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刻見 雲雀、内心の困惑を隠しつつ依頼を遂行するの巻。
刻見 雲雀、内心の困惑を隠しつつ依頼を遂行するの巻。
登場人物一覧
……まず、ローレットに持ち込む依頼が「罵ってください」というのがかなり変態的だという自覚はある? そう、あるんだ。
君も幻想貴族なら昨秋のアーベントロートの動乱は当然覚えているよね? あとは鉄帝に出てきた冠位憤怒との戦争。本来ローレットの力というのはああいう国家の一大事とか、それでなくても市井の人たちの困りごととか、そういう事への対処を想定してるの。
いくらローレットが不偏不党、どんな依頼でも受けますって看板を出しているとはいえ貴族の性癖を満たすためにあるんじゃないんだよね。そこをちゃんと分かってるのかな。分かってないよね? 実際にこんな依頼を出しちゃったもんね?
それと、そもそもこの依頼にかけたお金はどこから出てきたの? 領民の人たちからの税だよね。
うん、わかるよ? 君はちゃんと貴族としての務めは果たしているみたいだし、汚職がどうこうみたいな悪い噂も聞こえてこない。
それは君の正当な生活費だし、趣味の部分を何に使っても君の自由だよ。
でもね、だからってこんなことにお金をつぎ込むのはどうなの? 受付で依頼料を払う時に領民の顔とか思い浮かばなかったの?
これだけ言われてどうして嬉しそうなの? 本当に……君ってどうしようもない変態だね。
おまけSS『事後。』
こんな感じでよかった?
あ、すっきりした顔してる。うん、どういたしまして。
こんなのでよかったらまた依頼してよ。
……でも今度は他の人を指名してほしいかな。こういうのが得意なイレギュラーズはたくさんいるから。