緋き復讐

登場人物一覧

名前：『緋色の弾丸』アエミリア
種族：カオスシード
性別：女性
年齢：不明
一人称:アタシ
二人称:アンタ
口調：～だわ、～でしょう、〜よね
特徴：傭兵、『緋色の弾丸』、孤児院育ち
設定：
　孤児院育ちの娘。コルネリアとは幼少期を共に過ごしているが彼女についての詳細は知らない。
　コルネリアにとっての師にあたるスピーキオの一人娘であるが、コルネリア自身はアエミリアの事を「孤児院の姉」としてうっすらと認識しているだけだろう。
　母マチルダが死去し、父に引き取られたアエミリアは鉄帝の私塾に引き取られて幼少期を過ごす。
　届けられた父の訃報には『コルネリア』と言う娘が父を殺害したことのみが載せられていた。
　父を殺した憎き相手であるコルネリアを殺す為にアエミリアは傭兵としての技術を身に着け、日々、各国を移動しながらコルネリアの姿を探している――

　スピーキオがコルネリアに『殺された』というのは間違いである。
　傭兵として生き残る術を学びたいというコルネリアの為の『卒業試験』をスピーキオは用意したのだ。標的が誰かを知らせず、人を殺せば一人前であると。
　皮肉にも妻マチルダの命を奪う奇病にスピーキオ自身も身を蝕まれていたのである。故に、朽ちる前に愛弟子にその命を終らせて貰いたいと考えの事であった。
　事実を知らないのはアエミリアもコルネリアも何方も同じだ。
　スピーキオとマチルダを蝕んでいたのは深緑で散見される石花病という病であったことも、身が石のように固くなり一等美しい花を咲かせて朽ちて消えるという事も。
　何方もが真実を知らぬ儘、今まで生きてきている。

　アエミリアは有る時に「お前の仇の場所を教えてやるからガキの面倒を見て欲しい」と言う男と出会った。
　深緑の古語魔術を知るという孤児だった男と共に『魔女』を殺しに出掛けた際に母を蝕んだ石花病と呼ばれた病はファルカウに関連がある事を知る。
　だが、その真実などどうでも良いのだ。横たわっている『現実』はコルネリアが父を殺しただけである。
　共に行動していたティエーラは父と慕った男をローレットに殺された。その依頼を受けた者がタイムという名前であったことも、傍にコルネリアが居た事も偶然であり必然だった。

「アタシと一緒に復讐をしましょうよ。これ以上アイツに何も奪わせない」
　――そう口にしたとき、気付けば傍に居た彼も大切な存在になっていた事からはアエミリアは目を逸らした。