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聖母の祈り

登場人物一覧

リースリット・エウリア・F=フィッツバルディ(p3p001984)
紅炎の勇者
リースリット・エウリア・F=フィッツバルディの関係者
→ イラスト

名前:ジュリア・フォン・クレヴァンス
種族:人間種
性別:女性
年齢:24歳
一人称:私
二人称:貴方、~さん、ティナリス、ロニ、リースリットさん
口調:です、ます、ですか?
特徴:銀髪碧眼の妙齢の女性。
設定:
 天義聖騎士団グランヴィル小隊の騎士。
 四年前の戦いで生き残ったグランヴィル小隊の一人。
 大部分を失ったグランヴィル小隊にとって貴重な戦力である。
 ニコラ・マイルズ とは同室で仲が良い。

 気性の荒いニコラとは正反対で冷静沈着な視点で物事を見極める人格者。
 天義貴族であるクレヴァンス家の出身で、神聖魔術や剣術にも優れている。
 小隊の騎士達から頼られる事も多く、その優しく包み込むような笑顔から『聖母』と呼ばれている。
 聖母と呼ばれるのは少し気恥ずかしいが、それで隊内の空気が円滑になるのなら構わないと思っている。
 しっかりとした安定感に騎士達は安らぎを覚えるのだろう。

 ジュリアとて、最初から聖母のようだった訳では無い。
 四年前は正しく在らねばと、もう少し冷たい印象を与えていただろう。
 それを変えたのは、ティナリスの母メレイアとの出会いだ。
 激戦の一途を辿る大戦の中で、メレイアは多くの仲間を癒した。
 助からない命には痛みを取り払った。それは、味方も敵も関係無く。

 母親が瓦礫に埋もれ、逃げ遅れた兄妹の『妹だけ』をメレイアはジュリアに託した。
「必ず、妹さんを安全な場所へ……それが彼らの願いですから」
 ジュリアは妹を連れてその場を後にした。
 よく頑張りましたね、とメレイアの声が遠く聞こえ。四方から響く銃弾の音に掻き消された。
 振り向いてはならなかった。足を止めてはならなかった。
 腕の中の命を安全な場所へ送り届けなければならないのだ。

 戦いが終結し、メレイアが殉教した事を知った。
 最前線で戦っていた隊長のパーセヴァルは、妻であるメレイアが殉教した事を知らずに逝ってしまったのだろう。
 それはメレイアも同じだったはずだ。それでもその身を挺して戦った。未来の為に。

 あの時の判断が正しかったのか、ジュリアは苦悩した。
 けれど、あの時メレイアから託された少女が、彼女と交流のあったリゴールを通じて、ロルドリックのシスターパウラの元で元気に過ごしていることは、何よりの肯定に思えた。

 ――聖母(メレイア)のようにありたい。
 そう、ジュリアは自分に課しているのだ。

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