SS詳細
コインの裏
登場人物一覧
- 城火 綾花の関係者
→ イラスト
名前:城火 織花
種族:魔種
性別:女性
年齢:21
一人称:アタシ
二人称:アナタ、~さん
口調:ね、よ、なのね、なのよね?
特徴:綾花に瓜二つ、快楽主義、豊満、寂しがり
設定:
城火 綾花の名を騙り幻想を乱す魔種。堕落的な街娘として潜み、気まぐれの思いつきで世を乱す。ただ情動を発散するかの様に命を奪い、狂気に揺れ動かされるままに色欲に溺れる歩く災厄。
彼女の僅かな足取りと犯罪率の上昇傾向より、原罪の属性は色欲であると推測されている。
彼女の『出自』はある未解決事件まで遡る。
幻想という国では孤独な子供が何も知らずに汚れ仕事に手を染めてしまう事が少なくない。
大切な人のためにと言われるがままにたった1,2本のナイフのみを持たされた齢十にも満たない鉄砲玉、要人を刺した後の帰り道も報酬も存在しない運命の藻屑。
その少女は期待された通りの仕事をやり遂げた。ただ一つ、その貴族のふくよかな肉にナイフの刃を沈めた時、罪悪感が
色欲に愛された少女は快楽のままに護衛ごと紅に染め上げ、依頼人にもきっちりと『報酬』を貰った後に行方をくらませたという。残されたものははサバイバルナイフの様なもので幾多の裂傷を負った死体の山と、『おりか』と拙い字で名前らしきものが刻まれた子供用の服のみであった。
魔種は探している、あの日
そして願わくば、快楽のままに死ねなくなった魔種の体で永遠に
おまけSS『綾織』
それは在りし日の幻覚か、左目に焼き付いた光景であったのか。
小さい頃孤独に寄り添い合っていた誰かが自分に居た夢を何度も見た。明日死ぬかもしれないと思っていても彼女となら一緒に生きていけると思っていた。同じ日に生を受けて、同じ顔をして、同じご飯を分け合った様な二人だからこそ。
その双子の妹の事を気遣い、一日も早く温かい家で暮らしたいと強く願っていた。
雪の降る夜だった。寒さで動かない体を一歩、また一歩と前へと動かしあばら家へ戻ったその時、ドス黒いオーラに包まれた妹の姿を見たのは。
刺された██はゼリーの様に切れて焼け焦げた、散った赤色の█は雪を紅に染めた。けれどその痛みよりも甘い囁きが何よりも恐ろしかった。
お姉ちゃん、もうこんな生活やめよう。一緒にすっきりしよう。その言葉に思わず首を横に振った時、妹はひどくなにかに怯えたように後退り、そして姿を消した。
呆然と座りこんだ自分にいつまでも雪が吹き付けても、永遠に、延々と、空だけを眺め続けて――そこで意識が闇に閉ざされる夢。
繰り返されるその夢が現実であるかは定かではない、ただ左目が妙に痛むのだ。自分と同じ顔を持ち、自分と同じ名を名乗るその魔種の話を聞くたびに。彼女は一体何なのか。ドッペルゲンガーか、あるいは自分がその反転した人間種の代わりにされた存在なのか、それとも本当に――
コインの目は裏ばかり出続けていた。