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次も一緒に
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「こんな同居人は、嫌ですか」
一年半ほど前、ボディはそんな風に龍成へ問いかけた。
現実でも女性の身体へ変われるようになったボディへ、龍成は「嫌なわけない」と返したのだ。
あの時は親友だった。
今も親友のはずだ。
それなのに、どうして――
寝ぼけて布団に抱き込まれただけで、体温が上がり頬が真っ赤になるのだろう。
朝が弱い龍成はこうしてよくボディを抱きしめて二度寝を決め込むことがある。
何でも無い、何度も体験した、日常風景だ。
変わったことといえば、龍成がパジャマを着るようになったことだろうか。
心境の変化があったのか、ボディには分からなかった。
まあ、風邪を引いてしまいそうだったから着てくれて助かるのだが。
「龍成、そろそろ放してください……」
「う、ぅん……」
身じろいだボディを放すまいと龍成は無意識にボディの身体を強く抱きしめる。
「ボディ……」
名前を呼ばれ顔を向ければ、少し隈が出来ているようだった。
医学の道へ進むと決めた龍成は、近頃は遅くまで勉学に励んでいる事も多い。
一度は目を背けた姉と同じ道を往くと決めたのだ。応援したい気持ちはある。
しかし、この寝ぼけて布団に抱き込むのはどうにかならないものだろうか。
「……あー、良い匂いすると思ったら、ボディか」
とろりとした目でボディを見つめた龍成は、嬉しそうに「おはよう」と微笑む。
のそりと起き出した龍成は机の引き出しから箱を取り出しボディへ渡した。
「今日、誕生日だろ。おめでとうボディ。これ誕生日プレゼント……ヘアオイルなんだけどローズ系だから着けやすいと思う。無くなったらまた一緒に買いにいこうぜ」
使えば消えてしまうもの。けれど、『また次』を一緒に選びに行こうと龍成は笑った。