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SS詳細

幸運の女神様

登場人物一覧

ジュート=ラッキーバレット(p3p010359)
ラッキージュート
ジュート=ラッキーバレットの関係者
→ イラスト

名前:アンネマリー=ライラック
種族:精霊
性別:女
年齢(或いは外見年齢):不明
一人称:私
二人称:あなた
口調:ね、よ、なのね、なのよね?
特徴:薄布で体を覆い、羽衣を使って浮遊も可能
設定:
 アンラック家(表向きはラッキーバレット家)の先祖と関係があった『幸運の女神』。
 アンラック家が一族代々薄幸になる呪いを背負った原因であり、ジュートの先祖とラブロマンスを繰り広げた末に、初代女神様の怒りをかった女神様。
 初代女神から与えられた罰で、ジュートの先祖にまつわる記憶全てを奪われてしまっている。
 ある日、初代をこえる豪運を彼女が身につけてしまった結果、初代女神が事故にあい、"幸運にも"報復が叶ってしまうが、それも本人は覚えていないようだ。


 混沌には、幸運の女神様と呼ばれる女性が存在する。
 主に貴族や富裕層によって豪運を振りまく女神の名は噂にはなっていたが、なかなかその存在は掴むことができない。
 理由の一つは、女神様と接触する者が存在を隠蔽するから。
 もう一つは、女神様がふらりと別の場所へと向かってしまうからだ。
「グズね。そんなこともできないの?」
 大人しそうな見た目に反して、「幸運の女神」アンネマリー=ライラックは加虐癖を持つ。
「幸運の女神の微笑みは勝利のためだと、本当にお思いで?」
 アンネマリーの性格もあって、接触できた者から敬遠されたり、アンネマリー自身が愛想を尽かしたりと一所に留まらず、混沌中をさすらっていたようだ。
(どうして……)
 アンネマリーは以前から、どこか空虚さを覚えていて。
 心の中にぽっかりと穴が開いたような寂しさ。
 その理由がわからず、彼女はずっと苦悩してしまっていた。
 長く思い悩む間に、アンネマリーは性格を歪めてしまったのだ。
(思い出せない)
 その度に感情がかきむしられるように感じ、彼女はまた新たな人と接触をはかる。

おまけSS『ラッキージュート』


 アンネマリーはやがて覇竜へと至る。
 この地でもふらりと亜竜種達へと接触していたのだが、どこか懐かしさを感じていた。
 亜竜種との接触でこれまでよりは自身の穴を埋めるような感覚があったが、塞ぎきるには至らない。
 ただ、覇竜でまことしやかに囁かされる幸運の女神様の情報を、ジュートは耳ざとく入手して。
「やっと見つけたぜ。幸運の女神様!」
 色々な情報が得られるローレットへと所属して、思った以上に早く目的の女神の話が得られたとジュートは歓喜する。
 覇竜なら、他地域の貴族や富裕層と違って存在を隠蔽されることもなく、居場所の特定は比較的容易。
 ジュートとアンネマリーの邂逅は必然だったのだろう。
 きっかけはローレットなる存在がとある集落へとやってきたときのこと。
 その中にいたジュートが飛ばすコインに、アンネマリーは気づく。
 表面に刻まれたデザインは、清廉なる女神。アンネマリーと似たものだったのだ。
 ローレットの任務解決後、彼女が一直線にジュートへと接触する。
「俺か? ジュート……ジュート=ラッキーバレットさ」
 コインのデザインと同じ姿をした女神にジュートも目を見張るが、当の女神……アンネマリー側はそれ以上に目を見開いて。
(何故、ジュートを見て涙が溢れるの……)
 涙が零れ落ちる度、アンネマリーは心の穴が塞がっていくような心持ちになる。
 同時に、どこかでこんな事になるまでという感情も首をもたげ、どうしてやろうかという気持ちも後追いで抱き始めていたのだった。

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