇敢、艶やかな毛並み、英雄的
設定:
豊穣の実り豊かな御山に暮らす若きリス。
本来、リスたちに個別の識別名称は存在しないが、彼の場合は御山が紅葉で真っ赤に染まる時期に生まれたことからレッドフィールドと言う名が与えられている。
勇敢な性格をしており、ほとんどのリスたちが臆病であるのに対し、彼は強敵を相手でも真向から立ち向かっていく気概を持つ。仲間のリスたちからは、その向こう見ずな気質を心配されているが、同時にリスらしからぬ勇敢さを高く評価されており、次世代の指導者となることを強く期待されている。
以前にカナデとリスの群れが激しい戦いを繰り広げた際、先陣を切って挑んで行ったのが彼だ。結果としてリスたちはカナデに敗北し、彼女を「リスの王」と認めることになった。

特に若い世代のリスたちからの支持が厚く、中にはリス・レッドフィールドに付き従い、戦士としての資質を開花させつつある者もいるほどだ。
しかし、今のリス・レッドフィールドには圧倒的に実力と経験が不足している。勇敢であるだけでは、群れを率いて過酷な自然の世界を生き抜くことは出来ない。
本人もそれを自覚しており、カナデが御山を訪れた際には戦闘訓練などを付けてもらっている。リス・レッドフィールドは己の勇敢さに驕り、研鑽を怠るような愚かな齧歯類では無い。
また、彼は己に足りないもの……つまりは見分を広めるべく、修行の旅に出かけることを考え始めている。だが、外の世界は過酷であり、勇敢とはいえただのリスである彼1匹ではとても生き延びることは出来ないだろう。
そのため、カナデの従者としてサヨナキドリへの出向を打診中。御山の大将を気取っていては、今以上の力を得ることは出来ないことに気が付いたからだ。
一方でカナデの方は、愚直に力を追い求めるリス・レッドフィールドの気質を評価しつつも、力に溺れることの危うさを感じている。
リス・レッドフィールドが「勇敢なるリスの指導者」となるか、「武力に溺れた暴君」となるかは、カナデの指導にかかっていると言えるだろう。

なお、余談ではあるが最近になってカナデのことを「もしかしてリスじゃないのでは?」と思うようになった。

  • リス・レッドフィールド。或いは、次世代の英雄…。完了
  • GM名病み月
  • 種別設定委託
  • 納品日2023年10月30日
  • ・カナデ・ラディオドンタ(p3p011240
    ・リス・レッドフィールド
    ※ おまけSS『英雄の在り方。或いは、漢1匹…。』付き

おまけSS『英雄の在り方。或いは、漢1匹…。』

 リス・レッドフィールドはリスである。
 御山が紅葉に染まる時期に産声をあげた、小さく非力な、けれど勇敢なリスである。
 実り豊かな御山の幸を腹いっぱいに食べながら、日々、御山を駆け回ることで身体を鍛えた。リス・レッドフィールドは非力だが……というより、リスという種族そのものが弱っちいのだが……仲間たちを統率し、指揮することでリスらしからぬ戦果を多く挙げて来た。
 だが、あの日。
 あの秋の日に、リス・レッドフィールドは完膚なきまでに敗北した。リス・レッドフィールドとその仲間たちは力の限り戦ったが、カナデ・ラディオドンタ(p3p011240)という王者の前に敗れ去ったのである。
 敗者は勝者に従うものだ。
 リスの群れは、カナデを「リスの王」と崇め、その足元に首を垂れた。リスたちにとって僥倖であったのは、カナデが決して暗愚ではなく、また暴君でも無かったことだ。
 カナデは正しくリスたちの王として振舞い、リスたちを己の民として扱った。
 偉大なる武王に率いられる安心感。そして、同時に己らの弱さを知った。リスの身体は小さい。だが、カナデの話によれば世界には圧倒的な体格差さえものともせずに、巨大なる怪物を相手に勝利を収めた英雄が存在するという。
 リス・レッドフィールドはカナデの語る英雄譚に憧れた。
 英雄の条件は幾つかある。
 1つは勇敢であること。
 1つは強き者であること。
 1つは決して孤独ではないこと。
 絶対強者に脆弱なる身で挑み、討ち勝つためには、知恵と勇気を振り絞り、仲間の力を1つに束ねることが重要であることを知った。
 世界は広く、リス・レッドフィールドはあまりに小さい。
 リス・レッドフィールドはその事実を知り、ただ己の現状を憂うだけの弱いリスではない。リスの小さな脳味噌を必死に回転させ、考えた。己に足りないものがあるのなら、その全てをこれから補えばいいのだと。
「ちゅう」
 落ち葉と蔦で編まれた玉座に座る王の御前に控え、リス・レッドフィールドは懇願した。最近になって「もしかして彼女はリスでは無いのではないか?」と言う疑問を感じるようになったが些細なことだ。彼女がリスで無かったとしても、彼女が「王」であることに違いは無いからだ。
「ちゅう、ちゅちゅう」
 どうか貴方の旅に同行させてほしい。
 非力な己を鍛えてほしい。
「…………ふむ」
 リス・レッドフィールドの懇願を、カナデは静かに聞いていた。

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